高齢の親にスマホを渡したい！Wi-Fiなしでも大丈夫？
離れて暮らす高齢の親に、いつでも連絡が取れるようスマホを持たせたいと考える方は多いでしょう。しかし「実家にWi-Fi環境がない」「Wi-Fiなしで料金が高くならないか心配」といった不安を感じていませんか？
特に、ご本人が「電話やメールができればいい」という場合、わざわざネット回線を契約するのも大げさですよね。この記事では、Wi-Fiなしでスマホを使う際のメリットや注意点、最適なプラン選びまでを分かりやすく解説します。
【結論】高齢者のスマホはWi-Fiなしでも利用可能！ただし条件あり
結論からお伝えすると、高齢者のスマホはご自宅にWi-Fiがなくても問題なく利用できます。スマホはWi-Fiがない場所でも、携帯電話会社の電波（モバイルデータ通信）でインターネットに接続できるからです。
ただし、これには「使い方による」という条件がつきます。電話や簡単なネット検索が中心なら、Wi-Fiがなくても不便は少ないでしょう。まずはスマホの通信の仕組みを簡単に理解しておくことが大切です。
まずは基本の確認！Wi-Fiとモバイルデータ通信の違いとは？
スマホがインターネットに接続する方法は「Wi-Fi」と「モバイルデータ通信」の2種類です。この違いを理解することが、ご両親に合った最適なプランを選ぶ第一歩になります。
Wi-Fiは「自宅などに設置する固定回線」、モバイルデータ通信は「スマホの契約プランに含まれるデータ容量（ギガ）」と考えると分かりやすいです。それぞれの特徴を下の表で確認してみましょう。
| Wi-Fi | モバイルデータ通信 | |
|---|---|---|
| 利用場所 | 自宅やカフェなど、Wi-Fiルーターがある場所 | 携帯電話の電波が届く場所ならどこでも |
| データ通信量 | 基本的に使い放題（定額） | 契約プランの上限あり（ギガを消費） |
| 月額料金 | 別途、回線契約の料金が必要 | スマホの料金プランに含まれる |
Wi-Fiなしでスマホを使うということは、この「モバイルデータ通信」だけを利用するということです。そのため、データ通信量が少ないプランを選ぶことが、料金を安く抑えるコツになります。
あなたの親はどっち？Wi-Fiが必要か不要か簡単チェックリスト
「うちの親にはWi-Fiは不要かな？」と感じているかもしれません。本当にWi-Fiがなくても大丈夫か判断するために、簡単なチェックリストをご用意しました。親御さんの使い方を想像しながら確認してみましょう。
このチェックリストを使えば、Wi-Fi環境を導入すべきか、モバイルデータ通信だけで十分なのかが明確になります。契約後に後悔しないためにも、ぜひチェックしてみてください。
- □ 主な目的は家族との電話（通話）だ
- □ 連絡はLINEのメッセージ（テキスト）が中心になりそう
- □ カメラで撮った写真を家族に送る程度で十分
- □ インターネットで調べ物をする習慣はあまりない
- □ 機械の操作や新しい設定はできるだけ避けたい
上記に3つ以上当てはまる場合、Wi-Fiなしでも満足に使える可能性が高いでしょう。逆に「毎日ビデオ通話をしたい」「YouTubeを楽しみたい」といった要望があるならWi-Fiがあった方が快適です。
Wi-Fiなしで高齢者がスマホを使う4つのメリット
あえてWi-Fiを契約しないことには、特にデジタル機器が苦手な高齢者にとって多くのメリットがあります。何よりも「シンプルで分かりやすい」という点が大きな安心材料になるでしょう。
具体的には、通信費を節約できるだけでなく、複雑な設定や機器の管理から解放されるという利点もあります。ここでは、Wi-Fiなしでスマホを使う主な4つのメリットをご紹介します。
1. 月額料金を安く抑えられる
最大のメリットは、通信費用を安く抑えられる点です。光回線などを契約すると、スマホ代とは別に月々4,000円〜6,000円程度の固定費がかかります。Wi-Fiがなければ、この費用が一切かかりません。
費用はスマホのプラン料金だけで済みます。ご両親の使い方に合った低容量プランを選べば、月々の負担を大きく減らすことが可能です。これは家計にとっても嬉しいポイントです。
2. 複雑な契約やインターネット設定が不要
インターネット回線の契約には、多くの手続きや設定が伴います。特に光回線の場合、開通工事が必要になることも。Wi-Fiなしであれば、このような面倒な手続きは一切不要です。
Wi-Fiルーターのパスワード設定といった複雑な作業もないため、スマホの契約だけで完結します。これなら、機械が苦手な高齢の親御さんでも混乱することなく、スムーズに利用を開始できます。
3. ルーター等の機器が増えず自宅がスッキリする
Wi-Fiを利用するには、ルーターやONU（光回線終端装置）といった機器を設置する必要があります。これらの機器は電源が必要で、コンセント周りが配線でごちゃごちゃしがちです。
Wi-Fiがなければ、余計な機器を置く必要がなく、ご実家の見た目もスッキリした状態を保てます。掃除がしやすくなるなど、生活面でのメリットも考えられます。
4. 不要なネットトラブルのリスクを減らせる
「インターネットに繋がらない」というトラブルの原因の一つに、Wi-Fiルーターの不具合があります。Wi-Fiを使わなければ、こうした機器が原因のトラブルを根本から避けられます。
「Wi-Fiの電波が弱い」「パスワードが分からない」といった問題は、高齢者には解決が難しいものです。原因がスマホ本体に限定されるため、問題の切り分けがしやすくなります。
契約前に知っておきたい！Wi-Fiなしスマホの3つの注意点（デメリット）
Wi-Fiなしの運用にはメリットが多い一方、知っておくべき注意点も存在します。契約後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、デメリットもしっかりと確認しておきましょう。
特に、スマホを安全かつ快適に使い続けるために必要な「アップデート」や「データ通信量」に関する点は重要です。事前に把握しておくことで、適切な対策を立てることができます。
注意点1：OS・アプリのアップデートにデータ量を大量消費する
Wi-Fiがない環境で最も注意すべきなのが、スマホのシステム（OS）やアプリの更新です。更新用のデータは容量が非常に大きいため、通常はWi-Fi接続中に行われるように設定されています。
もしモバイルデータ通信で更新を行うと、契約しているデータ容量（ギガ）を一度に使い切ってしまう恐れがあります。これが、Wi-Fiなしで運用する際の最大の注意点と言えるでしょう。
放置は危険！セキュリティ低下や動作不良の原因に
更新をせずに放置すると、セキュリティが古いままになり、ウイルス感染などのリスクが高まります。また、LINEなどのアプリが使えなくなることも。安全かつ快適に利用するため、定期的な更新は不可欠です。
注意点2：データ通信量（ギガ）を使いすぎる可能性がある
電話やメール中心のつもりが、いつの間にかネット検索や動画視聴に夢中になることがあります。気づかないうちにデータ容量を使い切り、通信制限がかかってしまうケースは少なくありません。
通信制限がかかると、インターネットの速度が極端に遅くなります。いざという時に調べ物ができないなど、非常に不便な状態になってしまうため、使いすぎには注意が必要です。
特に注意したい動画視聴や写真・ビデオ通話
データ通信量を特に多く消費するのが、YouTubeなどの動画視聴や、LINEのビデオ通話です。高画質な写真をたくさん送受信することでもデータ量は消費されます。
ご本人にそのつもりがなくても、お孫さんから送られてきた動画を見るだけで、ギガを大幅に消費する可能性があることを覚えておきましょう。
注意点3：家族が帰省した際に不便を感じることも
親御さん自身はスマホをあまり使わなくても、子どもや孫が実家に帰省した際に不便を感じる場合があります。今やWi-Fiは生活に欠かせないインフラの一つです。
帰省中にパソコンで仕事をしたり、子どもが動画を見たりする際、自宅にWi-Fiがないと不便です。自分のスマホのテザリング機能を使うことになり、データ容量を気にする必要があります。
【これで安心】Wi-Fiなしの注意点を解決する3つの方法
Wi-Fiなしのデメリットを知って不安になったかもしれませんが、ご安心ください。それぞれの注意点には、簡単な対策があります。事前に知っておけば、いざという時も慌てずに対処できるでしょう。
ここでは、先ほど挙げた3つの注意点を解決するための具体的な方法をご紹介します。これらの対策を組み合わせることで、より安心してWi-Fiなしのスマホ運用が可能になります。
対策1：アップデートは「テザリング」や「キャリアショップ」を活用
定期的な更新は、家族が帰省した際に、あなたのスマホの「テザリング機能」を使うのが最も簡単です。テザリングで一時的にWi-Fi環境を作り、更新作業をしてあげましょう。
もし頻繁に会えない場合は、ドコモショップなどのキャリアショップに持ち込んで相談すれば、スタッフが更新を手伝ってくれます。対面サポートの充実は、大手キャリアを選ぶ大きな利点です。
対策2：「モバイルデータ通信オフ設定」でギガの使いすぎを防ぐ
意図しないデータ通信を防ぐには、スマホの「モバイルデータ通信」を普段はオフにしておくのが効果的です。インターネットを使いたい時だけオンにすれば、ギガの無駄遣いを防げます。
また、アプリごとにモバイルデータ通信を許可するかの設定も可能です。動画アプリなどはWi-Fi接続時のみ利用するように設定しておけば、うっかり使いすぎる心配がなくなり、より安心です。
対策3：自宅にネット環境を作るなら工事不要の「ホームルーター」がおすすめ
「更新の度に帰省するのは大変」「やはり動画も見せてあげたい」となった場合、工事不要で使える「ホームルーター」という選択肢があります。コンセントに挿すだけでWi-Fi環境が作れます。
設定も簡単なため、機械が苦手な高齢者でも導入しやすいのが特徴です。月額料金はかかりますが、帰省した際に家族みんながインターネットを使えるというメリットもあります。
後悔しない！Wi-Fiなしで使う高齢者向けスマホ・料金プランの選び方
ここまでの内容を踏まえ、実際にどのようなスマホ本体と料金プランを選べば良いのかを解説します。後悔しないためには、この2つをセットで考えることが非常に重要です。
「どの機種を選ぶか」と「どの料金プランにするか」は密接に関係しています。ご両親の使い方と、家族のサポート体制を考慮しながら、最適な組み合わせを見つけていきましょう。
STEP1：スマホ本体の選び方
スマホ本体を選ぶ際は、ご両親の操作のしやすさが第一です。それに加えて、いざという時に家族が使い方を教えたり、問題を解決したりできるかという視点も大切になります。
ここでは大きく分けて「シニア向けスマホ」と「一般的なスマホ（iPhoneなど）」の2つの選択肢があります。それぞれの長所と短所を理解し、ご両親に合うのはどちらかを考えてみましょう。
【操作が不安な方へ】簡単・シンプルなシニア向けスマホ
「らくらくスマートフォン」などに代表されるシニア向けスマホは、大きな文字やアイコン、シンプルなホーム画面など、高齢者が使いやすい工夫が満載です。操作に不安がある親御さんには、最初の選択肢となるでしょう。
【家族と同じで安心】iPhoneや標準のAndroidスマホ
子ども世代がiPhoneを使っているなら、親御さんにもiPhoneを持たせるのがおすすめです。操作方法が同じなので、電話などで使い方を教えやすいという大きな利点があります。
また、利用者が多いため、操作に困った場合でもインターネットで解決策を見つけやすいのもメリットです。家族が遠方に住んでいる場合でもサポートしやすくなります。
買ってはいけない？シニア向けスマホの落とし穴
一見すると魅力的なシニア向けスマホですが、注意点もあります。操作が独自すぎるために、かえって家族が使い方を教えにくいことがあります。また、性能が低い機種も多く、動作が重くなる可能性も。
本人の希望だけでなく、サポートする家族の使いやすさも考慮して選ぶことが、後々のトラブルを防ぐポイントです。契約前に家族でよく話し合いましょう。
STEP2：携帯会社と料金プランの選び方
Wi-Fiなしで使う場合、料金プランの選択が月々の費用を大きく左右します。料金の安さだけでなく、トラブルが起きた際のサポート体制も重要な判断基準になります。
「サポート重視」か「料金重視」か、どちらを優先するかで選ぶべき携帯会社は変わってきます。それぞれの特徴を理解し、ご両親の状況に合ったプランを選択しましょう。
【サポート重視なら】ドコモ・auなど大手キャリアの低容量プラン
操作の不安やトラブル時にすぐ相談したいなら、全国に店舗があるドコモなどの大手キャリアが安心です。データ使用量が少ない人向けの低容量プランも用意されており、対面での手厚いサポートは何よりの魅力です。
【料金重視なら】高齢者向けの通話のみプランがある格安SIM
とにかく料金を安くしたいなら、格安SIMがおすすめです。特に、月額基本料が数百円で、通話した分だけ料金が加算されるプランは、通話がメインの高齢者に最適です。
ただし、店舗が少ない、あるいは無い場合が多く、初期設定などを自分で行う必要があります。家族がサポートできる環境であれば、非常に強力な選択肢となるでしょう。
データ容量はどれくらい必要？利用目的別の目安
Wi-Fiなしで契約する場合、データ容量は「1GB〜3GB」の小容量プランが基本になります。以下の利用目的別の目安を参考に、ご両親に合った容量を検討してみてください。
- ほぼ通話のみ：1GB未満で十分
- LINEやメール、簡単な検索：1GB～3GB
- 写真をよく送り合う、たまにビデオ通話：3GB～5GB
まずは最小限のプランで契約し、親御さんの実際の使い方に合わせて後から変更するのが賢い方法です。多くの携帯会社では、プラン変更がオンラインで簡単にできます。
まとめ：親の使い方に合わせれば「高齢者スマホ×Wi-Fiなし」は安心でお得！
今回は、高齢者がWi-Fiなしでスマホを利用する方法を解説しました。Wi-Fiがなくてもスマホは使えますが、更新やデータ容量の使いすぎといった注意点も存在します。しかし、それらの対策は決して難しいものではありません。
最も大切なのは「親がどうスマホを使いたいか」を親子で考えることです。通話やLINEが中心なら、Wi-Fiなしの運用は料金も安く、最適な選択肢となり得ます。ぜひご両親にぴったりのスマホライフを贈ってあげてください。
「高齢者のスマホとWi-Fi」に関するよくある質問
ここまで、高齢者がWi-Fiなしでスマホを使う際のポイントを解説しました。しかし「うちの親の場合はどうだろう？」「まだ細かい点で不安が残る」と感じる方もいるかもしれません。
このセクションでは、そうした疑問にお答えするため、特に多く寄せられる質問と回答をQ&A形式でまとめました。契約前の最終確認として、ぜひお役立てください。
Wi-Fiがなくてもスマホは使えますか？機能はどうなりますか？
A. はい、Wi-Fiがなくても携帯会社の電波（モバイルデータ通信）でスマホは使えます。電話、メール、LINE、ネット検索など、基本的な機能はすべて利用可能です。
ただし、OSの更新や動画視聴など大容量のデータ通信を行うと、契約プランのデータ容量を消費し、通信制限がかかる場合があります。
高齢者におすすめのスマホ機種やキャリアはありますか？
A. 操作の簡単さを最優先するなら、文字やアイコンが大きい「らくらくスマートフォン」などのシニア向け機種がおすすめです。家族が使い方をサポートしやすいことを重視するなら、家族と同じiPhoneなどが良いでしょう。
携帯会社は、対面サポートが充実しているドコモ、au、ソフトバンクなどの大手キャリアが安心です。トラブル発生時でも、店舗に持ち込んで相談できます。
シニア向けスマホの注意点やおすすめしない理由はありますか？
A. シニア向けスマホは操作が独自にカスタマイズされているため、iPhoneなどに慣れた家族がかえって使い方を教えにくい場合があります。また、性能が低く、将来的に動作が遅くなる可能性も。
本人が使いこなせるかと、家族がサポートできるかの両面から検討することが大切です。メリットとデメリットをよく比較して選びましょう。
通話だけで使える安いプランはありますか？
A. はい、あります。特に格安SIMでは、月額基本料が数百円から利用できる通話メインのプランが豊富です。日本通信SIMなどが、非常に安い料金でサービスを提供しています。
ただし、店舗でのサポートは期待できないため、初期設定などを家族が手伝える場合に適しています。料金の安さとサポートの手薄さはトレードオフの関係にあります。
どうしても家にWi-Fi環境が必要な場合はどうすればいいですか？
A. 大がかりな回線工事に抵抗がある場合は、工事不要でコンセントに挿すだけで使える「ホームルーター」が最もおすすめです。機器が届いたその日からインターネットが使える手軽さが魅力です。
ドコモの「home 5G」などがあり、スマホとセットで契約すると割引が適用される場合もあります。ご両親のスマホの契約会社に合わせて選ぶとお得です。
