長年、家族を見守ってくれた神棚を処分するのは、気が引けるものですよね。「どうすれば失礼にならないだろうか」「バチが当たらないか心配」と、正しい処分方法がわからずお困りではないでしょうか。神聖なものだからこそ、後悔のないよう丁寧に手放したいものです。
この記事では、神社での供養から専門業者への依頼、自分で処分する場合の手順まで、神棚の処分方法を網羅的に解説します。費用相場や注意点も詳しくご紹介するので、ご自身に合った最適な方法が必ず見つかります。感謝の気持ちを込めて、心穏やかに神棚じまいを済ませましょう。
神棚を処分する前に知っておきたいこと

神棚の処分を検討する際は、まず基本的な知識を身につけることが大切です。そもそも「神棚じまい」とは何か、どのようなタイミングで行うのが適切なのかを理解しましょう。特に、神様に感謝を伝え、宿られた魂を抜く「魂抜き」は非常に重要な儀式です。
これらの知識があれば、どの処分方法を選ぶべきか、より明確になります。処分は単なる片付けではなく、これまで見守ってくれた神様への感謝を示す大切な区切りです。正しい手順を踏むことで、心残りなく神棚を手放すことができるでしょう。
そもそも神棚じまいとは何ですか
神棚じまいとは、様々な事情で神棚のお祀りをやめる際に、感謝を込めて神棚を片付ける一連の儀式を指します。これは単に物を処分するのではなく、これまで家を守っていただいた神様への感謝を伝えるための大切な行いです。作法に則って丁寧に進めることが求められます。
神棚じまいの仕方は、神社に依頼して祈祷やお焚き上げをしてもらうのが一般的です。神様への敬意を払い、正しい手順で神棚を納めることで、心の区切りをつけることができます。気持ちよく次のステップへ進むためにも、丁寧な神棚じまいを心がけましょう。
神棚を処分する適切なタイミング
神棚を処分するタイミングに厳格な決まりはありませんが、一般的には生活の節目で行われることが多いです。例えば、家の建て替えやリフォーム、引越しなどが代表的な時期です。また、神棚自体が古くなったり、汚れたり傷んだりした時も交換の好機とされています。
その他にも、神社の社殿を建て替える式年遷宮に合わせる方もいらっしゃいます。何よりも大切なのは、家族の気持ちの区切りとなるタイミングです。感謝の気持ちを込めて、ご家庭に合った時期を見計らって処分を検討しましょう。
処分前に必ず行うべき魂抜きについて
神棚を設置する際には、神様の魂を宿す「魂入れ」という儀式が行われます。そのため、処分する際にはその逆の儀式である「魂抜き(御霊抜き)」が必要です。これは、神棚に宿る神様の魂を抜き、感謝を込めて元の場所へお還りいただくための大切な儀式です。
魂抜きは、神社に依頼して神職の方に祈祷してもらうのが正式な方法です。この儀式を行うことで、神棚は「神様が宿るもの」から「単なる物」へと戻ります。魂抜きを済ませてから処分することで、心置きなく手放すことができます。
【方法別】後悔しない神棚の処分方法

神棚の処分方法は、一つだけではありません。神社に依頼する最も丁寧な方法から、専門業者に任せる方法、ご自身で処分する方法まで、いくつかの選択肢があります。それぞれの方法には特徴や費用、手間が異なりますので、ご自身の状況や考え方に合わせて選ぶことが大切です。
どの方法を選ぶにしても、基本となるのは神様への感謝の気持ちです。ここでは代表的な5つの処分方法をご紹介しますので、それぞれのメリット・デメリットを比較し、最も納得できる方法を見つけてください。後悔のない神棚じまいを行いましょう。
神社に依頼しお焚き上げ供養する
最も一般的で丁寧な方法は、神社に依頼してお焚き上げ供養をしてもらうことです。まず魂抜き(御霊抜き)の祈祷を受け、その後、お焚き上げで浄火によって天にお還しします。これまで見守ってくださった神様への最大限の敬意と感謝を示すことができる方法です。
近くの神社に直接持ち込むか、郵送での受付に対応している神社もあります。費用として初穂料が必要になりますが、専門の神職に任せることで、作法に不安がある方でも安心して処分できます。まずは氏神様や崇敬する神社に相談してみましょう。
遺品整理など専門業者に処分を任せる
遺品整理や生前整理の一環で神棚を処分したい場合や、多忙で時間がない方には専門業者への依頼が便利です。神棚処分に対応している業者であれば、魂抜きから実際の処分までを一括で代行してくれるサービスがあります。他の不用品とまとめて処分できるのも利点です。
業者によっては、提携する寺社で合同供養を行ってくれる場合もあります。ただし、費用は神社に直接依頼するより高くなる傾向があります。依頼する際は、神棚の扱いや供養の方法について事前にしっかり確認し、信頼できる業者を選びましょう。
自治体のルールに従い自分で処分する
神社で魂抜きを済ませた後の神棚は、神様の魂が抜けた「物」として扱われるため、自治体のルールに従って自分で処分することも可能です。木製の神棚であれば可燃ごみ、大きなものは粗大ごみとして出すのが一般的です。必ずお住まいの地域のごみ分別ルールを確認してください。
そのままごみ袋に入れることに抵抗がある場合は、白い布や紙で包み、塩で清めてから出すとよいでしょう。費用を抑えられる方法ですが、魂抜きをきちんと行うことが前提です。感謝の気持ちを忘れずに、最後まで丁寧に取り扱いましょう。
地域のどんど焼きで処分してもらう
お正月飾りなどを燃やす地域の伝統行事「どんど焼き」で、神棚を処分してもらえる場合があります。これは、炎で天に送るという意味合いを持つため、神聖なものを手放す方法として適しています。地域コミュニティとの繋がりを感じながら、自然な形で供養できるのが魅力です。
ただし、すべてのどんど焼きで神棚を受け入れているわけではありません。事前に自治会や主催者に、神棚の持ち込みが可能か必ず確認しましょう。また、金属製の神具などは取り外しておくのがマナーです。地域のルールを尊重して参加しましょう。
購入した仏壇店や神具店に相談する
神棚を購入した仏壇店や神具店が、引き取りサービスを行っている場合があります。特に新しい神棚に買い替える際には、古い神棚の処分について相談しやすいでしょう。お店によっては、提携の神社でのお焚き上げまで代行してくれることもあります。
この方法は、神棚の専門家に対応してもらえる安心感があります。費用や引き取りの条件はお店によって異なるため、まずは購入店に問い合わせてみることをお勧めします。新しい神棚の選び方についてアドバイスをもらえるかもしれません。
神棚の処分にかかる費用相場と内訳

神棚を処分する際には、どの方法を選ぶかによって費用が異なります。神社に依頼する場合は「初穂料」、業者に依頼する場合は「処分料金」が必要です。事前に費用相場を知っておくことで、予算を立てやすく、安心して依頼先を選ぶことができます。
ここでは、依頼先ごとの費用相場やその内訳、そして初穂料を納める際に使う「のし袋」の書き方について解説します。お金に関するマナーも理解し、失礼のないように準備を整えましょう。適切な費用で、納得のいく神棚じまいを実現してください。
神社に依頼する場合の初穂料の目安
神社で魂抜きやお焚き上げを依頼する場合、謝礼として「初穂料(はつほりょう)」または「玉串料(たまぐしりょう)」を納めます。金額は神社の規定や神棚の大きさによって異なりますが、一般的には5,000円から10,000円程度が相場とされています。
中には「お気持ちで」とされる神社もありますが、その場合も相場を参考に包むとよいでしょう。費用が明確に決まっている場合もあるため、事前に神社へ問い合わせて確認しておくと安心です。感謝の気持ちとして、丁寧にお納めしましょう。
専門業者に依頼する場合の料金体系
遺品整理業者などの専門業者に神棚の処分を依頼する場合、料金はサービス内容によって大きく変動します。単に神棚の回収のみを依頼するのか、魂抜きやお焚き上げ供養の代行まで含めるのかで料金が変わります。相場としては、10,000円から30,000円程度を見ておくとよいでしょう。
料金には、出張費、作業費、供養料などが含まれるのが一般的です。複数の業者から見積もりを取り、サービス内容と料金を比較検討することが重要です。どこまでの作業を依頼したいのかを明確にし、納得できる業者を選びましょう。
初穂料を入れるのし袋の書き方
神社に初穂料を納める際は、のし袋に入れてお渡しするのがマナーです。水引は、紅白の「蝶結び」のものを選びましょう。表書きの上段には「御初穂料」または「玉串料」と濃い墨の筆ペンなどで書き、下段には自分の姓名をフルネームで記入します。
中袋がある場合は、表面に包んだ金額を「金 壱萬円」のように旧漢字で書き、裏面に住所と氏名を書きます。新札を用意し、お札の向きを揃えて入れることも大切な心遣いです。感謝の気持ちが伝わるよう、丁寧に準備しましょう。
| 項目 | 書き方 |
|---|---|
| のし袋の種類 | 紅白・蝶結びの水引 |
| 表書き(上段) | 「御初穂料」または「玉串料」 |
| 表書き(下段) | 依頼者のフルネーム |
| 中袋(表) | 包んだ金額(例:金 壱萬圓也) |
| 中袋(裏) | 住所と氏名 |
お札や神具など神棚以外の処分方法

神棚じまいでは、神棚本体だけでなく、納めていたお札や神具なども一緒に処分する必要があります。お札やしめ縄、神鏡や榊立てといった神具類も、神様に関わる大切なものです。それぞれに適切な処分方法があり、雑に扱ってはいけません。
ここでは、お札や縁起物、神具や棚板といった、神棚以外のものの処分方法を詳しく解説します。一つひとつを正しく手放すことで、最後まで気持ちよく神棚じまいを終えることができます。感謝の気持ちを込めて、丁寧に進めていきましょう。
古いお札や御札の正しい返納方法
神棚にお祀りしていた古いお札は、授与された神社へお返しするのが基本です。多くの神社には「古札納所(こさつおさめしょ)」が設けられており、そちらに返納します。一年間お守りいただいた感謝を込めて、丁寧にお返ししましょう。遠方の場合は郵送で受け付けてくれる神社もあります。
旅行先でいただいたお札など、返納が難しい場合は、近くの神社の古札納所にお納めしても問題ないとされています。ただし、宗派が違う寺院のお札は混ぜないように注意が必要です。どんど焼きでお焚き上げしてもらうのも良い方法です。
しめ縄や榊など縁起物の処分の仕方
しめ縄や紙垂(しで)などの縁起物も、お札と同様に神社の古札納所へ返納したり、どんど焼きでお焚き上げしたりするのが望ましいです。それが難しい場合は、自宅で清めてから処分することも可能です。白い紙に包み、塩で清めてから可燃ごみとして出しましょう。
榊などの植物も同様に、塩で清めてから処分します。神様にお供えしていたものですので、他の生ごみとは別の袋に入れるなど、最後まで敬意を払う心遣いが大切です。感謝の気持ちを込めて、丁寧に扱いましょう。
神具や棚板の分別と処分について
神鏡、榊立て、徳利などの神具は、素材によって分別して処分します。陶器製のものは不燃ごみ、金属製のものは金属ごみなど、自治体のごみ分別ルールに従ってください。処分する前には、きれいに洗い、塩で清めておくとより丁寧です。
神棚を設置していた棚板も、魂抜きを済ませた後であれば通常の家具と同様に処分できます。大きなものは粗大ごみとして申し込みが必要です。どの品物も、そのまま捨てることに抵抗があれば白い布や紙に包んでから処分すると、気持ちが落ち着くでしょう。
神棚を処分する際の注意点とタブー

神棚を処分する際には、神様に対して失礼にあたらないよう、いくつかの注意点と避けるべきタブーがあります。これらを知らずに処分を進めてしまうと、後々になって「あのやり方で良かったのだろうか」と後悔が残るかもしれません。安心して神棚じまいを終えるために、大切な心構えを理解しておきましょう。
特に重要なのは、魂抜きを行うことと、最後まで感謝の気持ちを持つことです。また、お世話ができなくなった神棚を放置し続けることにもリスクが伴います。正しい知識を身につけ、神様への敬意を忘れずに行動することが何よりも大切です。
魂抜きをしないとどうなるのか
魂抜きをしないからといって、必ずしもバチが当たるといった科学的根拠はありません。しかし、神様の魂が宿ったままの神棚を粗末に扱うことは、精神的な負担や罪悪感につながる可能性があります。多くの方が、後々まで心に引っかかりを感じてしまうようです。
魂抜きは、私たち自身の気持ちに区切りをつけるための大切な儀式でもあります。「神様に感謝を伝えてお還りいただいた」という納得感が、心穏やかに神棚を手放すことにつながります。後悔しないためにも、できる限り魂抜きを行うことをお勧めします。
感謝の気持ちを込めてお清めする
神棚を処分する前には、必ずきれいに掃除をしましょう。長年、家族を見守ってくれた神棚に対して、感謝の気持ちを込めて埃を払い、清めることが大切です。汚れたまま処分するのは、神様に対して大変失礼な行為とされています。
お札や神具を取り出した後、神棚全体をきれいな布で拭き清めます。この一手間が、神様への最後の奉仕となり、感謝の気持ちを形にする行いです。掃除をすることで、自分自身の心も清められ、晴れやかな気持ちで神棚じまいができるでしょう。
神棚を放置し続けることのリスク
お世話をする人がいなくなり、埃をかぶった神棚を放置し続けるのは避けるべきです。神様をお迎えしているにもかかわらず、お世話をしないのは大変失礼にあたります。神様に対して不敬な状態が続くことで、家の気の流れが悪くなると考える方もいます。
また、衛生的な観点からも好ましくありません。お祀りすることができなくなったのであれば、感謝を込めてきちんと神棚じまいをするのが、神様にとっても、残された家族にとっても最善の選択です。タイミングを見て、然るべき処分を行いましょう。
まとめ:感謝を込めて神棚を正しく処分しよう

この記事では、神棚の処分方法について、事前の準備から具体的な手順、費用、注意点まで詳しく解説しました。神棚の処分は、単なる片付けではなく、これまで家族を見守ってくださった神様への感謝を伝える大切な儀式です。
神社へ依頼する方法、専門業者に任せる方法、自分で処分する方法など、選択肢は様々です。ご自身の状況や気持ちに寄り添った方法を選び、最後まで敬意を払うことが、後悔しない神棚じまいにつながります。心穏やかに、新たな一歩を踏み出しましょう。
神棚の処分に関するよくある質問

親が亡くなったら神棚はどうすればいい?
親御様が亡くなられた場合、神棚を今後もお祀りしていく方がいれば、そのまま引き継ぐのが最も良い選択です。お札を新しくするなどして、引き続き家の守り神として大切にしましょう。引き継ぐ方がいない、または管理が難しい場合は、神棚じまいを検討します。
神棚じまいをする際は、この記事でご紹介したように、神社に相談して魂抜きとお焚き上げを依頼するのが一般的です。故人の想いも大切にしながら、ご家族でよく話し合って決めることが重要です。感謝の気持ちを込めて、丁寧に対応しましょう。
神棚じまいの費用はいくらくらい?
神棚じまいの費用は、選択する方法によって大きく異なります。神社に魂抜きやお焚き上げを依頼する場合、初穂料として5,000円~10,000円程度が相場です。遺品整理業者などに依頼する場合は、サービス内容により10,000円~30,000円程度かかることもあります。
魂抜きを済ませた後に自治体のルールに従って自分で処分する場合、粗大ごみ手数料などが数百円かかる程度で済むこともあります。ご自身の予算や、どこまで丁寧に供養したいかという気持ちに合わせて、最適な方法を選びましょう。
神棚の魂抜きは必ずしないとダメ?
法律で定められているわけではないため、魂抜きが絶対的な義務というわけではありません。しかし、神棚には神様の魂が宿っていると考えられているため、感謝を込めて魂をお還しする「魂抜き」を行うことが、日本の慣習として強く推奨されています。
魂抜きをせずに処分すると、後から罪悪感や不安を感じてしまう可能性があります。自分自身の心の平穏のためにも、魂抜きは大切な区切りの儀式と言えるでしょう。特別な事情がない限り、できるだけ行うことをお勧めします。
購入した神棚は自分で処分できる?
はい、自分で処分することは可能です。ただし、そのためには重要な手順を踏む必要があります。まず、必ず神社で「魂抜き(御霊抜き)」の祈祷をしてもらってください。魂抜きを終えた神棚は、神様の宿る依り代から単なる「物」へと戻ります。
その後であれば、自治体のルールに従って処分できます。木製なら可燃ごみ、大きければ粗大ごみとして出します。感謝の気持ちを込めて白い布や紙に包み、塩で清めてから出すと、より丁寧な処分方法となります。
神棚を処分する際のタブーはある?
神棚を処分する際に最も避けるべきタブーは、魂抜きをせずに、そのままゴミとして捨ててしまうことです。これは神様に対して大変失礼な行為とされ、多くの人が強い抵抗を感じます。また、掃除をせずに汚れたまま処分するのも避けるべきです。
神棚は、これまで家を守ってくれた神聖な場所です。処分する最後の瞬間まで、感謝と敬意の気持ちを忘れないことが何よりも大切です。正しい手順を踏み、心を込めてお見送りすることで、タブーを避けることができます。