PR 終活・エンディングノート

公正証書遺言の作成費用はいくら?相場と内訳をわかりやすく解説

公正証書遺言の作成費用はいくら?相場と内訳をわかりやすく解説

「家族のために公正証書遺言を準備したいけれど、費用がどれくらいかかるか分からず不安…」と感じていませんか。大切な財産だからこそ、費用面で後悔はしたくないですよね。専門用語も多く、料金体系が複雑に思えるのも無理はありません。

この記事では、公正証書遺言の作成にかかる費用の内訳から、公証人手数料の具体的な計算方法、専門家別の費用相場までを分かりやすく解説します。費用を抑えるコツも紹介しており、最後まで読めば、ご自身の状況に合った予算感がつかめ、安心して遺言書作成の第一歩を踏み出せるようになります。

公正証書遺言の作成にかかる費用の内訳

公正証書遺言の作成費用は、大きく分けて3つの要素で構成されています。まず、必ず必要となるのが公証役場に支払う「基本手数料」です。次に、手続きを専門家に依頼した場合の「相談料や報酬」、そして戸籍謄本などの「その他実費」がかかります。

これらの費用は、財産の総額や依頼する専門家の種類によって変動します。あらかじめ全体の内訳を把握しておくことが、予算を立てる上で非常に重要になります。ご自身の状況に合わせて、どの費用がどれくらい必要になるのかを確認していきましょう。

必ず支払う公証役場への基本手数料

公正証書遺言を作成する上で、避けて通れないのが公証役場へ支払う基本手数料です。これは、公証人が遺言書を作成し、その内容を証明するために必要な公的な費用であり、法律で定められています。

手数料の金額は、遺言によって相続させる財産の価額に応じて段階的に設定されています。そのため、財産が多いほど手数料も高くなる仕組みです。この基本手数料が、公正証書遺言の費用を計算する上での土台となります。

専門家に依頼した場合の相談料や報酬

遺言書の原案作成や、複雑な相続関係の整理などを専門家に依頼する場合、別途報酬が発生します。依頼先としては、行政書士、司法書士、弁護士などが挙げられ、それぞれ費用相場や得意分野が異なります。

専門家のサポートを受けることで、法的に有効で、後々もめることのない内容の遺言書を作成できるという大きな利点があります。どこまでの作業を依頼するかによって費用は変わるため、事前にサービス内容と見積もりを確認することが大切です。

書類取得や証人の日当といったその他実費

基本手数料や専門家報酬の他に、見落としがちなのが実費です。具体的には、本人確認のための印鑑登録証明書や、相続人を確定させるための戸籍謄本といった、必要書類の取得費用がかかります。

また、公正証書遺言の作成には証人2名の立ち会いが必要で、知人などに頼めない場合は専門家に依頼することになります。その際は、証人1名あたり1万円~2万円程度の日当が発生することも念頭に置いておきましょう。

公証人手数料の計算方法と料金シミュレーション

公正証書遺言の費用の中核をなす、公証人手数料の具体的な計算方法について見ていきましょう。手数料は、遺す財産の価額に応じた基本料金に、いくつかの加算料金が足されることで決まります。この仕組みを理解すれば、ご自身のケースでのおおよその費用が予測できます。

ここでは、基本手数料の早見表や遺言加算といった追加手数料について詳しく解説します。財産5,000万円の場合のシミュレーションも行いますので、ぜひ参考にしてみてください。事前に費用を把握することで、安心して準備を進めることができます。

財産の価額に応じた基本手数料の早見表

公証人手数料の基本料金は、相続または遺贈を受ける人ごとに、その人が受け取る財産の価額を基準に計算されます。以下の表は、財産額ごとの手数料をまとめたものです。ご自身の財産状況と照らし合わせてご確認ください。

例えば、妻に3,000万円、長男に2,000万円を相続させる場合、それぞれの手数料を計算し、合算したものが基本手数料となります。まずは誰にいくら遺したいのかを明確にすることが、費用計算の第一歩です。

目的の価額 手数料
100万円以下 5,000円
200万円以下 7,000円
500万円以下 13,000円
1,000万円以下 20,000円
3,000万円以下 26,000円
5,000万円以下 33,000円
1億円以下 49,000円

遺言加算やその他の手数料も確認しよう

基本手数料に加えて、いくつかの追加手数料がかかる場合があります。まず、遺言書全体の財産額が1億円以下の場合は、「遺言加算」として一律13,000円が加算されます。多くの方がこの対象となるため、忘れないようにしましょう。

また、作成した遺言書の写しである正本・謄本の発行にも手数料が必要です。2025年10月以降、紙で発行する場合は1枚300円かかります。遺言書が数ページにわたる場合、この費用も数千円になる可能性があります。

公証人に出張を依頼した場合の追加費用

ご病気や高齢で公証役場へ出向くのが難しい場合、公証人に自宅や病院などへ出張してもらうことが可能です。この出張作成を依頼すると、通常の手数料に加えて追加の費用が発生しますので注意が必要です。

具体的には、基本手数料が50%加算されるほか、公証人の日当と交通費(実費)が別途必要となります。日当は1日拘束で2万円、4時間までなら1万円が目安です。利便性が高い分、費用は割高になることを覚えておきましょう。

依頼する専門家別の費用相場を徹底比較

公正証書遺言の作成は自分でも進められますが、法的な不備を防ぎ、円満な相続を実現するためには専門家のサポートが心強いです。ここでは、遺言作成を依頼できる行政書士、司法書士、弁護士について、それぞれの費用相場と業務内容の特徴を比較解説します。

どの専門家がご自身の状況に最も適しているかは、財産の内容や相続関係の複雑さによって異なります。各専門家の強みを理解し、最適な依頼先を選ぶことが、納得のいく遺言書作成と費用対効果の向上につながります。

行政書士に依頼する場合の費用と特徴

行政書士は「街の法律家」とも呼ばれ、比較的気軽に相談しやすい専門家です。主な業務は、遺言者からのヒアリングに基づいた遺言書の原案作成や、公証役場との打ち合わせ調整、必要書類の収集代行などです。

費用相場は、他の専門家と比較して手頃な傾向にあり、5万円~15万円程度が目安となります。相続関係が複雑でなく、主に書類作成のサポートを依頼したい場合に適しています。

司法書士に依頼する場合の費用と特徴

司法書士は、登記の専門家です。遺言書の原案作成などに加え、遺言者の死後、不動産の名義変更(相続登記)まで一貫して依頼できるのが大きな特徴です。費用相場は10万円~20万円程度が一般的です。

特に、相続財産に土地や建物などの不動産が含まれている場合には、司法書士への依頼が非常にスムーズでおすすめです。将来の手続きまで見据えて依頼先を選びたい方に適しています。

弁護士に依頼する場合の費用と特徴

弁護士は、法律の専門家として幅広い紛争解決に対応できます。費用相場は20万円~と高額になる傾向がありますが、その分、高度な法的サービスが期待できます。特に相続人間の関係が複雑で、将来もめる可能性が高い場合に頼りになります。

財産が高額で内容が複雑なケースや、事業承継が絡む場合など、法的なリスクを徹底的に排除したいと考える方に最適な選択肢と言えるでしょう。遺言執行者への就任も安心して任せられます。

公正証書遺言の作成費用を抑える三つのコツ

法的効力が高く安心な公正証書遺言ですが、費用が気になるという方も多いでしょう。しかし、いくつかのポイントを押さえることで、クオリティを維持しながら費用を賢く節約することが可能です。ここでは、誰でも実践できる3つのコツをご紹介します。

専門家への依頼内容を工夫したり、自分でできることを増やしたりすることで、総額を大きく変えることができます。少しの手間をかけることで、数万円単位の節約につながる可能性もありますので、ぜひ参考にしてください。

遺言書の原案を自分で準備してみる

費用を抑える最も効果的な方法の一つが、遺言書の原案を自分で作成することです。誰にどの財産を遺したいのか、付言事項としてどんなメッセージを伝えたいのかなどを具体的に書き出してみましょう。

この原案をもとに専門家に相談すれば、法的なチェックや清書といった部分的なサポートだけで済むため、専門家報酬を大幅に削減できる可能性があります。ただし、内容に法的な不備がないか、最終的な確認は専門家に依頼することをおすすめします。

証人を自分で手配する際の注意点とは

公正証書遺言の作成には、信頼できる証人2名の立ち会いが必要です。この証人を専門家に依頼すると日当が発生しますが、友人や知人など、信頼できる人にお願いすればその費用を節約できます。

ただし、注意点として、相続人本人やその配偶者・直系血族などは法律上、証人になることができません。証人には欠格事由があるため、人選は慎重に行う必要があります。事前に誰が証人になれるのかを確認しておきましょう。

複数の専門家から見積もりを取得する

専門家への報酬は、事務所ごとに料金体系が異なります。そのため、遺言書作成のサポートを依頼する際には、必ず複数の事務所から見積もりを取り、比較検討することが重要です。

費用だけで判断するのではなく、サービス内容や担当者の人柄、説明の分かりやすさなども含めて総合的に判断しましょう。手間はかかりますが、相見積もりを取ることで、ご自身の希望に合った適正価格の専門家を見つけやすくなります。

まとめ:公正証書遺言の費用を把握し円満相続へ

この記事では、公正証書遺言の作成にかかる費用の内訳や計算方法、専門家別の相場について詳しく解説しました。費用は主に、公証人手数料、専門家への報酬、その他実費で構成され、財産額や依頼内容によって変動します。

事前に費用の仕組みを理解し、原案作成や証人手配を自分で行うなどの工夫をすることで、費用を抑えることも可能です。大切なのは、費用と安心のバランスを考え、ご自身が納得できる形で準備を進めることです。この記事が、あなたの円満な相続に向けた一助となれば幸いです。

公正証書遺言の費用に関するよくある質問

専門家への依頼費用はいくらですか?

専門家への依頼費用は、依頼先や業務内容によって大きく異なります。一般的な相場としては、行政書士で5万円~15万円、司法書士で10万円~20万円、弁護士で20万円以上が目安とされています。

これはあくまで基本的な遺言書作成の費用であり、財産の調査や複雑な内容が含まれる場合は追加料金が発生します。依頼を検討する際は、必ず事前に複数の事務所から見積もりを取り、サービス内容と費用を比較することが重要です。

財産5000万円の場合の費用はいくらですか?

財産総額が5,000万円の場合、まず公証役場に支払う手数料がかかります。計算すると、基本手数料33,000円に遺言加算13,000円が加わり、合計で46,000円となります。これに正本・謄本代などが数千円かかります。

さらに、証人2名を専門家に依頼すると約40,000円が追加で必要です。したがって、専門家に手続きの代行を依頼せず、証人だけを頼んだ場合の総費用は、約9万円~10万円がひとつの目安となるでしょう。

公正証書遺言は全部自分で作成できますか?

公正証書遺言は、公証人が作成する公文書であるため、遺言者本人が「すべて自分一人で」作成を完結させることはできません。必ず公証役場で公証人に関与してもらい、証人2名の立ち会いのもとで作成する必要があります。

ただし、遺言書の原案作成や必要書類の収集、公証人との打ち合わせなどを専門家の手を借りずに自分で行うことは可能です。これにより、専門家への報酬を節約することができます。

公正証書遺言の作成には何日かかりますか?

公正証書遺言の作成にかかる期間は、準備状況によって大きく変わりますが、一般的には相談から完成まで1ヶ月~2ヶ月程度を見ておくとよいでしょう。財産の内容や相続関係が複雑な場合は、さらに時間がかかることもあります。

期間の内訳は、必要書類(戸籍謄本や財産資料など)の収集、遺言内容の検討、公証人との打ち合わせ、作成日の予約などです。スムーズに進めるためにも、早めに準備を始めることをおすすめします。

作成費用は誰が負担するものですか?

公正証書遺言の作成にかかるすべての費用は、原則として遺言を作成するご本人(遺言者)が負担します。公証役場へ支払う手数料も、専門家へ依頼した場合の報酬も、遺言者自身の財産から支払うのが一般的です。

これらの費用は、相続が開始した後に相続人が支払うものではありません。将来、家族に負担をかけることなく、ご自身の意思を確実に実現するための準備費用と捉えるとよいでしょう。

  • この記事を書いた人

MIRAI運営者

これまで5年以上ライフエンディング業界で活動してきた実務経験を基に、ライフエンディングに関わる複雑な制度や手続き、お金の話を分かりやすく解説。専門的な情報をかみ砕き、あなたが安心して未来を準備できるよう、的確な知識でサポートします。 ■保有資格:終活ガイド資格1級

-終活・エンディングノート