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業者に頼らず遺品整理を自分で!必要な道具リストと準備の全手順

はじめに:故人を偲び、自分の手で遺品整理を進めるために

大切なご家族が亡くなられたあとの遺品整理は、精神的にも肉体的にも大きな負担が伴います。何から手をつければ良いのか、途方に暮れてしまう方も少なくありません。業者に依頼する方法もありますが、「費用を抑えたい」「故人との思い出と向き合いながら、自分のペースで進めたい」という思いから、ご自身で遺品整理を行うことを選ぶ方も増えています。

しかし、いざ自分でやろうとすると、どのような道具を準備すれば良いのか分からず、作業が思うように進まないケースも多いです。この記事では、業者に頼らず自分で遺品整理を行うために必要な道具をチェックリスト形式で徹底解説します。準備の手順から揃えるべき道具まで、この記事を読めばすべて分かります。故人を偲び、後悔のない遺品整理を進めるための第一歩として、ぜひお役立てください。

遺品整理を自分で!何から始める?全体の流れと4つの手順

遺品整理を自分で行うと決めたものの、「一体何から始めればいいのだろう?」と迷ってしまうのは当然のことです。無計画に手をつけてしまうと、時間ばかりがかかり、精神的な負担も増大してしまいます。まずは遺品整理全体の流れを把握することが、スムーズな作業への近道です。大まかな手順は以下の4つの段階に分けられます。この手順に沿って計画を立てることで、効率的に整理を進めることができるでしょう。一つひとつの段階を丁寧に行うことが、故人の大切な遺品を整理し、気持ちの整理をつけることにも繋がります。

手順1:遺言書の確認と親族間での話し合い

遺品整理の作業を始める前に、まず最初に行うべき最も重要なことが、遺言書の有無の確認です。遺言書には遺品の分配や処分に関する故人の意思が記されている場合があり、その内容が最優先されます。勝手に遺品を処分してしまうと、後で相続トラブルに発展する可能性があるため、必ず探してください。

また、遺言書がない場合でも、親族間で遺品整理の進め方について事前にしっかりと話し合うことが不可欠です。「誰が、いつ、どのように進めるのか」「形見分けはどうするのか」といった点を全員で合意しておくことで、後のトラブルを防ぎ、協力体制を築くことができます。

手順2:スケジュールの設定と役割分担

遺品整理は想像以上に時間と労力がかかる作業です。特に、賃貸物件の場合は退去期限があるため、計画的な進行が求められます。まずは「いつまでに終わらせるか」という最終的な目標日を定めましょう。そこから逆算して、週末に作業する、1日に3時間だけ集中して行うなど、無理のない具体的なスケジュールを立てることが大切です。

もし兄弟姉妹など協力してくれる親族がいる場合は、役割分担を決めると効率が格段に上がります。「貴重品を探す人」「衣類を仕分ける人」「ゴミをまとめる人」など、各自の得意なことを活かして分担すると、作業がスムーズに進むでしょう。

手順3:必要な道具の準備

スケジュールが決まったら、いよいよ作業の準備です。遺品整理の効率は、事前にどれだけしっかりと道具を準備できたかで大きく変わります。作業を始めてから「あれがない、これがない」と中断していては、時間もやる気も削がれてしまいます。片付けをスムーズに進め、身体的な負担を減らすためにも、この後のセクションで紹介する道具をあらかじめ揃えておきましょう。特にマスクや軍手などの保護具は、安全に作業を行う上で欠かせません。事前に万全の準備を整えることが、成功への鍵となります。

手順4:遺品の仕分け・処分・清掃

道具が揃ったら、実際の作業に入ります。主な作業は「仕分け」「処分」「清掃」の3つです。まずは全ての遺品を「必要なもの(形見、貴重品)」「リサイクル・売却するもの」「処分するもの」に丁寧に仕分け(分別)していきます。この仕分け作業が遺品整理の核となる部分であり、最も時間がかかるところです。仕分けが終わったら、それぞれの方法で適切に処分し、最後に部屋全体をきれいに清掃して完了となります。思い出の品を前にして、つらい気持ちになることもありますが、焦らず自分のペースで進めましょう。

【チェックリスト】遺品整理に必須の道具一覧

ここからは、自分で遺品整理を行う際に「これだけは絶対に必要」と言える必須の道具を、用途別にチェックリスト形式でご紹介します。作業を始めてから買いに走ることがないよう、事前にリストを確認し、万全の状態で臨みましょう。これらの道具は、ホームセンターや100円ショップ、ドラッグストアなどで手軽に揃えることができます。安全かつ効率的に作業を進めるための基本装備なので、しっかりと準備してください。

分別・梱包に使う道具

遺品を「残すもの」「売るもの」「捨てるもの」などに分ける作業で活躍する道具です。特にゴミ袋は、自治体によって分別のルールや指定袋が異なるため、事前に実家の市区町村のルールを確認しておくことが重要です。

  • ゴミ袋:可燃、不燃、資源ゴミなど、自治体の分別に合わせて複数種類を用意。大きめのサイズが便利です。
  • 段ボール:残すものや売るものを保管・運搬するために使用。大小さまざまなサイズがあると重宝します。
  • ガムテープ(布テープ):段ボールの梱包に使います。手で切れるタイプが作業しやすくおすすめです。
  • 油性マジックペン:段ボールの中身が何かを記載するために必須です。「衣類」「食器」「写真」など、分かりやすく書いておきましょう。
  • ひも・ロープ:雑誌や新聞紙を束ねたり、段ボールをまとめたりする際に使います。

安全に作業するための服装・保護具

遺品整理では、ホコリやカビ、ガラスの破片などで怪我をする危険性も潜んでいます。自分の体を守るため、以下の保護具は必ず用意してください。特に長年空き家だった部屋は、想像以上にハウスダストが舞うため、マスクとゴーグルは必須と考えましょう。

  • マスク:ホコリやカビの吸い込みを防ぎます。使い捨ての不織布マスクで十分ですが、複数枚用意しておくと安心です。
  • 軍手・ゴム手袋:手の汚れや怪我を防ぎます。家具の移動など力仕事には滑り止め付きの軍手、水回りの清掃にはゴム手袋と使い分けるのがおすすめです。
  • 汚れてもよい服装:長袖・長ズボンが基本です。肌の露出を減らし、汚れや怪我から身を守ります。
  • スリッパ・室内履き:床に落ちている画鋲やガラス片などで足を怪我しないように、底が厚めのものを用意しましょう。
  • ゴーグル(保護メガネ):ホコリやゴミが目に入るのを防ぎます。普段メガネをかけていない方は特に用意すると安心です。

清掃・片付けに使う道具

遺品の整理が終わった後の清掃作業は、部屋を新たな状態にするための大切な仕上げです。長年の汚れが溜まっていることも多いため、基本的な清掃道具は一式揃えておきましょう。故人が大切に住んでいた家に感謝の気持ちを込めて、隅々まできれいにすると、ご自身の気持ちの整理にも繋がります。

  • 雑巾・タオル:拭き掃除用に複数枚あると便利です。使い古したタオルなどでも構いません。
  • バケツ:雑巾をすすいだり、洗剤を薄めたりするのに使います。
  • 各種洗剤:部屋用の万能洗剤、水回りのカビ取り剤、油汚れ用の洗剤など、場所に合わせて用意すると効率的です。
  • ほうき・ちりとり:掃除機をかける前の大まかなゴミを集めるのに役立ちます。
  • 掃除機:部屋全体のホコリやゴミを吸い取る最終仕上げに必要です。

あると便利な工具・運搬具

必須ではありませんが、作業の負担を大幅に軽減してくれるのが工具や運搬具です。特に大型の家具や家電を処分する場合は、これらの道具があるかないかで作業効率が大きく変わります。解体や運び出しが必要になりそうであれば、事前に準備しておくことを強くおすすめします。

  • ドライバーセット:棚やベッドなどの家具を解体する際に必要です。プラスとマイナスがセットになったものが便利です。
  • カッターナイフ・ハサミ:段ボールを開封したり、紐を切ったりと、さまざまな場面で役立ちます。
  • 脚立・踏み台:押し入れの天袋やタンスの上など、高所の荷物を下ろす際に安全に作業できます。
  • 台車:重い家具や家電、大量のゴミが入った袋などを運ぶ際に非常に便利です。部屋からゴミ捨て場まで距離がある場合に重宝します。

【効率UP】遺品整理であると便利な道具

必須ではありませんが、準備しておくと遺品整理の作業効率が格段に上がり、心身の負担を軽くしてくれる便利な道具もあります。特に遺品の量が多い場合や、故人との思い出の品と丁寧に向き合いたい場合には、これらのアイテムが大きな助けとなるでしょう。「もっと楽にできたのに」と後悔しないために、ご自身の状況に合わせて必要なものを準備することをおすすめします。ここでは、特に役立つ便利な道具を目的別にご紹介します。

貴重品・重要書類の管理に役立つ道具

遺品整理では、相続手続きに必要な重要書類や、うっかり捨ててはいけない貴重品を確実に見つけ出し、保管することが非常に大切です。作業の混乱の中で紛失したり、誤って処分したりするトラブルを防ぐために、以下の道具が役立ちます。見つけたらすぐに専用のファイルやケースに入れる、というルールを決めておくと安心です。

  • クリアファイル・ファイルボックス:年金手帳や保険証券、契約書などの書類を整理・保管するのに便利です。
  • ジッパー付きポリ袋:通帳や印鑑、現金、貴金属などをまとめて保管するのに役立ちます。中身が見えるので管理しやすくなります。
  • 付箋・ラベルシール:書類やファイルに内容をメモして貼っておくと、後から確認する際に一目で分かり非常に便利です。

思い出の品の整理に役立つ道具

故人が大切にしていた写真や手紙、趣味の品々など、金銭的な価値はなくても、家族にとってはかけがえのない宝物です。なかなか捨てられない、でも全てを保管しておくのは難しい、といった場合に役立つのが以下の道具です。思い出と向き合うつらい作業を、少しでも前向きに進めるための工夫として取り入れてみてください。

  • スマートフォン・スキャナー:写真や手紙などをデータ化(デジタル化)して保存すれば、場所を取らずに思い出を残せます。
  • アルバム・収納ボックス:厳選した写真や特に大切な思い出の品を、きれいに保管するためのものです。
  • 緩衝材(プチプチ):壊れやすい置物や食器などを、大切に保管・梱包するために使います。

大型の遺品や不用品の運搬に役立つ道具

タンスやベッド、冷蔵庫といった大型家具・家電の運搬は、遺品整理の中でも特に体力を消耗する作業です。無理に運ぼうとすると、ご自身の怪我だけでなく、家の壁や床を傷つけてしまう危険もあります。安全かつスムーズに運び出すために、以下の道具を活用しましょう。

  • 養生テープ・養生シート:家具を運び出す際に、壁や床、廊下などを傷つけないように保護します。賃貸物件では特に重要です。
  • 結束バンド・ロープ:解体した家具のパーツをまとめたり、複数の荷物を固定したりするのに役立ちます。
  • 滑り止めシート・毛布:家具の下に敷いて滑らせることで、床を傷つけずに楽に移動させることができます。

【購入場所別】遺品整理の道具はどこで揃える?費用も解説

遺品整理に必要な道具を揃えるにあたり、「どこで買うのが一番良いのだろう?」と迷う方もいるでしょう。購入場所によって、品揃えや価格、利便性が異なります。ここでは代表的な購入場所として「ホームセンター」「100円ショップ」「ネット通販」の3つを挙げ、それぞれのメリット・デメリットを解説します。全ての道具を一つの場所で揃えるのではなく、それぞれの特徴を活かして賢く使い分けるのが、費用を抑えつつ効率的に準備を進めるコツです。

品揃え豊富で一度に揃う「ホームセンター」

遺品整理に必要な道具を一度の買い物でほとんど揃えたいなら、ホームセンターが最もおすすめです。段ボールやゴミ袋、軍手といった基本的なものから、家具の解体に必要な工具、大型の台車、業務用の強力な洗剤まで、専門的なアイテムも含めて品揃えが非常に豊富です。現物を見て、サイズや強度を確かめながら選べるのも大きなメリットでしょう。ただし、100円ショップなどに比べると価格は高めになる傾向があります。全ての道具を揃えると、5,000円~15,000円程度が目安となります。

費用を抑えたいなら「100円ショップ」

とにかく費用を抑えたい場合に大活躍するのが100円ショップです。ゴミ袋、雑巾、ガムテープ、マジックペン、簡単な掃除道具といった消耗品は、品質的にも十分で、非常に安価に手に入ります。分別に使うカゴやケースなども豊富なので、仕分け作業にも便利です。一方で、工具や軍手などは耐久性が低い場合があるため、本格的な作業には不向きなことも。また、段ボールや台車といった大型のものは扱っていないことが多いです。ホームセンターと組み合わせて利用するのが賢い使い方です。

まとめて自宅に届く「ネット通販」

段ボールや大量のゴミ袋、重い洗剤など、かさばる物や重い物を購入する際に非常に便利なのがネット通販です。店舗へ買いに行く手間や時間を節約でき、注文した商品を自宅まで届けてくれるのが最大のメリット。様々な商品を比較して、最も安いものを選べるのも魅力です。ただし、実際に商品を手に取って確認できない点や、注文から到着までに数日かかるというデメリットもあります。遺品整理のスケジュールが決まったら、早めに計画的に注文しておくと良いでしょう。

後悔しない遺品整理の手順①|捨ててはいけないものを確認

道具を揃え、いざ片付けを始めようという気持ちになるかもしれませんが、その前に必ずやるべきことがあります。それは、絶対に捨ててはいけないものを探し出し、確保することです。遺品の中には、故人や遺族の権利、財産に関わる非常に重要なものが含まれています。これらを誤って処分してしまうと、後の相続手続きに支障をきたしたり、親族間の大きなトラブルに発展したりする可能性があります。まずは部屋全体を見渡し、「捨てる」のではなく「探す」ことから始めましょう。

相続に関する重要書類

遺品の中でも最優先で確保すべきなのが、相続手続きや各種名義変更に必要となる重要書類です。これらは再発行が難しいものも多く、紛失すると手続きが滞ってしまいます。見つけ次第、一つのファイルボックスなどにまとめて厳重に保管してください。

  • 遺言書、エンディングノート
  • 不動産の権利証(登記識別情報通知)
  • 預金通帳、キャッシュカード、印鑑(特に実印)
  • 有価証券(株券など)、保険証券
  • 年金手帳、健康保険証、パスポート
  • 公共料金や税金の領収書・請求書
  • 借金の契約書や督促状

現金・有価証券・貴金属などの貴重品

へそくりとしてタンスの奥にしまわれた現金や、本の間にはさまれた株券、アクセサリーケースに入った貴金属など、故人が大切にしていた貴重品が見つかることも少なくありません。これらはすべて相続財産の一部です。勝手に自分のものにしたり、一部の相続人だけで分配したりすると、後で深刻なトラブルになりかねません。見つけた場合は、誰が何を発見したかを明確に記録し、必ず相続人全員で情報を共有するようにしましょう。

故人や家族の思い出の品(写真・手紙など)

法的・金銭的な価値はありませんが、ご遺族にとって何物にも代えがたいのが、故人との思い出が詰まった品々です。写真、アルバム、手紙、日記、趣味で集めていたコレクションなどは、一度捨ててしまうと二度と取り戻すことができません。片付けの勢いで安易に処分すると、後で「どうして捨ててしまったんだろう」と深く後悔する可能性があります。すぐに判断せず、「思い出ボックス」のような箱を用意して一時的に保管し、気持ちが落ち着いてからゆっくりと整理することをおすすめします。

デジタル遺品(PC・スマホのデータ)

現代において見過ごせないのが、パソコンやスマートフォンの中に残された「デジタル遺品」です。本体そのものだけでなく、内部のデータも重要な遺品となります。中には、ネット銀行やネット証券の口座情報、契約中のサブスクリプションサービスなど、財産に関わる重要な情報が含まれていることもあります。パスワードが不明だとデータにアクセスできなくなるため、むやみに初期化したり電源を入れたりせず、専門の業者に相談することも検討しましょう。

後悔しない遺品整理の手順②|「残す・売る・捨てる」の仕分け方

捨ててはいけないものの確保が終わったら、いよいよ本格的な仕分け作業に入ります。全ての遺品を、「①形見として残すもの」「②売却・リサイクルするもの」「③寄付するもの」「④処分するもの」の4つに分類していくのが基本です。この仕分け作業が、遺品整理の中で最も時間と精神力を使う段階です。感情に流されて作業が止まってしまわないよう、事前にルールを決めて、効率的に進めていきましょう。

遺品整理の仕分けをスムーズに進めるコツ

膨大な量の遺品を前にすると、どこから手をつけていいか分からなくなりがちです。作業をスムーズに進めるには、いくつかのコツがあります。まず「この部屋を今日中に終わらせる」など、作業する場所や時間を区切ること。そして、判断に迷ったものは無理に決めず、「保留ボックス」に入れて後で考えるようにしましょう。焦りは禁物です。一人で抱え込まず、親族と相談しながら進めることが、精神的な負担を軽減する鍵となります。

【種類別】衣類や家具など迷いやすい遺品の整理方法

仕分け作業の中でも、特に判断に迷いやすいのが衣類や家具、写真などです。ここでは、品目ごとの一般的な整理方法の考え方をご紹介します。ご自身の家庭の状況に合わせて、参考にしてみてください。

衣類・布団

衣類や布団はかさばるため、保管場所も限られます。まだ新しく状態の良い服は、親族で形見分けをしたり、リサイクルショップに売却したり、NPO団体へ寄付したりする方法があります。故人の愛用していた服をご自身で着るのも良い供養の一つです。一方で、汚れや傷みが激しいもの、下着類などは、故人に感謝を伝えてから処分しましょう。処分の際は、自治体のルールに従って分別してください。

写真・アルバム

故人の写真やアルバムは、最も処分に困る遺品の一つです。すべてを残すのが難しい場合は、家族や親族が写っている写真を中心に残し、アルバム1冊にまとめるのがおすすめです。また、スキャナーやスマートフォンのアプリでデータ化すれば、場所を取らずに全ての思い出を保存できます。どうしても処分する場合は、他のゴミとは分け、塩でお清めをしてから白い紙に包んで捨てると、気持ちの整理がつきやすいと言われています。

家具・家電

大型の家具や家電は、処分の手間がかかります。まだ使える状態の良いものは、リサイクルショップや専門の買取業者に依頼しましょう。出張査定を利用すれば、運び出す手間も省けます。売却が難しいものは、自治体の粗大ゴミ収集サービスを利用して処分します。ただし、テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象品目であり、指定の方法で処分する必要があるため注意してください。

家電リサイクル法とは

一般家庭や事務所から排出された家電製品(エアコン、テレビ(ブラウン管、液晶式、有機EL式、プラズマ式)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)から、有用な部分や材料をリサイクルし、廃棄物を減量するとともに、資源の有効利用を推進するための法律です。

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/kaden_recycle/

仏壇・神棚

仏壇や神棚は、単なる「物」として処分することはできません。先祖の魂や神様が宿る場所と考えられているため、処分する前には必ず「魂抜き(閉眼供養・御霊抜き)」の儀式が必要です。菩提寺の住職や神社の神職に依頼し、供養を行ってもらいましょう。その後、仏壇・神棚の専門業者に引き取ってもらうか、お寺や神社でお焚き上げをしてもらうのが一般的な処分方法です。

後悔しない遺品整理の手順③|仕分けた遺品の処分方法

仕分け作業が終わると、大量の「売るもの」「寄付するもの」「処分するもの」が残ります。これらを適切に手放していくのが、遺品整理の最終段階です。単にゴミとして捨てるだけでなく、様々な処分方法があります。価値のあるものを現金化したり、誰かの役に立つ形にしたりすることで、故人もきっと喜んでくれるはずです。ここでは、代表的な4つの処分方法をご紹介します。

リサイクルショップやフリマアプリで売却する

まだ使える家具や家電、ブランド品、骨董品、趣味のコレクションなどは、リサイクルショップや買取専門店に売却できる可能性があります。複数の店舗に見積もりを依頼したり、出張買取サービスを利用したりすると良いでしょう。また、手間を惜しまなければ、フリマアプリやネットオークションでご自身で売ると、より高値で売れることもあります。売却で得たお金は、他の遺品の処分費用や、親族での食事会の費用などに充てることもできます。

NPO団体などに寄付する

「売るほどではないけれど、捨てるのは忍びない」という衣類や食器、文房具、ぬいぐるみなどは、寄付という選択肢があります。国内外の支援を必要としている人々を支えるNPO団体などが、物資の寄付を広く受け付けています。故人が大切にしていたものが、また誰かの役に立つというのは、遺族にとっても嬉しいことです。ただし、団体によって受け入れている品目が異なるため、事前にホームページなどで確認してから送るようにしましょう。

不用品回収業者に依頼する

「分別が面倒」「処分するものが多すぎる」「大型家具を運び出せない」といった場合は、不用品回収業者に依頼するのが便利です。電話一本で自宅まで来てもらい、分別から運び出しまで全て任せることができます。ただし、便利な分だけ費用がかかります。また、中には法外な料金を請求する悪質な業者もいるため注意が必要です。必ず複数の業者から見積もりを取り(相見積もり)、料金体系や許可の有無をしっかり確認してから依頼しましょう。

自治体のルールに従ってゴミとして処分する

売却も寄付も難しいものの最終的な処分方法は、自治体のゴミ収集に出すことです。可燃ゴミ、不燃ゴミ、資源ゴミ、粗大ゴミなど、お住まいの地域の分別ルールを必ず確認し、厳守してください。特に粗大ゴミは、事前の申し込みや手数料の支払いが必要な場合がほとんどです。面倒だからといって、不法投棄は絶対にしてはいけません。故人のためにも、最後まで責任を持って適切に処分しましょう。

注意|自分で遺品整理をするのが難しいケースとは?

ここまで自分で遺品整理を行う方法や道具について解説してきましたが、故人との別れで心身ともに疲弊している中、無理は禁物です。状況によっては、専門の遺品整理業者に依頼する方が、結果的にご遺族の負担を大きく軽減できるケースも少なくありません。無理に自分でやろうとして、体調を崩したり、大切な思い出の品まで雑に扱ってしまったりしては本末転倒です。以下のようなケースに当てはまる場合は、専門業者への依頼を検討しましょう。

遺品の量が多すぎる・時間が確保できない場合

長年暮らした家には、想像以上に多くの物が残されています。いわゆる「ゴミ屋敷」のような状態でなくても、一軒家まるごとの片付けとなると、その作業量は膨大です。また、仕事などで忙しく、週末しか時間が取れないといった場合、作業が何ヶ月もかかってしまい、心身ともに疲弊してしまうことも。遺品の量や確保できる時間を見積もった上で、自分たちだけでは難しいと感じたら、早めにプロに相談するのが賢明な判断です。

実家が遠方にあり、頻繁に通えない場合

遺品整理を行うべき実家が、現在お住まいの場所から遠く離れているケースも、自分たちだけで進めるのが困難な代表例です。片付けのために何度も往復すると、交通費や宿泊費がかさむだけでなく、移動だけで疲れてしまい、作業が思うように進みません。特に賃貸物件で退去期限が迫っている場合などは、専門業者に依頼して短期間で一気に片付けてもらう方が、結果的に時間的・金銭的な負担を抑えられる可能性があります。

事件・事故などで特殊清掃が必要な場合

故人が孤独死や自殺などで亡くなられ、発見が遅れてしまったお部屋は、ご遺族だけで片付けることは非常に困難です。血液や体液による汚損、害虫の発生、強烈な死臭などが残る現場は、精神的なショックが大きいだけでなく、感染症などの健康被害のリスクも伴います。このようなケースでは、絶対に無理をせず、専門的な知識と技術を持つ「特殊清掃」の専門業者に必ず依頼してください。通常の清掃とは全く異なる、特別な対応が必要となります。

まとめ:道具を揃えて、後悔のない遺品整理を始めよう

今回は、業者に頼らず自分で遺品整理を行うために必要な道具から、具体的な手順、注意点までを詳しく解説しました。遺品整理は、単なる「家の片付け」ではありません。故人が生きてきた証と向き合い、大切な思い出を整理し、ご自身の気持ちにも区切りをつけるための大切な時間です。

この記事で紹介したチェックリストを参考に、まずは必要な道具を揃えることから始めてみてください。万全の準備を整えることが、スムーズで後悔のない遺品整理への第一歩となります。大変な作業ではありますが、焦らず、ご自身のペースで、故人を偲びながら進めていきましょう。この記事が、あなたの新たな一歩を少しでも後押しできれば幸いです。

遺品整理を自分で行う際のよくある質問

最後に、遺品整理を自分で行う際によく寄せられる質問とその回答をまとめました。作業中に疑問や不安が出てきた際の参考にしてください。

遺品整理はいつから始めるべきですか?

A. 法律で定められた期限はありませんが、一般的には四十九日や一周忌といった法要のタイミングや、相続税の申告期限(相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内)を目安に始める方が多いです。ただし、賃貸物件の場合は退去期限があるため、早めの対応が必要です。何よりも大切なのはご遺族の気持ちの整理なので、焦らず、心の準備ができてから始めましょう。

相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10か月以内に行うことになっています。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4205.htm

遺品整理で捨ててはいけないものは何ですか?

A. 最優先で確保すべきなのは、①相続に関する重要書類(遺言書、権利証、通帳など)、②現金・貴金属などの貴重品、③故人や家族の思い出の品(写真、手紙など)、④デジタル遺品(PC・スマホのデータ)の4つです。これらを誤って処分すると、法的なトラブルや取り返しのつかない後悔に繋がるため、仕分け作業の最初に必ず探し出してください。

故人の衣類はどのように整理・処分すれば良いですか?

A. まずは「形見として残すもの」「まだ着られるもの」「処分するもの」に分けましょう。まだ着られる服は、親族で形見分けをしたり、リサイクルショップに売ったり、NPO団体に寄付したりする方法があります。傷みが激しいものや下着類は、故人に感謝を伝えてから、自治体のルールに従って処分します。無理に捨てる必要はなく、気持ちの整理がつくまで保管しておいても問題ありません。

遺品整理で出た家具はどのように処分すれば良いですか?

A. 処分方法は主に3つあります。①買取業者やリサイクルショップに売却する、②自治体の粗大ゴミ収集を利用する、③不用品回収業者に依頼する、のいずれかです。まだ使えるものは売却を、使えないものは自治体のルールで処分するのが基本です。ただし、テレビや冷蔵庫などは家電リサイクル法に基づいた処分が必要なのでご注意ください。

遺品整理で特に困ることは何ですか?

A. 多くの方が困るのは、「遺品の量が多すぎて終わらない」「思い出の品を捨てる判断ができない」「大型家具の運び出しが大変」といった点です。また、作業に伴う精神的なつらさも大きな課題です。一人で抱え込まず、親族と協力し、時には専門業者の力を借りることも重要です。業者との間で料金トラブルなども報告されているため、依頼する際は慎重に選びましょう。

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