
はじめに:遺品整理が終わらない…と悩んでいませんか?
「故人の家を片付け始めたけれど、物が多すぎてどこから手をつけていいか分からない」「仕事が忙しくて、週末しか作業時間がとれない」…そんな風に、遺品整理が終わらない状況に頭を悩ませていませんか?
遺品整理は、単なる部屋の片付けではありません。故人との思い出と向き合う精神的な負担や、相続などの法的な手続きも絡む、非常にデリケートな作業です。時間的にも体力的にも限界を感じ、途方に暮れてしまう方は少なくありません。
この記事では、遺品整理が終わらない原因を紐解き、いつまでに終わらせるべきかの期間の目安、そして自力で進めることが困難な場合の最善の解決策までを具体的に解説します。この記事を読めば、終わらない遺品整理の悩みから解放される道筋が見えるはずです。
遺品整理が終わらないのはなぜ?よくある5つの理由
遺品整理が計画通りに進まないのには、いくつかの共通した理由があります。もしあなたが「自分だけがうまくできない」と感じているなら、それは間違いです。多くの方が同じような壁に直面しています。ここでは、遺品整理を困難にさせる代表的な5つの理由を解説します。
1. 故人との思い出が蘇り、精神的に辛い
遺品の一つひとつには、故人との大切な思い出が詰まっています。アルバムを開けば楽しかった日々が蘇り、愛用していた品を手に取れば、もう会えないという現実に胸が締め付けられることもあるでしょう。
このような悲しみや喪失感の中で整理作業を進めることは、精神的に大きな負担となります。「捨てる」という行為が、故人との繋がりまで断ち切ってしまうように感じられ、どうしても手が止まってしまうのです。無理に気持ちを押し殺して作業をしても、辛さが増すばかりで、結果として片付けが進まない原因になります。
2. 遺品の量が多すぎて、どこから手をつけていいか分からない
特に故人が長年住んだ一軒家や実家の場合、想像をはるかに超える量の遺品が残されていることがほとんどです。家具や家電、衣類、食器、趣味の道具、そして長年溜め込まれた雑貨類…。部屋が物で溢れ、いわゆるゴミ屋敷のような状態になっているケースも珍しくありません。
あまりの物量に圧倒され、「何から始めればいいのか」「これはゴミなのか、価値のある物なのか」という判断ができず、立ち尽くしてしまうのです。全体像が把握できないままでは、計画的に作業を進めることは極めて困難です。
3. 仕事や家庭の事情で、作業時間を確保できない
遺品整理を行う遺族の多くは、自身の仕事や家庭を持っています。そのため、作業に充てられる時間は週末や休日などに限られてしまいます。特に、実家が遠方にある場合は、移動だけでも大きな時間と手間がかかり、思うように作業を進めることができません。
限られた時間の中で大量の遺品と向き合うのは、肉体的な負担も相当なものです。心身ともに疲弊してしまい、次の作業への意欲が湧かなくなってしまうことも、遺品整理が終わらない大きな要因の一つです。
4. 捨てる・残すの判断基準が分からず、作業が止まる
遺品の中には、現金や預金通帳、不動産の権利書といった貴重品だけでなく、価値が分かりにくい骨董品や美術品が紛れている可能性もあります。これらは相続財産に関わるため、勝手に処分してしまうと後で親族間のトラブルに発展する恐れがあります。
「これは捨てていいものだろうか」「誰かに確認すべきだろうか」と、一つひとつの判断に迷うたびに作業は中断します。この判断の難しさが、片付け全体の進行を妨げる大きな壁となるのです。
5. 親族間で意見がまとまらず、協力体制が作れない
遺品整理は、相続人全員で協力して行うのが理想です。しかし、親族間での故人への思いや、物の価値観はそれぞれ異なります。「これは形見として欲しい」「いや、それは不要だ」といった意見の対立は、しばしば起こります。
また、誰が作業の負担を多く担うか、処分にかかる費用は誰が支払うかといった問題で、話し合いがこじれてしまうことも少なくありません。このような親族間のトラブルによって、協力体制が築けず、遺品整理そのものを開始できないというケースもあります。
遺品整理はいつからいつまでに終わらせる?平均的な期間の目安
遺品整理を始めるにあたり、「いつから手をつけて、いつまでに終わらせればいいのか」という期間の目安は、多くの方が気になるところです。法律で「いつまでに遺品整理を終えなさい」という明確な決まりはありませんが、相続手続きなどの期限を考慮すると、ある程度の目標を立てて進めることが重要になります。
遺品整理を始めるタイミングは四十九日後が多い
一般的に、遺品整理を始めるタイミングとして多いのは、故人の四十九日法要が終わった後です。仏教では、四十九日をもって故人の魂の行き先が決まるとされており、遺族にとってもひとつの区切りとなる時期です。このタイミングで少しずつ気持ちの整理をつけ、遺品と向き合い始める方が多いようです。
ただし、これはあくまで目安です。賃貸物件の退去日が迫っているなど、急を要する事情がある場合は、この限りではありません。ご自身の状況や親族との話し合いの上で、最適なタイミングを判断しましょう。
【状況別】遺品整理にかかる期間の目安
遺品整理に要する期間は、故人が住んでいた家の広さや遺品の量、作業にあたる人数によって大きく変動します。ここでは、あくまで一般的な目安として、ご自身で作業した場合にかかる期間を状況別に解説します。
ワンルーム・1K:1日〜3日
故人が一人暮らしで、部屋の広さがワンルームや1K程度であれば、比較的短期間で終えることが可能です。作業人数が1〜2名いれば、1日で大まかな仕分け作業を終え、2〜3日目には不用品の搬出や処分、簡単な清掃まで完了できるケースが多いでしょう。
2LDK・3LDK(マンション):3日〜10日
ご夫婦やご家族で暮らしていたマンションなどの場合、荷物の量は格段に増えます。大型の家具や家電も多く、全ての部屋を片付けるには相応の時間が必要です。週末に親族が集まって作業するとしても、完了までには3日から10日程度、場合によっては数週間かかることも想定しておくべきでしょう。
一軒家:1週間〜1ヶ月以上
長年暮らした一軒家となると、屋内の各部屋だけでなく、物置や庭、ガレージなど、片付ける範囲は膨大になります。自分たちでは運び出せない大型家具や、判断に迷う不用品も大量にあるでしょう。自力で全てを整理しようとすると、少なくとも1週間以上、物の量によっては数ヶ月から1年以上かかることも覚悟しなければなりません。
遠方の実家など、条件によっては1年以上かかることも
遺品整理を行う実家が遠方にある場合、作業はさらに困難を極めます。頻繁に通うことができず、一度の滞在でできる作業量も限られます。交通費や滞在費といった金銭的な負担も無視できません。
このような悪条件が重なると、思うように片付けは進まず、結果的に1年以上、場合によっては何年も手付かずの状態になってしまうケースは決して珍しくありません。時間だけが過ぎていく状況は、精神的な焦りと負担を増大させるだけになってしまいます。
【要注意】遺品整理を急がなければならない4つのケース
「故人を偲ぶ時間を大切にしたい」という気持ちとは裏腹に、遺品整理を急がなければならない状況も存在します。特に、法律上の期限や契約が関わる場合、対応が遅れると金銭的な損失や思わぬトラブルに発展しかねません。ここでは、特に注意が必要な4つのケースについて解説します。
1. 賃貸物件の退去期限が迫っている
故人が賃貸マンションやアパートに住んでいた場合、契約に基づいて部屋を明け渡す義務があります。亡くなった後も契約は自動的に解約されず、家賃が発生し続けます。そのため、できるだけ早く解約手続きを行い、定められた期限までに遺品をすべて撤去し、部屋を原状回復しなければなりません。
退去が遅れれば、その分だけ余計な家賃を負担することになります。大家や管理会社との関係を良好に保ち、余計な費用を発生させないためにも、迅速な遺品整理が求められます。
2. 相続税の申告・納付期限(死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内)
故人の遺産総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合、相続税の申告と納付が必要です。この期限は「被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内」と厳密に定められています。
遺品整理が終わらないと、預金通帳や不動産の権利書、有価証券といった財産の全体像が把握できず、正確な申告ができません。期限に遅れると、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課せられるため、計画的に遺品整理を進め、財産目録を作成する必要があります。
3. 相続放棄の検討期間(3ヶ月以内)
故人に資産よりも多くの借金があった場合、家庭裁判所に申し出ることで相続を放棄できます。しかし、この相続放棄の手続きには、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」という非常に短い期限が設けられています。
遺品整理の過程で、初めて借金の存在を示す督促状などが見つかるケースも少なくありません。もしこの3ヶ月の熟慮期間を過ぎてしまうと、原則として相続放棄はできなくなり、故人の借金を背負うことになってしまいます。早期に財産状況を把握するためにも、迅速な行動が不可欠です。
4. 空き家になり、特定空家に指定されるリスクがある
故人の持ち家を相続したものの、誰も住む予定がなく空き家になる場合も注意が必要です。適切に管理されていない空き家は、倒壊の危険や景観・衛生環境の悪化を招くとして、行政から「特定空家」に指定されることがあります。
特定空家に指定されると、固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなり、税額が最大で6倍に跳ね上がる可能性があります。さらに、行政からの改善命令に従わない場合は、過料が科されたり、強制的に解体されその費用を請求されたりするリスクもあります。遺品を片付けないまま放置することは、こうした深刻な事態を招く第一歩となるのです。
自力で遺品整理を進めるための4つの手順と限界
もし時間や人手に少しでも余裕があり、自分たちの手で遺品整理を進めたいと考える場合は、計画的に取り組むことが成功の鍵です。ここでは、自力で片付けを行う際の基本的な4つの手順を解説します。ただし、これらの手順には現実的な限界があることも知っておく必要があります。
手順1:スケジュールと役割分担の計画を立てる
まずは、いつまでに遺品整理を完了させるか、明確な目標日を設定します。その上で、作業日や作業内容を具体的に盛り込んだスケジュールを作成しましょう。親族や兄弟姉妹など、関わる人全員で情報を共有し、誰がいつ参加できるか、リーダーは誰が務めるかといった役割分担を決めておくことが重要です。事前に計画を立てておくことで、作業の重複や親族間の意見の食い違いを防ぎ、効率的に進めることができます。
手順2:「貴重品」「形見分け」「リサイクル・買取」「処分」に仕分ける
実際の作業では、部屋ごとにエリアを決めて、一つずつ遺品を仕分けていきます。その際、あらかじめ「貴重品・重要書類」「形見分けで残す物」「リサイクル・買取に出す物」「処分する物」の4つのカテゴリーに分類するとスムーズです。
- 貴重品:現金、通帳、印鑑、権利書、有価証券、貴金属など
- 形見分け:写真、手紙、愛用品など親族が引き取りたい物
- 買取:まだ使える家具・家電、骨董品、ブランド品、書籍など
- 処分:上記以外の不用品
色分けした段ボールやゴミ袋を用意すると、誰が見ても分かりやすく、作業効率が上がります。
手順3:処分方法を決め、ルールに従って実行する
仕分けで「処分する物」と判断した遺品は、自治体のルールに従って適切に処分しなければなりません。一般ごみとして出せるもの、粗大ごみとして事前の申し込みと手数料が必要なもの、家電リサイクル法やPCリサイクル法の対象となるものなど、品目によって処分方法は異なります。
自治体のホームページやパンフレットで分別方法をよく確認し、ルールを遵守しましょう。一度に大量のごみを出す場合は、臨時ごみとして扱われることもあります。もちろん、不法投棄は絶対にしてはいけません。
手順4:部屋の清掃と原状回復を行う
すべての遺品を搬出したら、最後に部屋の清掃を行います。長年の生活で蓄積したほこりや汚れをきれいにしましょう。賃貸物件の場合は、契約内容に従って原状回復する義務があります。持ち家の場合でも、その後の売却や賃貸を考えているなら、専門のハウスクリーニング業者に依頼して、部屋全体を綺麗にすることをおすすめします。
【知っておくべき現実】自力での片付けには限界がある
ここまで自力で進める手順を紹介しましたが、これはあくまで理想的な流れです。実際には、仕事や家庭の事情で時間が取れなかったり、物の量が多すぎて途方に暮れたりと、計画通りに進まないことがほとんどです。精神的な辛さから作業が滞ることも、遠方でなかなか通えないという物理的な問題もあります。
無理に自力で進めようとすることが、かえって心身の負担を増やし、期限に間に合わないといった新たな問題を生む危険性も。そんな時は、一人で抱え込まず、プロの力を借りるという選択肢を検討することが重要です。
「終わらない」遺品整理は業者依頼が最善の解決策!3つのメリット
自力での遺品整理に限界を感じたら、それは決して諦めではありません。むしろ、次のステップに進むための賢明な判断です。遺品整理の専門業者に依頼することは、終わらない悩みから解放される最も効果的で、最善の解決策となり得ます。ここでは、業者に依頼する3つの大きなメリットを解説します。
メリット1:時間的・肉体的な負担を大幅に軽減できる
専門業者の最大のメリットは、その圧倒的なスピードと効率の良さです。経験豊富なスタッフがチームで連携し、専用の機材や車両を使って作業するため、自分たちで何週間もかかっていたような片付けが、一軒家でもわずか1日〜数日で完了するケースも珍しくありません。
面倒な分別作業や、重たい家具・家電の搬出もすべて任せられるため、遺族の時間的・肉体的な負担はゼロに近くなります。故人を偲ぶ時間に充てたり、他の相続手続きに集中したりと、心に余裕が生まれるでしょう。
メリット2:精神的な辛さに寄り添い、心の整理をサポートしてくれる
優良な遺品整理業者は、単に物を片付けるだけの作業員ではありません。遺族が抱える悲しみや辛い気持ちに寄り添い、精神的な支えとなってくれるパートナーです。故人との思い出の品を前に手が止まってしまった時も、急かすことなく話を聞き、気持ちの整理がつくまで待ってくれます。
また、遺品の合同供養やお焚き上げといったサービスを提供している業者も多く、どうしても捨てられないと悩む遺族の心の負担を軽くしてくれます。このような精神的なサポートは、業者に依頼する大きな価値の一つです。
メリット3:専門知識で適切に仕分け、相続トラブルを防げる
遺品整理業者は、これまで数多くの現場を経験してきた「探索のプロ」でもあります。遺族では見つけ出すのが困難なへそくりや、タンスの奥にしまい込まれた重要書類などを発見してくれることも少なくありません。
また、第三者である専門家が公平な立場で仕分け作業を行うことで、「誰かが勝手に貴重品を持ち出した」といった親族間の疑念や不満が生じにくくなります。感情的な対立を避け、相続に関する話し合いを円満に進める上でも、業者の存在は大きな助けとなるのです。
後悔しない遺品整理業者の選び方と比較ポイント
遺品整理業者への依頼を決めた後、次に重要になるのが「どの業者を選ぶか」です。残念ながら、業者の中には高額な料金を請求したり、不法投棄を行ったりする悪質な業者も存在します。後悔しないためには、以下の4つのポイントを必ず確認し、信頼できる業者を見極めましょう。
ポイント1:遺品整理士など専門資格を持つスタッフが在籍しているか
優良な業者を見分ける一つの指標として、「遺品整理士」の資格を持つスタッフが在籍しているかどうかが挙げられます。遺品整理士は、遺品の取り扱い方法や関連法規、供養に関する知識などを専門的に学んだプロフェッショナルです。
資格を持つスタッフがいる業者は、故人や遺族の気持ちに寄り添った丁寧な対応が期待できます。会社のホームページやパンフレットに、資格保有の有無が記載されているかを確認してみましょう。これは、業者がサービスの質を向上させようと努めている証でもあります。
ポイント2:一般廃棄物収集運搬業の許可など、法的な許可を得ているか
これは最も重要なチェック項目です。家庭から出るごみ(一般廃棄物)を有料で収集・運搬するには、自治体が交付する「一般廃棄物収集運搬業許可」が必須です。この許可なく遺品を回収・処分する業者は違法であり、不法投棄などのトラブルに巻き込まれる危険性が非常に高くなります。
業者によっては「産業廃棄物収集運搬業許可」や「古物商許可」を掲げている場合がありますが、これらは別の許可です。必ず、事業を行う市町村の「一般廃棄物収集運搬業許可」を得ているか、見積もり時に許可証を提示してもらうなどして確認してください。
ポイント3:料金体系が明確で、見積もり後の追加料金がないか
遺品整理で最も多いトラブルが、料金に関するものです。「作業終了後に、見積もりになかった高額な追加料金を請求された」というケースが後を絶ちません。こうした事態を避けるため、見積書の内容をしっかり確認しましょう。
優良な業者の見積書は、人件費、車両費、処分費といった項目ごとに料金が詳細に記載されています。そして、「見積もり確定後の追加料金は一切かかりません」といった一文が明記されているかを確認することが極めて重要です。口約束ではなく、必ず書面で保証してもらいましょう。
ポイント4:複数社から相見積もりを取り、サービス内容と料金を比較する
業者を選ぶ際は、1社だけの見積もりで安易に決めるのは避けましょう。必ず2社〜3社から相見積もりを取り、内容をじっくり比較検討することが、後悔しないための鉄則です。
その際、単純な金額の安さだけで判断してはいけません。A社は安いけれど清掃は簡易的、B社は少し高いけれど貴重品の探索や供養まで丁寧に行ってくれる、といったように、サービス内容に違いがあります。料金とサービス内容のバランスを見極め、ご自身の希望に最も合った業者を選ぶことが大切です。
遺品整理の費用相場と安く抑えるコツ
専門業者に依頼するとなると、やはり気になるのが費用です。遺品整理の費用は、部屋の広さや物の量、作業内容によって大きく変わります。ここでは、大まかな費用相場を知り、その上で少しでも費用を安く抑えるための具体的なコツをご紹介します。
【間取り別】遺品整理の費用相場
以下は、一般的な遺品整理の費用相場を間取り別にまとめたものです。あくまで目安であり、遺品の量や建物の状況(エレベーターの有無など)によって金額は変動します。
間取り | 費用相場 | 作業人数目安 | 作業時間目安 |
---|---|---|---|
1R・1K | 30,000円~80,000円 | 1~2名 | 2~3時間 |
1LDK | 70,000円~200,000円 | 2~3名 | 3~6時間 |
2LDK | 120,000円~300,000円 | 3~4名 | 4~8時間 |
3LDK | 170,000円~500,000円 | 4~6名 | 6~12時間 |
4LDK以上 | 220,000円~ | 5名~ | 1~2日以上 |
遺品整理費用は誰が払う?基本的な考え方
遺品整理の費用を誰が負担すべきかについて、法律上の明確な決まりはありません。そのため、相続人同士で話し合って決めるのが一般的です。
最も多いケースは、故人が遺した現金や預貯金などの相続財産の中から支払う方法です。まず相続人の誰かが立て替え払いをしておき、後日、遺産分割協議の際にその分を差し引いて精算します。誰が支払うのか、どのように分担するのかを事前に決めておくことで、親族間の無用なトラブルを防ぐことができます。
費用を安く抑える3つのコツ
決して安くはない遺品整理費用ですが、いくつかのコツを実践することで、負担を軽減することが可能です。ここでは、誰でもできる3つの方法をご紹介します。
自分でできる範囲の片付けはしておく
業者の費用は、基本的に作業量(作業時間やスタッフの人数)に応じて決まります。そのため、事前に自分でできる範囲の片付けをしておくだけでも、費用を抑える効果が期待できます。例えば、明らかなごみや不要な衣類などを自治体のルールに従って処分しておけば、業者が行うべき作業量を減らすことができます。ただし、貴重品を誤って捨ててしまわないよう、判断に迷うものは無理に触らないようにしましょう。
買取サービスを活用する
遺品の中に、まだ使える家電や家具、骨董品、ブランド品など価値のあるものが残っていませんか?多くの遺品整理業者は買取サービスも行っており、価値のある品を買い取ってくれます。買取金額を遺品整理の総費用から差し引くことができるため、結果的に支払い額を大幅に安くできる可能性があります。見積もりの際に、どんなものが買取対象になるか積極的に相談してみましょう。
複数社の見積もりを比較する(相見積もり)
費用を抑える上で最も効果的かつ重要なのが、業者選びのポイントでも挙げた「相見積もり」です。同じ作業内容であっても、料金設定は業者によって様々です。複数の業者から見積もりを取ることで、その作業の適正な価格帯を把握でき、不当に高い業者を避けることができます。また、他社の見積もりがあることで、価格交渉がしやすくなるというメリットもあります。
まとめ:終わらない遺品整理は専門業者に相談して心の負担を軽くしよう

この記事では、遺品整理が終わらない理由から、具体的な進め方、そして後悔しない業者の選び方までを詳しく解説してきました。遺品整理は、物が多すぎる、時間がない、精神的に辛いといった様々な理由で、自力だけで完了させることが非常に難しい作業です。
特に、賃貸物件の退去や相続税の申告といった期限が迫っている場合、悠長に構えている時間はありません。無理に一人で、あるいは家族だけで抱え込もうとすれば、心身の負担が増すばかりか、新たな金銭トラブルを招くことにもなりかねません。
もし、あなたが「もう限界だ」「どうしていいか分からない」と感じているなら、それは専門業者に相談するべきサインです。信頼できるプロに任せることで、時間的・精神的な負担から解放され、故人との思い出と穏やかに向き合う大切な時間を取り戻すことができます。終わらない悩みから抜け出し、次の一歩を踏み出すために、まずは専門業者に相談してみてはいかがでしょうか。
遺品整理が終わらない時によくある質問
最後に、遺品整理に関して多くの方が疑問に思う点について、Q&A形式でお答えします。
遺品整理で捨ててはいけないものは何ですか?
遺品整理で絶対に捨ててはいけないのは、「財産的価値があるもの」と「法的な手続きに必要なもの」です。具体的には以下のようなものが挙げられます。
- 財産関連:現金、預貯金通帳、実印、有価証券(株券など)、不動産の権利書、生命保険証書、貴金属、骨董品、美術品、ローン契約書など
- 身分証明・契約関連:健康保険証、年金手帳、パスポート、マイナンバーカード、運転免許証、遺言書、公共料金の領収書など
これらは相続手続きに不可欠です。価値が分からないものや判断に迷うものも、勝手に処分せず、必ず相続人全員で確認するまで大切に保管してください。
亡くなった人の服や布団はいつ、どう処分すればいいですか?
処分する時期に厳密な決まりはありませんが、四十九日法要などを終え、ご遺族の気持ちが落ち着いたタイミングで始めるのが一般的です。処分方法はいくつかあります。
- 自治体のルールで処分:最も一般的な方法です。
- NPO団体などに寄付:まだ着られる服は、必要としている人に届けることができます。
- リサイクルショップで売却:状態の良いものであれば、買い取ってもらえる可能性があります。
- 供養・お焚き上げ:故人が大切にしていた衣類など、そのまま捨てることに抵抗がある場合は、神社やお寺、専門業者に依頼して供養してもらうと、気持ちの整理がつきやすいでしょう。
遺品整理の費用は誰が負担するのですか?
法律で明確な定めはありませんが、相続人全員で話し合い、故人の遺産(相続財産)から支払うのが最も一般的な方法です。この方法であれば、特定の誰かに負担が偏ることがなく、公平に進めることができます。相続人の誰かが一時的に費用を立て替え、後日、遺産分割の際に精算するケースが多いです。支払いを始める前に、誰がどのように負担するのかを親族間で合意しておくことが、後のトラブルを防ぐ鍵となります。
相続でやってはいけないことは何ですか?
相続手続きにおいて、以下の行為は重大な結果を招く可能性があるため、絶対に避けるべきです。
- 遺言書の勝手な開封:封印のある遺言書は、家庭裁判所での「検認」という手続きを経ずに開封すると、過料に処せられる可能性があります。
- 遺産の勝手な処分・使用:故人の預貯金を使ったり、不動産などの財産を売却したりすると、相続を承認した(単純承認)とみなされます。これにより、後から多額の借金が見つかっても相続放棄ができなくなるリスクがあります。
- 相続人全員の同意なく遺品を処分する:形見分けなどでトラブルの原因になります。必ず全員で話し合いながら進めましょう。
孤独死した部屋をそのままにしておくとどうなりますか?
孤独死の現場、特に発見が遅れた場合は、絶対にそのまま放置してはいけません。遺体の腐敗により、床や壁に体液が染み込み、強烈な腐敗臭や害虫が発生します。これにより、建物自体に深刻なダメージを与えるだけでなく、近隣住民との間で悪臭などをめぐる深刻なトラブルに発展します。
このようなお部屋は、通常のハウスクリーニングでは原状回復できず、「特殊清掃」という専門的な技術が必要です。ご遺族の精神的なご負担も計り知れないため、個人で対応しようとせず、速やかに特殊清掃も行える遺品整理業者に相談してください。