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高齢者のお風呂リフォーム、費用はいくら?補助金や安全対策を徹底解説

はじめに:ご家族の入浴、ヒヤッとした経験はありませんか?

「最近、親が浴槽をまたぐのが辛そうだ」「冬場のお風呂が寒そうで心配…」

ご高齢の家族を持つ方なら、一度はこんな不安を感じたことがあるのではないでしょうか。浴室は家の中で最もリラックスできる場所である一方、高齢者にとっては転倒やヒートショックなど、命に関わる事故が起こりやすい危険な場所でもあります。実際に、滑ってヒヤリとしたり、立ち上がりにくそうにしている姿を見て、何か対策をしなければ、と考えている方も多いでしょう。

この記事では、ご家族が安心して毎日のお風呂を楽しめるよう、高齢者向けのお風呂リフォームについて徹底解説します。具体的なリフォーム内容やかかる費用、賢く負担を軽減するための補助金制度、そして信頼できるリフォーム会社の選び方まで、あなたの疑問や不安を解消します。安全で快適な浴室を実現し、家族みんなが安心できる暮らしを手に入れましょう。

なぜ高齢者のお風呂リフォームが必要?潜む3つの危険

加齢に伴う身体機能の低下により、これまで当たり前にできていた動作も難しくなります。特に浴室には、健康な大人でも気づきにくい危険が潜んでいます。リフォームを検討する前に、まずは浴室にどのようなリスクがあるのかを正しく理解しておくことが重要です。ここでは、高齢者の入浴時に特に注意すべき3つの危険について解説します。

1. 最も多い家庭内事故「転倒」のリスク

消費者庁のデータでも、高齢者の家庭内事故で最も多いのは「転倒」です。特に浴室は、水や石鹸カスで床が滑りやすく、非常に危険な環境です。

昔ながらのタイル張りの床は、濡れると特に滑りやすく、転倒して骨折などの大怪我につながる可能性が高まります。また、洗い場と脱衣所の間や、浴槽の出入り口にあるわずかな段差も、足が上がりにくくなった高齢者にとっては大きな障害物。こうした危険を解消するために、滑りにくい床材への変更や段差の解消リフォームが極めて重要になります。

2. 冬場に多発する「ヒートショック」のリスク

ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす現象のことです。

暖かいリビングから寒い脱衣所や浴室へ移動し、熱いお湯に浸かるという一連の入浴動作は、ヒートショックのリスクを最も高める危険な行為です。特に断熱性の低い在来工法の浴室は、冬場に室温が下がりやすいため注意が必要です。浴室暖房乾燥機の設置や、断熱性の高いユニットバスへの交換は、命を守るための重要な安全対策となります。

3. 浴槽での「溺水」のリスク

浴槽が深すぎたり、縁が高すぎたりすると、高齢者にとっては出入りするだけでも大変な重労働です。浴槽をまたぐ際にバランスを崩して転倒したり、浴槽内で立ち上がれなくなってしまったりするケースも少なくありません。

もし意識を失ってしまった場合、浅くお湯を張っていても溺水事故につながる危険があります。浴槽内での立ち座りを補助する手すりの設置や、またぎやすい高さの浴槽への交換は、溺水リスクを減らし、安全な入浴を実現するために不可欠なリフォームです。

【箇所別】高齢者向けお風呂リフォームの内容と費用相場

浴室に潜む危険を理解したところで、次は具体的なリフォーム内容を見ていきましょう。高齢者が安全で快適に入浴できるよう、様々な改修方法があります。ここでは、特に重要なリフォーム箇所と、それぞれの工事にかかる費用の目安を解説します。

ユニットバスへの交換がおすすめ

もし浴室全体のリフォームを検討しているなら、在来工法の浴室からユニットバス(システムバス)への交換が最もおすすめです。

ユニットバスは、壁・床・天井・浴槽などが一体化しており、防水性や断熱性が高いのが特徴です。また、滑りにくい床材や手すり、またぎやすい浴槽など、バリアフリーに配慮した機能が標準で備わっている製品も多く、介護保険の住宅改修にも対応しやすいメリットがあります。工事期間が短く済むのも魅力です。

費用相場:60万円~150万円

① 手すりの設置

転倒防止や立ち座り動作の補助に不可欠なのが手すりです。浴室の出入り口、洗い場、浴槽の縁など、移動や動作に合わせて適切な場所とタイプの手すりを設置することが重要です。

身体の状況に合わせて、縦付け、横付け、L字型などを選びましょう。介護保険の住宅改修の対象にもなりやすい、費用対効果の高いリフォームです。

費用相場:3万円~10万円(1ヶ所あたり)

② 出入口の段差解消

脱衣所と洗い場の間の段差は、つまずきや転倒の大きな原因になります。この段差をなくし、床をフラットにすることで、車椅子での移動もスムーズになります。

ユニットバスへのリフォームの際に同時に行うのが一般的ですが、床のかさ上げなどで既存の浴室のまま段差を解消することも可能です。

費用相場:5万円~20万円

③ 滑りにくい床材への変更

濡れた状態でも滑りにくい、安全性の高い床材への変更も重要です。最近のユニットバスでは、水はけが良く、冬場でもヒヤッとしない断熱性に優れた床材が主流です。

TOTOの「ほっカラリ床」のように、クッション性があり、万が一転倒した際の衝撃を和らげてくれるタイプも人気です。

費用相場:5万円~15万円

④ またぎやすい浴槽への交換

浴槽の縁の高さは、40~45cm程度がまたぎやすいとされています。昔ながらの和式(深いタイプ)から、浅めの洋式や、その中間の和洋折衷タイプの浴槽に交換することで、出入りの負担が大幅に軽減されます。

浴槽内に段差(ベンチ)があり、半身浴や立ち座りが楽にできるタイプも高齢者におすすめです。

費用相場:15万円~40万円(浴槽のみ交換の場合)

⑤ 開閉しやすい扉(引き戸・折れ戸)への交換

一般的な開き戸は、開閉時にスペースが必要で、身体をかわす動作が負担になることがあります。引き戸や折れ戸に変更すれば、開閉スペースが小さく済み、出入りがスムーズになります。

また、万が一中で倒れた場合でも、外から開けやすく救助しやすいというメリットもあります。

費用相場:8万円~25万円

⑥ 浴室暖房乾燥機の設置

ヒートショック対策として絶大な効果を発揮するのが浴室暖房乾燥機です。入浴前に浴室を暖めておけば、寒い冬でも快適に入浴できます。

また、衣類乾燥や浴室の換気・カビ防止機能も備わっており、一年を通して活躍する便利な設備です。後付けも可能なので、手軽なヒートショック対策として導入を検討する価値は十分にあります。

費用相場:10万円~30万円

TOTOやリクシルなど人気メーカーのユニットバスの特徴

ユニットバスへのリフォームを決めたものの、どのメーカーを選べば良いか迷う方も多いでしょう。ここでは、国内で人気の高いTOTOとリクシル(LIXIL)のユニットバスについて、高齢者向けの視点からその特徴をご紹介します。どちらも高齢者の安全と快適性に配慮した優れた機能を備えています。

TOTO:ほっカラリ床や魔法びん浴槽が人気

TOTOのユニットバスで最大の特徴は、畳のような柔らかい踏み心地の「ほっカラリ床」です。クッション性に優れているため、万が一転倒しても衝撃を吸収し、膝をついても痛くありません。

また、断熱性が高く、冬場の一歩目でもヒヤッとしないのが嬉しいポイントです。さらに、お湯が冷めにくい「魔法びん浴槽」は、追い焚きの回数を減らせて経済的。家族の入浴時間がバラバラでも、暖かいお風呂に入りやすいというメリットがあります。

リクシル(LIXIL):キレイサーモフロアやサーモバスSが特徴

リクシルのユニットバスは、清掃性の高さとデザイン性の豊富さが魅力です。独自の技術で作られた「キレイサーモフロア」は、床の溝が浅く、汚れが落としやすいうえに、TOTO同様にヒヤッとしない断熱構造になっています。

また、TOTOの魔法びん浴槽と同様の断熱構造を持つ「サーモバスS」も人気です。浴槽の形状や壁パネルのカラーバリエーションが豊富なので、安全性や機能性だけでなく、デザインにもこだわりたい方におすすめです。

【要チェック】高齢者のお風呂リフォームで使える補助金・助成金制度

高齢者向けのお風呂リフォームは、安全な暮らしのために必要不可欠ですが、費用が気になるところ。しかし、心配はいりません。国や自治体では、バリアフリーリフォームを支援するための様々な補助金・助成金制度を用意しています。これらの制度を賢く活用すれば、費用負担を大幅に軽減することが可能です。

介護保険の住宅改修費

要支援または要介護認定を受けている方が、手すりの設置や段差解消などの特定のバリアフリー工事を行う場合、介護保険の「住宅改修費」を利用できます。

支給限度額は原則20万円で、そのうち自己負担額(1~3割)を差し引いた金額(最大18万円)が支給されます。必ず工事の前にケアマネジャーに相談し、市区町村への事前申請が必要なので注意しましょう。多くの高齢者向けお風呂リフォームがこの制度の対象となります。

自治体のリフォーム補助金・助成金

お住まいの市区町村が独自に設けているリフォーム補助金制度もあります。高齢者向け、バリアフリー化、省エネ化など、目的は様々です。介護保険とは別に申請できたり、併用できたりする場合もあります。制度の有無や内容は自治体によって大きく異なるため、まずは確認してみることが重要です。

お住まいの市区町村の制度を確認する方法

自治体の制度を調べるには、まず市区町村の公式ウェブサイトを確認しましょう。「(お住まいの市区町村名) 高齢者 住宅リフォーム 補助金」といったキーワードで検索するのがおすすめです。

または、役所の高齢福祉課や建築指導課などの担当窓口に直接問い合わせるのが確実です。

国の補助金制度(子育てエコホーム支援事業など)

国が実施する大規模な補助金制度が利用できる場合もあります。例えば、2025年現在で検討できる制度の一つに「子育てエコホーム支援事業」があります。(※2024年の後継事業として想定)

この事業は、名称に「子育て」とありますが、世帯を問わず開口部の断熱改修やエコ住宅設備の設置と同時に行うバリアフリー改修も補助対象となる可能性があります。浴室の手すり設置、段差解消などが対象工事に含まれることが多いです。こうした国の制度は期間限定の場合が多いため、常に最新の情報をリフォーム会社に確認しましょう。

補助金利用の注意点と申請の流れ

補助金制度を利用する上で最も重要な注意点は、「必ずリフォーム工事の契約・着工前に申請手続きを行う」ことです。工事が終わってからの申請は認められません。

一般的な流れは、①ケアマネジャーやリフォーム会社に相談、②申請書類の準備・提出、③自治体からの許可、④工事の契約・着工、⑤工事完了・支払い、⑥実績報告書の提出・補助金受給、となります。手続きが複雑な場合もあるため、リフォーム会社のサポートを受けながら進めましょう。

失敗しない!お風呂リフォームの依頼先選びと相談の流れ

リフォームの成功は、信頼できる会社に依頼できるかどうかにかかっています。特に高齢者向けのリフォームは、身体状況への配慮や補助金制度の知識など、専門性が求められます。どこに頼めばいいのか、どうやって進めればいいのか、依頼先の選び方と相談からの流れを解説します。

リフォーム会社の選び方3つのポイント

数あるリフォーム会社の中から、安心して任せられる依頼先を見つけるには、以下の3つのポイントをチェックしましょう。

  • 高齢者向け・介護リフォームの実績が豊富か
    過去の施工事例を見せてもらい、高齢者の身体や介助に配慮した提案ができるか確認しましょう。
  • 建設業許可や関連資格を保有しているか
    500万円以上の工事には建設業許可が必要です。福祉住環境コーディネーターなどの資格者が在籍していると、より専門的なアドバイスが期待できます。
  • 丁寧な現地調査と分かりやすい提案をしてくれるか
    こちらの話を親身に聞き、身体状況や家の状態をしっかり確認した上で、メリット・デメリットを含めた具体的な提案をしてくれる会社を選びましょう。

相談から工事完了までの流れ

リフォームの相談から工事完了までは、一般的に以下のような流れで進みます。全体像を把握しておくことで、安心して計画を進められます。

  1. リフォーム会社へ相談・問い合わせ
  2. 現地調査・ヒアリング
  3. プラン提案・見積もり提示
  4. 契約
  5. (補助金を利用する場合)補助金の申請手続き
  6. 近隣への挨拶・着工
  7. 工事完了・引き渡し
  8. アフターサービス・保証

複数のリフォーム会社から相見積もりを取ろう

リフォーム会社を決める際は、必ず2~3社から見積もり(相見積もり)を取ることを強くおすすめします。複数の会社から提案を受けることで、工事内容や費用の適正価格が分かります。

また、各社の担当者の対応や提案力を比較検討することもできます。単に金額の安さだけで決めるのではなく、提案内容が要望に合っているか、信頼して任せられるかを総合的に判断することが、失敗しないリフォームの鍵です。

まとめ:安全で快適な浴室リフォームで、安心できる毎日を

高齢者にとって、毎日のお風呂は心と身体を癒す大切な時間です。しかし、その浴室には転倒やヒートショックといった、見過ごせない危険が潜んでいます。

手すりの設置や段差の解消、またぎやすい浴槽への交換といったリフォームは、こうした危険を取り除き、ご本人とご家族の大きな安心につながります。

リフォームには費用がかかりますが、介護保険の住宅改修費や自治体の補助金などを活用すれば、負担を大きく軽減できます。大切なのは、ご本人の身体状況やご家族の希望をしっかりと伝え、信頼できるリフォーム会社に相談することです。この記事を参考に、安全で快適な浴室リフォームを実現し、これからも続く安心できる毎日を手に入れてください。

高齢者のお風呂リフォームに関するよくある質問

お風呂のバリアフリーリフォームにかかる費用は?

リフォームの規模や内容によって大きく異なります。手すりの設置や床材の変更といった部分的な改修であれば数万円から可能ですが、浴室全体をユニットバスに交換する場合は、60万円~150万円程度が一般的な費用相場です。導入するユニットバスのグレードやオプションによって価格は変動します。

リフォームで利用できる補助金の最大額や対象者は?

最も利用しやすい介護保険の住宅改修の場合、対象者は要支援・要介護認定を受けている方で、支給限度額20万円のうち、自己負担割合(1~3割)を除いた額(最大18万円)が支給されます。自治体の補助金は制度によって様々です。国の補助金制度などと併用できる場合もあるため、リフォーム会社に相談してみましょう。

リフォーム費用は確定申告で控除されますか?

はい、一定の要件を満たすバリアフリーリフォームを行った場合、所得税が控除される「住宅特定改修特別税額控除(リフォーム減税)」という制度があります。ローンを利用しない場合でも適用可能です。対象となる工事内容や限度額が定められているため、詳しくはリフォーム会社や税務署にご確認ください。

高齢者がまたぎやすい浴槽の高さや種類は?

一般的に、洗い場の床から浴槽の縁までの高さが40~45cm程度だと、足が上げやすく、またぎやすいとされています。浴槽の種類としては、昔ながらの深い和式浴槽より、浅めの洋式浴槽や、その中間の「和洋折衷浴槽」がおすすめです。浴槽内に腰掛けられるベンチがあるタイプも、立ち座りの負担が少なく安全です。

浴槽から立ち上がれない・またげない時の対策は?

筋力の低下などが原因で、浴槽からの立ち座りやまたぎ動作が困難になることがあります。対策としては、まず浴槽の横や内側に手すりを設置することが有効です。また、福祉用具である「バスボード」を浴槽の縁にかけて腰掛けながら出入りする方法や、電動で座面が昇降する「バスリフト」を設置する方法もあります。リフォームと併せて福祉用具の活用も検討しましょう。

お風呂のリフォームはどこに頼めばいいですか?

お風呂のリフォームは、地域の工務店、リフォーム専門会社、大手ハウスメーカー、家電量販店やホームセンターなど、様々な業者に依頼できます。重要なのは、高齢者向けのバリアフリーリフォームや介護リフォームの実績が豊富な会社を選ぶことです。補助金の申請サポートなどに慣れている会社も多く、安心して任せることができます。複数の会社から見積もりを取り、提案内容や対応を比較して決めましょう。

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