年金生活が始まってから、現金中心の支払いに不便を感じていませんか。キャッシュレス決済が当たり前になった現在、高齢者でも安心して使えるクレジットカードの需要が高まっています。三井住友カードの調査によると、60〜70代の約67%が普段の買い物でキャッシュレス決済を利用し、その半数近くがクレジットカードを主に使用しているのが実情です。
本記事では、年金受給者でも審査に通りやすいクレジットカード9選を厳選し、セキュリティ面や高齢者向け特典も詳しく解説します。年金収入のみでも申込可能な審査基準や、認知症対策を含む安全な選び方まで、高齢者が安心してクレジットカードを利用するための実践的な情報をお伝えします。
高齢者向けクレジットカード9選比較
年金受給者でも安心して申込めるおすすめクレジットカード9選をご紹介します。年会費無料でセキュリティ機能が充実したカードから、シニア向け特典が豊富なカードまで、高齢者のライフスタイルに合わせて厳選しました。
「JCBカードS」即時通知で安全性抜群
JCBカードSは年会費永年無料でありながら、業界トップクラスのセキュリティ機能を誇ります。利用時の即時通知機能により、不正利用を早期発見できる点が高齢者にとって心強い特徴です。
基本還元率は0.5%ですが、Amazon利用時は最大20%の高還元を実現します。24時間365日のサポート体制も整っており、操作に不安を感じる高齢者でも安心して利用できるでしょう。
「三井住友カード(NL)」ナンバーレスで安心
三井住友カード(NL)は券面にカード番号が記載されていないナンバーレスカードです。カード情報の盗み見を防げるため、セキュリティ性を重視する高齢者に最適な選択肢となります。
年会費永年無料で、AI不正監視システムが24時間365日カードの利用状況を監視しています。専門窓口とアプリサポートも充実しており、高齢者向けのサポート体制が整っています。
「イオンカードセレクトG.Gマーク付き」
イオンカードセレクト(G.Gマーク付き)は、55歳以上限定のシニア向けクレジットカードです。毎月15日・20日・30日のイオンでのお買い物が5%OFFになる特典は、日用品をイオンで購入する高齢者に大変お得です。
年会費無料で、WAON一体型のため電子マネーとしても活用できます。無料相談デスクと全国のイオン店舗窓口でサポートを受けられる点も安心材料の一つです。
「楽天カード」」審査通過率が高い
楽天カードは審査通過率の高さで定評があり、年金受給者でも比較的作りやすいクレジットカードです。基本還元率1.0%と高く、楽天市場での買い物なら最大3%の還元を受けられます。
24時間チャット・電話サポートが利用でき、操作方法で困った際もすぐに相談できる体制が整っています。年会費永年無料で維持費がかからない点も、年金生活者にとってメリットです。
「ライフカード」誕生月ポイント3倍
ライフカードは誕生月にポイント還元率が3倍になる特典が魅力的です。年会費永年無料で、入会後1年間はポイント1.5倍の優遇措置もあります。
審査基準が比較的緩やかで、年金受給者でも申込みやすいカードとして知られています。永久不滅ポイント制度により、ポイントの有効期限を気にせず利用できる安心感があります。
「大人の休日倶楽部ジパングカード」
大人の休日倶楽部ジパングカードは、満65歳以上から申込可能な旅行好きシニア専用カードです。年会費4,364円(税込)でJR東日本線・JR北海道線のきっぷが何回でも30%OFFになります。
国内旅行傷害保険が最高1,000万円付帯し、会員限定の旅行プランも利用できます。旅行を楽しみたい高齢者にとって、年会費以上の価値を提供するカードといえるでしょう。
「エポスカード」年会費永年無料
エポスカードは年会費永年無料で海外旅行傷害保険が自動付帯する希少なカードです。全国10,000店舗以上でクラブオフ優待を受けられるため、日常生活での割引機会が豊富です。
即日発行にも対応しており、マルイ店舗での受取りなら当日からカードを利用できます。セキュリティ対策も充実し、利用通知機能で不正利用を早期発見できる仕組みが整っています。
「三菱UFJカードゴールド」ステータス
三菱UFJカードゴールドは、年会費2,095円(税込)の格安ゴールドカードです。空港ラウンジサービスや国内外旅行傷害保険が付帯し、ステータス性を求める高齢者に適しています。
三菱UFJグループの信頼性と充実したサポート体制により、安心感を重視する年金受給者にもおすすめできるカードです。利用可能枠も一般カードより高く設定されています。
「アメックスグリーン」年金受給者対応
アメリカン・エキスプレス・グリーン・カードは、年金受給者でも申込可能な高ステータスカードです。月会費1,100円(税込)制により、年会費の負担を分散できる特徴があります。
空港ラウンジサービス、手厚い旅行保険、24時間日本語サポートなど、プレミアムなサービスを受けられます。国際的な信頼度が高く、海外旅行時の安心感は他カードを上回ります。
年金受給者の審査基準と通過のコツ
年金受給者がクレジットカード審査に通過するためには、特有の審査基準と対策を理解することが重要です。年金収入200万円以上が望ましいとされますが、これは年金と他収入を合算した金額で判定されます。
年金収入のみでも申込み可能な理由
多くのクレジットカード会社では、年金を安定した継続収入として認めています。国民年金や厚生年金は毎月定期的に支給されるため、給与所得者と同様に評価される傾向があります。
年金受給者の審査では、支払い能力の安定性が重視されます。年金は国が保障する収入源であり、リストラや倒産のリスクがないため、カード会社にとって信頼できる収入源と判断されるのです。
職業欄で年金受給者を選択できるカード
楽天カード、三井住友カード、JCBカードなど主要なカード会社では、申込書の職業欄に「年金受給者」の選択肢が明記されています。これらのカードは年金収入のみでも積極的に審査対象としています。
職業欄で年金受給者を選択する際は、年収欄に年金額を正確に記載することが重要です。虚偽の申告は審査落ちの原因となるため、正直に申告しましょう。
キャッシング枠0円で申込む
高齢者がクレジットカードに申込む際は、キャッシング枠を0円に設定することを強く推奨します。キャッシング枠があると貸金業法の総量規制対象となり、審査が厳しくなる可能性があります。
ショッピング枠のみの申込みなら、年金収入でも審査通過率が向上します。後からキャッシング枠を追加することも可能なため、まずはショッピング枠のみで申込みましょう。
クレヒスなしの高齢者は要注意
これまでクレジットカードを使用したことがない高齢者は、クレジットヒストリー(信用履歴)がない状態です。この場合、審査が慎重になる可能性があります。
クレヒスがない高齢者は、年会費無料で審査基準が緩やかなカードから始めることをおすすめします。楽天カードやライフカードなど、初回カード利用者に優しいカードを選択しましょう。
持ち家と固定電話で審査有利
持ち家(住宅ローン完済済み)と固定電話の存在は、審査で大きなプラス要素となります。これらは居住の安定性と連絡先の確実性を示すため、カード会社から高く評価されます。
賃貸住宅でも居住年数が長ければ安定性を示せます。同一住所での居住年数を正確に申告し、可能であれば固定電話番号も併記することで審査通過率を高められるでしょう。
高齢者向けクレジットカードの安全な選び方
高齢者がクレジットカードを選ぶ際は、セキュリティ機能とサポート体制を最優先に考える必要があります。利用明細の確認方法や年会費の負担も含めて、総合的に判断することが重要です。
セキュリティ機能重視で選ぶ
高齢者が狙われやすい不正利用や詐欺被害を防ぐため、セキュリティ機能が充実したカードを選びましょう。JCBカードSや三井住友カード(NL)は、AI不正監視システムと即時通知機能により、異常な取引を素早く検知します。
ナンバーレスカードや利用限度額の細かい設定も有効です。必要以上の限度額は設定せず、日常の支払いに十分な金額に抑えることで、万が一の被害を最小限に留められます。
年会費無料のカードを優先
年金生活者にとって維持費用の負担は重要な選択基準です。楽天カード、三井住友カード(NL)、JCBカードSなど、年会費永年無料のカードを優先的に検討しましょう。
年会費有料のカードを選ぶ場合は、年会費以上の特典やメリットがあるか慎重に判断する必要があります。旅行頻度や利用額に応じて、コストパフォーマンスを計算しましょう。
サポート体制の充実度を確認
操作に不安を感じる高齢者には、24時間365日のサポート体制が整ったカード会社を選ぶことが重要です。楽天カードは24時間チャット・電話サポート、三井住友カードは専門窓口を設けています。
イオンカードのように実店舗での窓口サポートを受けられるカードも高齢者に適しています。インターネットが苦手な方でも、直接相談できる環境があると安心です。
利用明細の確認方法をチェック
高齢者にとって利用明細の確認しやすさは重要な要素です。紙の明細書を郵送してくれるカード会社を選ぶか、スマートフォンアプリが使いやすいカードを検討しましょう。
Web明細のみのカードを選ぶ場合は、家族と一緒に確認する仕組みを作ることをおすすめします。定期的な明細確認により、不正利用の早期発見と家計管理の向上を実現できます。
家族カードの活用も検討
配偶者や子供がいる場合は、家族カードの発行も検討しましょう。家族カードなら利用明細を一元管理でき、緊急時のサポートも受けやすくなります。
多くのカードで家族カードは年会費無料または格安で発行できます。認知症などの将来的なリスクに備えて、家族と利用状況を共有できる体制を整えておくことが大切です。
シニア世代のクレジットカード活用術
シニア世代がクレジットカードを効果的に活用するには、年金生活に合わせた使い方を習得することが重要です。支払い管理から認知症対策まで、実践的な活用方法をご紹介します。
年金支給日に合わせた引き落とし設定
年金の支給日(偶数月の15日)に合わせて、クレジットカードの引き落とし日を調整しましょう。多くのカード会社では引き落とし日の変更が可能で、年金支給後の口座残高が十分な時期に設定できます。
引き落とし日の変更手続きは、カード会社への電話連絡で簡単に行えます。年金支給日から数日後に設定することで、口座残高不足による延滞を防げるでしょう。
認知症対策としての家族共有方法
認知症のリスクに備えて、家族とカード情報を共有する仕組みを整えておきましょう。利用明細の確認方法や緊急時の連絡先を家族に伝え、定期的に利用状況をチェックしてもらうことが重要です。
家族カードの発行や利用限度額の低めの設定も有効な対策です。万が一の際に被害を最小限に抑え、家族が迅速に対応できる体制を作っておきましょう。
医療費支払いでのポイント活用
高齢者の医療費は年間数十万円になることも多く、クレジットカード払いでポイント還元を受ければ大きな節約効果があります。基本還元率1.0%のカードなら、年間30万円の医療費で3,000円相当のポイントが貯まります。
ただし、すべての医療機関でクレジットカード払いができるわけではありません。事前に支払い方法を確認し、現金とクレジットカードを使い分けることが大切です。
旅行保険付帯カードの賢い使い方
旅行好きの高齢者には、旅行保険が自動付帯するクレジットカードの活用をおすすめします。エポスカードは年会費無料で海外旅行傷害保険が自動付帯し、大人の休日倶楽部ジパングカードは国内旅行傷害保険が付帯します。
複数の旅行保険付帯カードを持つことで、補償額を上乗せできる場合もあります。高齢者は医療リスクが高いため、十分な補償額を確保することが重要です。
高齢者がカードを持つメリットとリスク
高齢者がクレジットカードを持つことには、生活の利便性向上という大きなメリットがある一方で、セキュリティリスクも存在します。メリットとリスクを正しく理解して、安全に活用することが重要です。
キャッシュレス決済でスムーズな支払い
現金を持ち歩く必要がなくなり、支払いがスムーズになることは高齢者にとって大きなメリットです。小銭を数える手間が省け、レジでの待ち時間短縮にもつながります。
タッチ決済対応カードなら、暗証番号の入力も不要で、より簡単に支払いを完了できます。コンビニやスーパーでの日常的な買い物が格段に楽になるでしょう。
ネットショッピングでの利便性向上
重い荷物を運ぶのが困難な高齢者にとって、ネットショッピングの活用は生活の質を大幅に向上させます。クレジットカードがあれば、Amazon、楽天市場などで簡単に買い物ができます。
特に楽天カードなら楽天市場での還元率が3%になるため、日用品や食品の購入で効率的にポイントを貯められます。外出が困難な状況でも、必要な商品を自宅に届けてもらえる安心感があります。
公共料金の自動支払いで支払い忘れ防止
電気、ガス、水道、電話などの公共料金をクレジットカード払いに設定すれば、支払い忘れを防げます。高齢者に多い支払い忘れによる延滞を避けられる重要なメリットです。
口座振替と異なり、残高不足による延滞のリスクも軽減できます。クレジットカードの引き落とし日は通常1ヶ月後なので、時間的な余裕を持って支払いを管理できるでしょう。
不正利用への対策と補償制度
現金と異なり、クレジットカードは不正利用に対する補償制度が整っています。盗難・紛失による不正利用は、カード会社が全額補償するのが一般的です。
ただし、暗証番号の管理不備やフィッシング詐欺に引っかかった場合は補償対象外となる可能性があります。セキュリティ機能を活用し、怪しいメールやサイトには十分注意しましょう。
まとめ:高齢者向けクレジットカードの賢い選択
高齢者がクレジットカードを選ぶ際は、セキュリティ機能とサポート体制を最重視し、年会費無料のカードから始めることをおすすめします。楽天カード、三井住友カード(NL)、JCBカードSなどは、年金受給者でも申込みやすく、充実したセキュリティ機能を備えています。
年金収入のみでも審査通過は十分可能ですが、キャッシング枠0円での申込みや持ち家・固定電話の活用により、審査通過率を高められます。利用開始後は年金支給日に合わせた引き落とし設定や家族との情報共有により、安全で快適なクレジットカードライフを実現しましょう。
高齢者クレジットカードのよくある質問
70歳過ぎても作れるクレジットカードはある?
70歳を過ぎても多くのクレジットカードが申込み可能です。楽天カード、三井住友カード(NL)、JCBカードSなどは年齢上限を設けておらず、年金収入があれば審査対象となります。ただし、80歳を超えると申込み可能なカードが限られる場合があるため、早めの申込みをおすすめします。
80歳以上でもクレジットカードは作れる?
80歳以上でも申込み可能なカードは存在しますが、選択肢は限られます。楽天カードは80歳以上でも申込み可能で、実際に審査通過した事例も報告されています。ただし、審査基準は厳しくなる傾向があるため、年収や資産状況の十分な説明が必要です。
年金収入のみでも審査に通る?
年金収入のみでも審査通過は十分可能です。年収200万円以上(年金と他収入の合算)が望ましいとされていますが、これより少ない場合でも審査通過の可能性があります。重要なのはキャッシング枠を0円に設定し、安定した収入源として年金をアピールすることです。
認知症になった場合の解約手続きは可能?
認知症により本人が手続きできない場合、家族による代理手続きが認められることが多いです。ただし、成年後見人の選任や医師の診断書が必要になる場合があります。事前に家族カードを発行し、利用状況を共有できる体制を整えておくことが重要です。
高齢者のクレジットカード限度額はいくら?
高齢者の利用限度額は年収の3分の1程度が目安とされています。年金収入200万円の場合、50万円~70万円程度の限度額が設定されることが一般的です。楽天カードでは年金受給者の限度額を10万円~30万円程度に抑える傾向があり、安全性を重視した設定となっています。