葬儀や法事に参列する際、「数珠の持ち方はこれで合っているだろうか」「男女で違いはあるのかな」と不安に感じたことはありませんか。普段あまり使う機会がないからこそ、いざという時にマナー違反にならないか心配になりますよね。
この記事では、そんなお悩みを解決するために、数珠の基本的な持ち方を男女別に分かりやすく解説します。シーン別や宗派ごとの作法、自分に合った数珠の選び方まで網羅しているので、もう葬儀の場で迷うことはありません。故人への敬意を込めて、自信を持って振る舞えるようになります。
数珠の持ち方は男女で違う?基本を解説

数珠の持ち方について、男女で大きな違いがあるのか気になりますよね。結論から言うと、基本的な持ち方に男女の差はほとんどありません。最も大切な基本は、性別を問わず「左手」で持つことです。この記事で、なぜ左手で持つのか、そして男性と女性それぞれの持ち方のポイントを詳しく見ていきましょう。
男女で数珠の持ち方に違いはありますか
数珠を持つ作法において、男女で明確な違いは定められていません。合掌する際や移動中など、基本的なマナーは男女共通です。ただし、使用する数珠そのものには性別による傾向が見られます。一般的に、男性は珠が大きく色も黒や茶系など落ち着いたものを、女性は珠が小さめで水晶や珊瑚など淡く綺麗な色のものを選ぶことが多いです。
持ち方の作法は同じでも、自分に合った数珠を選ぶことで、より自然に手元に馴染みます。大切なのは、男女の違いを気にしすぎることなく、故人を敬う心を持って丁寧に扱うことです。数珠の持ち方ひとつで、その心の表れ方も変わってくるでしょう。
数珠を持つ手は左手が基本マナーです
数珠は、宗派を問わず左手で持つのが基本的なマナーとされています。これは仏教において、左手が「清浄な手」や「仏様の世界」を表し、右手が「不浄な手」や「私たちの世界」を表すという考えに基づいているためです。左手で数珠を持つことで、仏様とのご縁を繋ぐという意味合いが込められています。
数珠を持つ際は、房が自然に下に垂れるように持つのが美しい所作です。移動時や着席中は左手首にかけるか、左手で軽く握るように持ちましょう。この基本を覚えておくだけで、どんな場面でも落ち着いて対応できるようになります。
男性の数珠の基本的な持ち方を紹介
男性が数珠を持つ場合も、基本は左手です。移動の際は左手で房を下にして持ち、着席中は左手首にかけます。男性用の数珠は女性用に比べて珠が大きく、しっかりとした作りのものが多いため、手に持つと自然と落ち着いた印象を与えます。合掌する際は、数珠を両手にかけて親指で軽く押さえるのが一般的です。
数珠の色は黒檀や虎目石など、重厚感のあるものが好まれます。社会人としての品格を示す意味でも、自分専用の数珠を持っておくと安心です。正しい持ち方を身につけ、いざという時に備えましょう。
女性の数珠の基本的な持ち方を紹介
女性の数珠の持ち方も、男性と同じく左手が基本となります。房を下にして左手で持つ、または左手首にかけるというマナーは共通です。女性用の数珠は、水晶やローズクォーツ、藤雲石など、淡く優しい色合いの素材が多く、珠のサイズもやや小ぶりで華奢なデザインが特徴です。
合掌する際は、数珠を両手に通し、指を揃えて胸の前で合わせます。その所作は非常に美しく、故人を偲ぶ気持ちをより一層深く表現してくれるでしょう。上品な数珠と正しい持ち方で、心静かにお祈りを捧げましょう。
そもそも数珠が持つ大切な意味とは
数珠は、単なる仏具ではなく、持つ人にとって大切なお守りとしての意味合いがあります。仏様と心を通わせるための法具であり、人間の持つ108の煩悩を消し去り、功徳を得られると信じられています。そのため、数珠の貸し借りは基本的にマナー違反とされています。
また、数珠は持ち主の分身とも考えられ、厄除けや心の安寧をもたらす力があるとされています。自分だけの数珠を持つことは、仏様やご先祖様への敬意を示す大切な行いです。その意味を理解することで、より一層丁寧に扱えるようになるでしょう。
シーン別|数珠の正しい持ち方とマナー

葬儀や法事では、立ったり座ったり、お焼香をしたりと、様々な場面があります。それぞれのシーンで数珠の持ち方に迷わないよう、具体的な作法を知っておくことが大切です。合掌時、移動中、お焼香の際の正しい持ち方を覚えれば、どんな状況でもスマートに振る舞えます。ここでは、具体的なシーン別のマナーを詳しく解説します。
合掌する時の正しい数珠の持ち方
合掌する際は、数珠を両手にかけてお祈りします。最も一般的な持ち方は、数珠の輪の中に親指以外の4本の指を通し、親指で軽く数珠を押さえる形です。房は、手の形に沿って自然に下に垂れるようにします。これにより、両手が一体となり、仏様への敬意を深く示すことができます。
宗派によっては、数珠を二重にしてかけたり、親指と人差し指の間にかけたりすることもあります。まずは基本の形をマスターし、落ち着いて合掌することが大切です。心静かに手を合わせることで、故人への思いが伝わるでしょう。
移動中や着席時の数珠の扱い方
葬儀会場での移動中や、自席で着席している間も、数珠の扱いは重要です。数珠は常に左手で持つのが基本で、房を下にして軽く握るか、左手首にかけます。これにより、数珠を丁寧に扱っているという印象を与え、マナーの良さを示せます。数珠は神聖なものですから、決してポケットに直接入れたり、椅子の上に置いたりしてはいけません。
数珠を持ち歩く際は、専用の数珠入れやふくさに納めるのが正式なマナーです。使わない時も大切に扱う心が、故人やご遺族への配慮に繋がります。細やかな気配りを忘れないようにしましょう。
お焼香の順番での数珠の持ち方
お焼香は、故人への弔意を示す大切な作法です。自分の順番が来たら、まず数珠を左手にかけたまま席を立ちます。焼香台に進み、遺影に一礼した後、右手で抹香をつまみ、香炉にくべます。この一連の動作の間、数珠は左手にかけたまま、または左手で持ったままにするのがマナーです。
右手でお焼香を行うため、数珠を右手に持ち替えたり、焼香台に置いたりするのは避けましょう。お通夜での数珠の持ち方やお焼香の作法は、宗派によって細かな違いがある場合もありますが、まずはこの基本を覚えておけば失礼にあたることはありません。
事前に知っておきたい数珠のNGマナー
故人やご遺族に失礼のないよう、数珠に関するNGマナーも知っておきましょう。これらは知らず知らずのうちにやってしまいがちな行動なので、注意が必要です。特に大切なのは、数珠は個人の持ち物であり、神聖な法具であるという認識を持つことです。
知っておくべき主なNGマナーは以下の通りです。
- 数珠の貸し借りをする:数珠は持ち主のお守りなので、貸し借りは厳禁です。
- 畳や椅子の上に直接置く:数珠を置く際は、ハンカチの上などに置きましょう。
- ポケットに裸で入れる:必ず数珠入れやふくさを使用します。
- 右手に持つ:仏教の教えから、数珠は左手で持つのが基本です。
【宗派別】本式数珠の持ち方の違い

これまで解説してきたのは、どの宗派でも使える「略式数珠」の持ち方が中心でした。しかし、宗派ごとに定められた「本式数珠」があり、その持ち方にはそれぞれ特徴があります。ご自身の家の宗派や、参列する葬儀の宗派が分かっている場合は、その作法に合わせるのがより丁寧です。ここでは、主要な宗派ごとの本式数珠の持ち方を紹介します。
本式数珠と略式数珠の違いについて
数珠には「本式数珠」と「略式数珠」の2種類があります。本式数珠は、各宗派の正式な数珠で、主玉の数が108個あるのが基本です。「二輪数珠」「本連数珠」とも呼ばれ、宗派によって形や房が異なります。一方、略式数珠はどの宗派でも使用できる数珠で、「片手数珠」とも呼ばれます。主玉の数に決まりはなく、持ちやすいのが特徴です。
ご自身の宗派が分からない場合や、どの宗派の葬儀に参列するか分からない場合は、略式数珠を一つ持っておけば、あらゆる場面で対応できるので安心です。まずは略式数珠で基本のマナーを身につけるのが良いでしょう。
浄土真宗での数珠の持ち方と作法
浄土真宗の数珠の持ち方は、他の宗派と少し異なります。本式数珠は長い一連の数珠で、二重にして両手にかけ、房は下に垂らします。合掌する際、数珠を親指で上から押さえないのが浄土真宗の特徴です。両手を合わせた間に、数珠が自然にかかっている状態にします。
浄土真宗では、数珠は念仏の数を数えるための道具ではないとされています。そのため、珠を繰ることはしません。大谷派など、同じ浄土真宗の中でも細かな作法の違いがある場合もありますが、房を下に垂らす持ち方が基本となります。
真言宗での数珠の持ち方と作法
真言宗では、長い本式数珠を二重にして使用します。合掌する時は、両手の中指に数珠の輪をかけ、そのまま手を合わせます。このとき、両方の手の甲側に房が垂れるように持つのが特徴的な作法です。高野山真言宗などもこの持ち方が基本となります。
また、お祈りの際には、数珠を両手で擦り合わせて音を出すことがあります。これは煩悩を打ち砕くという意味合いが込められています。真言宗の葬儀に参列する際は、この独特な持ち方を覚えておくと、より丁寧に故人を弔うことができるでしょう。
浄土宗での数珠の持ち方と作法
浄土宗では、二つの輪が交差した形の独特な数珠(日課数珠)が使われます。持ち方は、数珠の輪を親指と人差し指の間にかけ、房を手前に垂らす方法と、両手の親指に輪をかけ、房を下に垂らす方法があります。合掌する際は、数珠の輪を両手の親指にかけ、他の指は揃えて手を合わせます。
念仏を唱える際には、親指で珠を一つずつ手前に引くようにして数えます。浄土宗の葬儀では、この独特の数珠の形と持ち方に注目してみると、宗派への理解が深まるかもしれません。
曹洞宗・臨済宗での数珠の持ち方
禅宗である曹洞宗や臨済宗では、多くの場合、輪が一つで百八珠ある本式数珠を用います。持ち方は、数珠を二重にして左手にかけ、房を下に垂らすのが基本です。この持ち方は、座禅を組む際や移動中、読経を聞いている時など、様々な場面で用いられます。
合掌する際は、二重にして左手にかけている数珠を、そのまま両手で包むように挟んで手を合わせます。曹洞宗の数珠の持ち方はシンプルで、禅の精神を表しているとも言えるでしょう。心を落ち着けて、丁寧に扱うことが求められます。
日蓮宗での数珠の持ち方と作法
日蓮宗の数珠は、2つの房と3つの房がついている独特の形をしています。持ち方も特徴的で、まず数珠を8の字にねじります。そして、両手の中指にその輪をかけ、房が外側に垂れるようにして合掌します。2つの房がある方を左手に、3つの房がある方を右手にかけるのが正式な作法です。
お題目を唱える際には、この数珠をカチカチと擦り合わせることもあります。日蓮宗の葬儀に参列する機会があれば、この独特な数珠の持ち方を覚えておくと、作法に則って故人を偲ぶことができます。
自分に合った数珠の選び方とは

数珠は、故人を弔う気持ちを表す大切な仏具であると同時に、一生を共にするお守りでもあります。だからこそ、自分に合ったものを選びたいですよね。数珠を選ぶ際は、性別による傾向や、素材・色に込められた意味を知ることがポイントになります。ここでは、あなたにぴったりの数珠を見つけるための選び方をご紹介します。
男性におすすめの数珠の選び方
男性が数珠を選ぶ際は、珠のサイズが10mm〜18mm程度の、やや大きめのものがおすすめです。素材は、黒檀(こくたん)や紫檀(したん)といった木の素材や、虎目石(タイガーアイ)、青虎目石(ホークスアイ)などの天然石が人気です。色は黒、茶、紺など、落ち着いた色合いがスーツにも馴染み、重厚感を与えます。
仕事運や勝負運を高めるとされる虎目石など、石の持つ意味で選ぶのも一つの方法です。社会人としての品格や落ち着きを演出できるような、自分にしっくりくる一本を見つけてみてください。
女性におすすめの数珠の選び方
女性が数珠を選ぶ場合は、珠のサイズが6mm〜8mm程度の、少し小ぶりで華奢なものが手に馴染みやすいでしょう。素材は、透明感のある水晶や、優しいピンク色のローズクォーツ、癒やしの色とされる藤雲石(とううんせき)などが人気です。上品で優しい色合いの数珠は、葬儀での服装とも調和し、悲しみの場にふさわしい落ち着いた印象を与えます。
また、珊瑚や真珠といった素材も、古くから女性のお守りとして大切にされてきました。ご自身の誕生石や、好きな色、石に込められた意味などを参考に、長く愛用できるお気に入りの数珠を選んでみてください。
数珠の色や素材に込められた意味
数珠に使われる素材には、それぞれ古くからの言い伝えや意味が込められています。ご自身の願いや目的に合わせて素材を選ぶのも、数珠選びの楽しみの一つです。代表的な素材とその意味をいくつかご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
自分に合ったパワーストーンを選ぶ感覚で、お守りとしての数珠を選ぶのも良いでしょう。
| 素材名 | 色 | 込められた意味 |
|---|---|---|
| 水晶(クォーツ) | 透明 | 浄化、開運、魔除け |
| 瑪瑙(めのう) | 赤・白・青など | 健康、長寿、家庭円満 |
| 虎目石(タイガーアイ) | 黄褐色 | 金運、仕事運、洞察力 |
| 黒檀(こくたん) | 黒 | 厄除け、魔除け、精神の安定 |
| ローズクォーツ | ピンク | 愛情、優しさ、美 |
まとめ:葬儀で迷わない数珠の持ち方

数珠の持ち方について、男女の違いからシーン別・宗派別の作法まで解説してきました。最も大切な基本は、性別に関わらず「左手」で持ち、房を下に垂らすということです。この基本さえ押さえておけば、葬儀や法事の場で大きくマナーを外すことはありません。
数珠は、故人を偲び、仏様と心を通わせるための大切な法具です。正しい持ち方を身につけることは、故人やご遺族への深い敬意と配慮の表れとなります。この記事で紹介したマナーを胸に、これからは自信を持って、心静かに故人様をお見送りください。
数珠の持ち方に関するよくある質問

数珠は基本的にどちらの手に持ちますか?
数珠は、基本的に左手で持つのがマナーです。仏教では左手が清浄な手、仏様の世界を表すとされているためです。移動する時や座っている時は、房が下に垂れるように左手で持つか、左手首にかけます。
合掌する際は両手で持ちますが、それ以外の場面では常に左手で扱うと覚えておきましょう。この基本を守るだけで、所作が美しく見え、マナーをわきまえているという印象を与えられます。
男性用の数珠を女性が使ってもいいですか?
緊急時などやむを得ない場合を除き、男性用の数珠を女性が使うこと(またはその逆)は避けた方が良いでしょう。男性用は珠が大きく、女性用は珠が小さいなど、手の大きさに合わせて作られているため、使いにくさを感じる可能性があります。
また、数珠は持ち主のお守りという側面が強い仏具です。個人の分身とも言われるため、ご自身の性別に合った専用の数珠を用意するのが理想的です。
数珠に関するタブーや注意点はありますか?
数珠にはいくつかのタブーが存在します。最も重要なのは「貸し借り」をしないことです。数珠は持ち主個人の厄を引き受けるお守りとされるため、他人のものを使う、または自分のものを貸すのは厳禁です。
その他にも、床や椅子の上に直接置くこと、ポケットにそのまま入れることなどもマナー違反です。使用しないときは専用の数珠入れに入れるなど、常に丁寧に扱うことを心がけましょう。
数珠は自分で購入してはいけないのですか?
「数珠は人から贈られるもの」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、これは迷信です。自分で購入しても全く問題ありません。むしろ、自分自身で気に入ったものを選ぶことで、より愛着が湧き、大切に扱えるでしょう。
成人や就職、結婚などの人生の節目に、お守りとして自分自身で用意するのは非常に良いことです。仏具店やオンラインストアなどで、じっくり選んでみてください。
数珠の色は年代や性別で決まりがありますか?
数珠の色や素材に、年代や性別による厳格な決まりはありません。基本的には、ご自身の好きな色や直感で選んで問題ありません。ただし、男性は黒や茶系、女性はピンクや紫など、性別によって好まれる色の傾向はあります。
葬儀の場では、あまりに派手な色やデザインは避けるのが無難です。落ち着いた色合いのものを選んでおけば、どんな場面でも安心して使用することができます。