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お墓を移すのはよくない?改葬の実情と迷信の真実を徹底解説

お墓を移すのはよくない?改葬の実情と迷信の真実を徹底解説

「お墓を移すのは縁起が悪い」と聞き、改葬をためらってはいませんか。遠方のお墓の管理が難しくなり、将来に不安を抱える方が増える一方で、祟りなどを心配して決断できない方も多いのが実情です。

この記事では、お墓を移すことが良くないとされる理由と、実際の改葬の現状を詳しく解説します。迷信と事実を正しく見極めることで、ご自身とご家族にとって最善の選択ができるようになるでしょう。

お墓を移すのはよくない?迷信の真実と現実的な理由

お墓を移すことが「よくない」とされる背景には、古くからの迷信と、現代における現実的な課題の両面があります。これらを混同せず、一つひとつ整理して考えることが、後悔しない選択への第一歩です。

祟りや不幸といった話は科学的根拠のない迷信に過ぎません。一方で、親族との意見の相違や費用の問題は、実際に起こりうる課題です。両者を正しく理解し、冷静に対処することが重要になります。

お墓を移すのがよくないといわれる迷信的な理由

日本では古くから「お墓は故人の魂が安らかに眠る場所」という考え方が根付いています。そのため、遺骨を動かすことは、故人の眠りを妨げる行為だと考えられてきました。この価値観は、ご先祖様を大切にする文化と深く結びついています。

また、「お墓を動かすと家系に不幸や災いが起こる」という迷信もいまだに根強く残っています。こうした考えが、特に年配の親族からの強い反対につながり、改葬を進める上での大きな障壁となることがあります。

祟りや不幸は科学的根拠のない迷信

お墓を移したことで祟りが起きたり、不幸に見舞われたりするという話に、科学的な根拠は一切ありません。改葬は法律で認められた正式な手続きであり、故人への敬意を払い、適切な供養を行えば何の問題もありません。

実際に改葬を経験した多くの方は、その後の生活に何も問題が起きていないと話しています。むしろ、お墓参りがしやすくなり、故人をより身近に感じられるようになったという声が多数です。迷信に惑わされず、現実的に判断することが大切です。

宗教的な観点から見たお墓の移転

仏教の観点では、「閉眼供養」と「開眼供養」という儀式を適切に行えば、お墓を移すことに問題はないとされています。閉眼供養は古いお墓から故人の魂を抜き、開眼供養で新しいお墓に魂を入れる大切な儀式です。

多くの寺院では、やむを得ない事情での改葬に理解を示してくれます。ただし、菩提寺との関係は非常に重要なため、事前に事情を丁寧に説明し、相談することが不可欠です。これを怠ると、後々のトラブルの原因になりかねません。

お墓を移す人が増えている現状とその背景

近年、お墓の改葬、いわゆる「墓じまい」を選ぶ人が急増しています。総務省の調査によると、2023年度の改葬件数は166,886件に達しました。これは過去最多だった2022年度の151,076件をさらに上回る数字です。

2003年の約38,000件と比較すると、この20年間で改葬件数は4倍以上に増加しており、社会の大きな変化を反映しています。この背景には、核家族化や高齢化といった現代社会が抱える様々な課題が存在します。

核家族化でお墓の継承が困難に

核家族化が進んだことで、子どもが実家から遠く離れて暮らすのが当たり前になりました。その結果、先祖代々受け継がれてきたお墓の管理や維持が、物理的に困難になるご家庭が急増しています。

また、少子化の影響で「お墓を継ぐ子どもがいない」または「娘しかいない」といったケースも珍しくありません。将来、お墓が無縁墓になってしまう不安から、自分の代で問題を解決しておこうと考える方が増えています。

高齢化でお墓参りが身体的な負担に

お墓を移す最も多い理由が「お墓参りの身体的な負担」です。特に、山間部や交通の便が悪い場所にお墓がある場合、高齢になるとお参りに行くこと自体が大きな負担となってしまいます。

車の運転ができなくなったり、長い階段を上るのが難しくなったりすると、お墓参りの足は遠のきがちです。結果としてお墓が荒れてしまうことへの心苦しさも、改葬を決断する大きな要因となっています。

子孫に迷惑をかけたくないという思い

「自分たちのお墓のことで、子どもや孫に迷惑をかけたくない」という思いも、改葬を後押しする大きな理由です。遠方のお墓の管理や、高額になりがちな維持費の負担を、次の世代に残したくないと考える親世代が増えています。

これは「終活」の一環として、自分の代で身の回りの問題を整理しておきたいという意識の高まりでもあります。子どもたちが住む場所の近くにお墓を移すことで、将来の負担を軽くしてあげたいという親心が見て取れます。

改葬のメリットとデメリットを徹底比較

改葬には、お墓の管理が楽になるといった大きなメリットがある一方で、費用や親族との関係性など、注意すべきデメリットも存在します。どちらの側面も正しく理解し、ご自身の状況と照らし合わせることが重要です。

メリットだけに目を向けて拙速に話を進めると、思わぬトラブルに発展しかねません。事前にデメリットを把握し、対策を講じておくことで、円満な改葬を実現できる可能性が高まります。

お墓を移すメリット

改葬の主なメリットは、お墓参りがしやすくなる「利便性の向上」、お墓の継承者がいなくなる不安を解消する「後継者問題の解決」、そして管理費などを抑えられる「経済的負担の軽減」の3つです。

お墓参りが身近になる

お墓を自宅の近くに移すことで、お墓参りへの物理的・心理的なハードルが大きく下がります。これまで年に1、2回がやっとだったお参りも、思い立った時にいつでも行けるようになります。

故人の命日や誕生日、季節の節目などに気軽に足を運べるようになれば、故人をより身近に感じ、供養の気持ちを大切にできます。ある調査では、墓じまいをした人の5割強が「心の負担が軽くなった」と回答しています。

無縁墓になるリスクを回避

管理が難しい遠方のお墓は、将来的に誰も管理する人がいなくなり「無縁墓」として撤去されてしまうリスクを抱えています。改葬は、このリスクを回避するための有効な手段です。

特に、継承者がいなくても永続的に供養してもらえる「永代供養墓」や「納骨堂」へ改葬すれば、将来にわたる安心を得られます。自分の代で責任を持つことで、ご先祖様を無縁にしないという重要な役割を果たせます。

維持管理の負担軽減

改葬は、お墓の維持管理にかかる負担を大幅に減らすことにも繋がります。特に樹木葬や永代供養墓といった新しい供養形態を選ぶことで、従来の墓石のお墓に比べて管理の手間や費用を抑えられる傾向があります。

定期的にお墓を掃除したり、植栽を手入れしたりする必要がなくなるため、身体的な負担だけでなく経済的な負担も軽減できます。これにより、将来にわたって安心してお墓を維持できるようになります。

お墓を移すデメリット

改葬には、注意深く対処しなければならないデメリットも存在します。特に「親族」「菩提寺」「費用」に関する問題は、事前にしっかりと把握し、対策を立てておくことが円満な改葬の鍵となります。

これらの問題を軽視すると、手続きが滞ったり、人間関係に亀裂が生じたりする可能性があります。一つひとつ丁寧に対応していく姿勢が求められます。

親族の反対でトラブル発生

改葬を進める上で最も大きな障害となりうるのが、親族からの反対です。ある調査では、墓じまいをやめた理由として「親族から理解を得られなかった」が上位に挙げられており、深刻なトラブルに発展する可能性があります。

特に先祖代々のお墓を守ってきたという自負が強い親族がいる場合、感情的な反発を招きやすくなります。一度こじれてしまった関係の修復は難しいため、時間をかけた丁寧な話し合いと合意形成が不可欠です。

菩提寺との関係悪化

菩提寺(檀家となっているお寺)がある場合、改葬によってその関係が終了することになります。長年にわたり築いてきたお寺との関係がなくなることで、寂しさや精神的な支えを失うと感じる方もいるかもしれません。

また、これまでのお礼として「離檀料」を求められるケースもあり、これが高額になると経済的な負担が増します。トラブルを避けるためにも、改葬を決める前に必ず菩提寺に相談し、円満な解決を目指すことが大切です。

高額な費用負担

改葬には、墓石の解体や新しいお墓の準備などで、まとまった費用がかかる点が大きなデメリットです。具体的な金額は状況によって大きく異なりますが、多くのご家庭にとって決して小さな負担ではありません。

実際に、ある調査では墓じまいを断念した理由の第1位が「解体費用が高すぎた」という結果でした。費用面での課題が改葬の大きな障壁となるため、事前の詳細な見積もりと綿密な資金計画が不可欠です。

親族からお墓を移すのはよくないと反対された時の対処法

親族から改葬に反対された場合、感情的にならず、冷静に対話を重ねることが何よりも重要です。相手の気持ちを尊重しつつ、こちらの考えを丁寧に伝えることで、理解を得られる可能性が高まります。

一方的にこちらの主張を押し付けるのではなく、なぜ反対するのか、その理由に耳を傾ける姿勢が大切です。時間をかけてでも、お互いが納得できる着地点を探していく努力が求められます。

迷信と実情を説明して理解を求める

まずは、「祟りがある」といった迷信と、お墓の管理が難しいという現実的な問題を切り分けて説明しましょう。祟りや不幸には科学的な根拠がなく、適切な供養を行えば問題ないことを、落ち着いて伝えます。

その上で、改葬件数が年々増加している社会的な背景や、改葬後のメリットなどを具体的なデータを示しながら話すと説得力が増します。感情論ではなく、事実に基づいた冷静な話し合いを心がけることが大切です。

改葬の必要性を具体的に伝える

なぜ今、改葬が必要なのか、その理由を具体的に伝えることが重要です。例えば、「お墓参りに行くのに往復何時間かかり、交通費もこれだけかかる」といった具体的な数字を挙げて説明します。

さらに、「このままではいずれ誰も管理できなくなり、無縁墓になってしまう」といった将来起こりうるリスクを明確に示すことで、相手も現実的な問題として捉えやすくなり、理解を得やすくなります。

法事などで話し合いの機会を設ける

法事など、親族が一堂に会する機会を利用して、改葬について話し合うのも有効な方法です。関係者が揃った場で議題として提起することで、個別に話すよりも建設的な議論ができる場合があります。

その際は、事前に改葬に関する資料を用意し、手続きの流れや費用の見積もりなどを具体的に示すと良いでしょう。現実的な情報に基づいて話し合うことで、感情的な対立を避けやすくなります。改葬のお礼についての情報も参考に、準備を進めましょう。

お墓を移す手続きと流れを5ステップで解説

改葬の手続きは、複数の行政機関や墓地管理者が関わるため、複雑で時間がかかります。事前に全体の流れを把握し、計画的に進めることが、スムーズな改葬を実現するための鍵となります。

必要な書類や連絡事項が多く、一つでも漏れると手続きが滞ってしまう可能性があります。各段階で何をするべきか、しっかりと確認しながら進めましょう。

1. 家族・親族への事前相談

手続きを始める前に、必ず家族や親族に相談し、同意を得ることが最も重要です。お墓は個人ではなく「家」のものという意識が強いため、独断で進めると後々大きなトラブルになりかねません。

相談の際には、なぜ改葬したいのかという理由を明確に伝え、費用や新しいお墓の候補地なども共有しましょう。反対意見が出た場合は、時間をかけて話し合い、全員が納得できる形を目指すことが大切です。

2. 移転先の墓地選びと「受入証明書」の取得

親族の同意が得られたら、遺骨の新しい移転先を探します。ある調査では、改葬で最も大変だったことの第1位が「遺骨の引越し先選び」であり、多くの方が悩むポイントです。

霊園の雰囲気、アクセスの良さ、費用などを総合的に検討し、必ず現地を見学してから決めることをお勧めします。移転先が決まったら、その墓地の管理者から「受入証明書」を発行してもらいます。

3. 行政手続きと「改葬許可証」の取得

次に、現在お墓がある市区町村の役所で「改葬許可証」を取得します。この手続きが、改葬で2番目に大変だったこととして挙げられるほど複雑で、多くの方が戸惑う段階です。

申請には、先ほど取得した「受入証明書」と、現在のお墓の管理者から発行してもらう「埋葬証明書」が必要です。埋葬されているご遺骨1体につき1枚の申請が必要なので注意しましょう。

4. 墓石解体と遺骨の取り出し

「改葬許可証」が交付されたら、いよいよ現在のお墓から遺骨を取り出します。まず、僧侶にお願いして「閉眼供養」の法要を行い、墓石から故人の魂を抜く儀式を執り行います。

その後、石材店に墓石の解体と撤去を依頼し、更地に戻します。信頼できる業者を慎重に選ぶことが重要で、費用は1㎡あたり10万円~15万円程度が相場です。改葬散骨業者の選び方も参考にすると良いでしょう。

5. 新しいお墓への納骨

取り出した遺骨を新しいお墓に移し、納骨します。この際にも、僧侶に「開眼供養」の法要を執り行ってもらい、新しいお墓に故人の魂を入れる儀式を行います。

納骨式には、お布施や供物などの準備も必要です。移転先の宗派や慣習に合わせた法要を行うことで、一連の改葬手続きが完了し、故人を新しい場所で安らかに供養することができます。

お墓を移すのに最適な時期とタイミング

改葬を行う上で、「この時期は避けるべき」といった特別な決まりはありません。しかし、手続きのしやすさや工事の都合などを考慮すると、よりスムーズに進められる最適なタイミングがあります。

ご自身の都合だけでなく、親族が集まりやすい時期や、天候が安定している季節を選ぶことで、関係者全員の負担を減らすことができます。計画的にタイミングを見極めることも、円満な改葬のポイントです。

お墓を移すのに悪い時期はない

宗教的にも迷信の観点からも、お墓を移してはいけない特定の「悪い時期」というものは存在しません。改葬は、ご先祖様を大切に思うからこその選択であり、故人を思う気持ちがあれば、いつ行っても問題ありません。

「友引の日を避けるべき」といった考え方もありますが、これは葬儀の慣習であり、改葬には当てはまりません。大切なのは時期や日柄よりも、心を込めて供養することと、手続きを正しく踏むことです。

工事に適した気候の時期を選ぶ

実用的な観点から考えると、墓石の解体・設置工事がしやすい時期を選ぶのがお勧めです。具体的には、気候が安定している春や秋が最も適しています。雨が少なく、暑さや寒さも厳しくないため、作業がスムーズに進みます。

逆に、梅雨の時期や台風シーズン、雪が積もる冬期は避けた方が無難です。天候不順で工期が延びたり、追加費用が発生したりするリスクがあります。石材店のスケジュールも確認し、余裕を持った計画を立てましょう。

法事などの機会を活用する

年忌法要など、親族が集まる法事のタイミングに合わせて改葬を行うのも良い方法です。法要と納骨式を同時に行うことで、親族が改めて集まる手間を省くことができます。

また、お盆やお彼岸などは親族が集まりやすい時期なので、改葬の相談をしたり、無事に完了したことを報告したりするのに適しています。こうした節目を活用することで、親族の理解や協力を得やすくなります。私たちの墓じまい体験も参考に、最適なタイミングを検討しましょう。

改葬にかかる費用の詳細内訳

改葬には様々な費用がかかるため、事前に全体像を把握し、詳細な見積もりを取ることが非常に重要です。何にいくらかかるのかを明確にしないまま進めてしまうと、後から想定外の出費に驚くことになりかねません。

主な費用は「既存のお墓の撤去費用」「新しいお墓の費用」「法要に関する費用」の3つに大別されます。それぞれの相場を理解し、綿密な資金計画を立てましょう。

墓石解体と撤去費用

現在のお墓を解体し、更地に戻すための費用です。墓地の広さや墓石の大きさ、重機の搬入のしやすさなどによって金額は変動します。一般的な相場は1㎡あたり10万円~15万円程度です。

ある調査では、実際に改葬を行った人が支払った費用で最も多かったのが「31万円~70万円」の価格帯でした。複数の石材店から見積もりを取り、費用と作業内容を比較検討することをお勧めします。

新しいお墓の建設・契約費用

新しいお墓にかかる費用は、どのような供養形態を選ぶかによって大きく異なります。従来の墓石を新たに建てる場合は100万円以上かかることも珍しくなく、最も高額になる可能性があります。

一方で、樹木葬や納骨堂、永代供養墓といった選択肢は、比較的費用を抑えられる傾向があります。将来の維持管理費なども考慮し、予算と希望に合った最適な納骨先を選びましょう。

離檀料とお布施

菩提寺の檀家をやめる際に、これまでのお礼としてお渡しするのが「離檀料」です。法的な支払い義務はありませんが、慣習として求められることがあります。金額に決まりはなく、10万円~30万円程度が一般的ですが、お寺との関係性によって異なります。

また、墓石の魂を抜く「閉眼供養」と、新しいお墓に魂を入れる「開眼供養」の際に、僧侶にお渡しするお布施も必要です。これらの費用は事前にお寺に相談し、確認しておくと安心です。

行政手続きと書類作成費用

「改葬許可証」の取得など、役所での手続きには手数料がかかります。これは自治体によって異なりますが、1通あたり数百円から千数百円程度と、比較的少額です。

ただし、手続きが複雑で平日に役所へ行く時間がない場合など、行政書士のような専門家に代行を依頼することもできます。その場合は、報酬として数万円から十数万円程度の費用が別途必要になります。

お墓を移す以外の新しい供養方法

改葬というと、従来の墓石を別の場所に移すことだけを考えがちですが、現代ではより多様な供養の方法が選ばれています。ご自身のライフスタイルや価値観に合った選択肢を検討する価値は大いにあります。

お墓の継承者がいない、子どもに負担をかけたくないといった悩みを根本的に解決できる方法もあります。それぞれの特徴を理解し、ご家族にとって最適な形を見つけましょう。

永代供養墓への改葬

永代供養墓は、お墓を継ぐ人がいなくても、寺院や霊園が責任を持って永続的に供養・管理してくれるお墓です。後継者問題を抱える方にとって、最も安心できる選択肢の一つと言えるでしょう。

他の人と一緒に祀られる合祀型や、一定期間は個別に安置されるタイプなど様々です。費用を抑えやすく、その後の管理費もかからない場合が多いため、経済的な負担を大幅に軽減できます。

納骨堂の利用

納骨堂は、主に屋内に設けられた、遺骨を納めるための施設です。天候に左右されず快適にお参りできる点や、駅の近くなど交通の便が良い場所にあることが多いのが大きな魅力です。

ロッカー型や仏壇型、カードキーで遺骨が自動的に運ばれてくる自動搬送型など、様々なタイプがあります。セキュリティがしっかりしており、清掃も行き届いているため、いつでも気持ちよくお参りできます。

散骨や手元供養

「お墓」という形にこだわらない、より自由な供養方法として、散骨や手元供養を選ぶ方も増えています。散骨は、遺骨を粉末状にして海や山などに撒く方法で、「自然に還りたい」という故人の遺志を尊重できます。

手元供養は、遺骨の一部を小さな骨壺やアクセサリーなどに入れて自宅で保管する方法です。故人をいつも身近に感じていたいという方に選ばれています。ただし、散骨にはルールがあるため、専門業者への相談が不可欠です。

まとめ:お墓を移すことで得られる将来への安心

「お墓を移すのはよくない」という考えは、主に科学的根拠のない迷信に基づいています。適切な手続きを踏み、心を込めて供養を行えば、決して悪いことではありません。むしろ、現代社会においては多くのメリットをもたらします。

お墓参りの負担が減り、継承者問題の不安が解消されることで得られる精神的な安らぎは計り知れません。親族と十分に話し合い、計画的に進めることで、ご自身とご家族にとって最善の選択をしてください。

お墓の改葬に関するよくある質問

お墓を移すとよくない理由は何?

「故人の眠りを妨げる」といった迷信が主な理由ですが、科学的根拠はありません。適切な供養を行えば問題ありません。現実的な問題としては、親族間の意見の対立や、墓石の撤去などに高額な費用がかかる点が挙げられます。これらは事前の十分な話し合いと資金計画で対処することが可能です。

墓を移す費用はいくらかかる?

改葬にかかる費用は、墓石の解体・撤去費用、新しい納骨先の費用、法要のお布施などを合わせて、数十万円から数百万円と幅広いです。特に新しいお墓の種類(一般墓、樹木葬、納骨堂など)によって金額が大きく変わります。複数の業者から見積もりを取り、総額を把握することが重要です。

お墓を移動するのに必要な書類は?

お墓の移動には「改葬許可証」という書類が不可欠です。これを行政から発行してもらうために、①現在のお墓の管理者からの「埋葬証明書」、②新しい納骨先の管理者からの「受入証明書」の2つを用意し、申請書とともに現在お墓がある市区町村の役所に提出する必要があります。

お墓を何年放置すると無縁墓になる?

無縁墓になるまでの期間は、墓地の管理規定によって異なりますが、一般的には管理費を数年間滞納し、管理者からの連絡にも応答がない場合に、所定の手続きを経て無縁墓とみなされる可能性があります。具体的な年数については、お墓がある霊園や寺院の規約を確認することが重要です。

お墓を移す時期はいつがよい?

宗教的に「悪い時期」というのはありませんので、ご家族の都合の良い時に行って問題ありません。ただし、実用的な観点からは、墓石の工事がしやすい春や秋など、気候が安定した時期を選ぶのがお勧めです。また、親族が集まりやすい法事のタイミングに合わせるのも良いでしょう。

  • この記事を書いた人

MIRAI運営者

これまで5年以上ライフエンディング業界で活動してきた実務経験を基に、ライフエンディングに関わる複雑な制度や手続き、お金の話を分かりやすく解説。専門的な情報をかみ砕き、あなたが安心して未来を準備できるよう、的確な知識でサポートします。 ■保有資格:終活ガイド資格1級

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