
はじめに:高齢者のスマホ契約、本当に「できない」?
「高齢の親にスマホを持たせたいけど、年齢を理由に契約できないのでは…」「手続きが複雑そうで、何から手をつければいいか分からない」そんな悩みを抱えていませんか?特に80歳を超える親御さんだと、契約のハードルはさらに高く感じられるかもしれません。
しかし、諦めるのはまだ早いです。確かに、高齢者のスマホ契約にはいくつかの注意点がありますが、正しい手順を踏み、家族が適切にサポートすることで、契約は十分に可能です。この記事では、なぜ契約が難しいと言われるのか、その理由から具体的な解決策、さらにはキャリア別の代理契約ガイドまで、網羅的に解説していきます。
この記事を読めば、家族のサポートによるスマホ契約の道筋がわかります
この記事を最後までお読みいただくことで、高齢の親御さんのために、あなたができることが明確になります。契約できないと諦めていた方も、この記事を読めば、安心してスマホ契約を進めるための具体的な方法がわかります。家族のサポートで、親御さんの安心・便利なスマホデビューを実現させましょう。
なぜ?「高齢者はスマホを契約できない」と言われる3つの理由
まず、なぜ「高齢者はスマホ契約が難しい」というイメージがあるのでしょうか。携帯電話会社側が懸念しているポイントを知ることで、対策が立てやすくなります。主な理由は以下の3つです。
理由1:本人の意思・理解力の確認が必須なため
携帯電話の契約は、料金プランやオプション、解約条件など複雑な内容を含みます。そのため、携帯電話会社は契約者本人がその内容を正しく理解し、自らの意思で契約することを大前提としています。店舗のスタッフは、後々の「言った・言わない」のトラブルを防ぐため、ご高齢の方に対して特に慎重に意思確認を行います。この確認が難しいと判断された場合、契約手続きを進められないケースがあります。
理由2:支払い能力に関する懸念
スマートフォン本体を分割払いで購入する場合、これは「割賦契約」というローン契約の一種になります。そのため、契約者には毎月の料金を継続的に支払う能力が求められます。携帯電話会社は、収入状況などを基に支払い能力の審査を行いますが、年金収入のみの場合など、審査基準を満たさないと判断される可能性もゼロではありません。一括払いで購入すればこの審査は不要になりますが、高額な負担が発生します。
理由3:過去の料金滞納による影響(ブラックリスト)
過去に携帯電話料金の未払いや長期滞納があると、その情報が携帯電話会社間で共有される「不払い者情報」に登録されている可能性があります。これは、いわゆる「携帯ブラックリスト」と呼ばれる状態です。このリストに載っていると、未払い料金を完済するまで、新しい契約を結ぶことは非常に困難になります。本人も忘れているような過去の滞納が原因となっているケースも考えられます。
【解決策】高齢者のスマホ契約を可能にする4つのアプローチ
では、どうすればこれらのハードルを越えて契約できるのでしょうか。状況に応じた4つの具体的な解決策をご紹介します。
方法1:家族が契約に同伴してサポートする
最もシンプルで確実な方法は、家族が契約に同伴することです。親御さん本人が契約者となりますが、隣で家族がスタッフの説明を一緒に聞き、分かりにくい部分を補足説明してあげることで、本人の理解を助けます。本人の意思確認がスムーズに進むため、契約手続きが円滑になります。親御さんの体力的な負担はありますが、本人の納得感を最も得やすい方法です。
方法2:家族が「代理人」として手続きを行う【おすすめ】
親御さんの外出が難しい場合や、手続きの全てを任せたい場合に最適なのが、家族が代理人として契約する方法です。事前に契約者本人(親御さん)が記入した「委任状」と必要書類を準備すれば、家族だけで店舗に行き、契約手続きを完了させることができます。この記事では、後ほど主要キャリアごとの代理契約方法を詳しく解説します。
方法3:家族名義で契約し、親を「利用者」として登録する
子供であるあなた自身が「契約者」となり、実際にスマホを使う親御さんを「利用者」として登録する方法もあります。この場合、審査や支払いは全て契約者であるあなたが行うため、手続きは非常にスムーズです。ただし、契約名義と利用者が異なるため、将来的に親御さん本人の名義に変更したい場合などに、別途手続きが必要になるという注意点があります。
方法4:審査が柔軟な格安SIMを検討する
大手キャリアでの契約が難しい場合、格安SIM(MVNO)を検討するのも一つの手です。格安SIMはオンラインでの手続きが中心で、料金プランもシンプルなものが多く、端末を一括払いで購入すれば審査のハードルが下がる場合があります。ただし、店舗でのサポートが少ない場合もあるため、初期設定などを家族がサポートしてあげる必要があります。
主要キャリア別|家族が代理契約する際の手順と必要書類
ここでは、最もおすすめな「代理契約」について、大手キャリア3社(ドコモ・au・ソフトバンク)それぞれの具体的な手順と必要書類を解説します。委任状は各社の公式サイトからダウンロードできますので、事前に準備しておきましょう。
ドコモで代理契約する場合
手続きに必要なものリスト
ドコモショップで代理人が新規契約を行う場合、主に以下のものが必要です。
- 契約者(親御さん)の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 代理人(来店する家族)の本人確認書類
- 委任状(契約者本人の記入・捺印が必要)
- 毎月の支払いに設定するキャッシュカードまたはクレジットカード(契約者本人名義)
※本人確認書類は必ず原本を持参してください。
委任状の書き方と注意点
委任状には、契約者本人が「代理人に何を委任するのか」を明確に記入する必要があります。「新規契約手続き一切」などと具体的に書きましょう。ドコモ公式サイトから指定の様式をダウンロードして使用するのが最も確実です。記入漏れや不備があると手続きができないため、事前に店舗へ電話して確認しておくと安心です。
auで代理契約する場合
手続きに必要なものリスト
auショップ(au Style/auスクエア)で代理契約する場合も、必要なものはドコモとほぼ同じです。
- ご契約者(親御さん)の本人確認書類(原本)
- 代理人(来店する家族)の本人確認書類(原本)
- 委任状(ご契約者さま記入)
- 毎月の支払いに設定するキャッシュカードまたはクレジットカード
※auの公式サイトで最新の必要書類を必ずご確認ください。
代理人手続きのポイント
auの場合も、委任状の記載内容が非常に重要です。委任項目にチェックを入れる形式になっていることが多いので、「新規ご契約」や関連する項目に漏れなくチェックを入れましょう。また、契約する料金プランやオプションをある程度決めてから行くと、手続きがスムーズに進みます。
ソフトバンクで代理契約する場合
手続きに必要なものリスト
ソフトバンクショップでの代理契約では、以下の準備が必要です。
- 契約者(親御さん)の本人確認書類(原本)
- 代理人(来店する家族)の本人確認書類(原本)
- 委任状(または同意書)(契約者本人の記入が必要)
- 支払いに必要なもの(クレジットカード、キャッシュカードなど)
※書類の名称が「委任状」または「同意書」の場合があります。公式サイトで確認し、正しい書類を準備してください。
同意書・委任状の準備
ソフトバンクでは、手続き内容によって必要な書類の名称や書式が異なる場合があります。公式サイトの案内を確認し、「新規契約」に必要な委任状をダウンロードして作成しましょう。契約者本人の直筆での記入が絶対条件となるため、事前に準備を万全にして店舗へ向かうことが大切です。
80歳以上の親御さんへ|安心して使えるおすすめスマホ・料金プラン
無事に契約の目処が立ったら、次は機種や料金プランを選びましょう。高齢の親御さんが安心して使えることを第一に考えたおすすめをご紹介します。
【機種選び】操作が簡単!シニア向けおすすめスマートフォン3選
シニア向けに開発されたスマートフォンは、文字やボタンが大きく、操作がシンプルで直感的に使えるのが特徴です。
- らくらくスマートフォン(ドコモ):見やすい画面と押しやすいボタン、使い方を無料で相談できる「らくらくホンセンター」など、サポート体制が充実。
- かんたんスマホ(au/UQモバイル):大きなアイコン表示や、困った時に押すと問題が自動診断される「押すだけサポート」機能が安心。
- シンプルスマホ(ソフトバンク):よく使う連絡先をワンタッチで呼び出せる専用ボタンなど、電話としての使いやすさに配慮されています。
【プラン選び】使い方で選ぶ!大手キャリアの高齢者向け料金プラン
スマートフォンの料金プランは、親御さんの使い方に合わせて選ぶのが無駄をなくすコツです。
通話がメインの方向けプラン
ご家族や友人との電話が主な目的であれば、かけ放題オプションが付いたプランがおすすめです。各社とも、時間や回数の制限なく国内通話がかけ放題になるオプションを提供しています。60歳以上を対象に通話オプションが割引になるキャンペーンを実施している場合もあるので、契約時に確認しましょう。
LINEやネットも楽しみたい方向けプラン
LINEでのメッセージ交換やお孫さんの写真・動画を見たり、ネットで調べ物をしたりする場合は、データ通信容量が必要です。とはいえ、大量に使うことは少ないでしょうから、使った分だけ料金が変わる段階制の小容量プランが適しています。月額1GB~3GB程度のプランから始めるのがおすすめです。
【番外編】月額料金を抑えたい方向けのおすすめ格安SIM
月々の費用を少しでも抑えたい場合は、大手キャリアのサブブランドである「ワイモバイル」や「UQモバイル」がおすすめです。これらは格安SIMでありながら、全国にショップがあり、対面でのサポートを受けられるのが大きなメリットです。料金プランもシンプルで分かりやすく、シニア世代にも人気があります。
まとめ:家族のサポートで安心のスマホデビューを実現しましょう

「高齢だからスマホは契約できない」ということは決してありません。本人の意思確認や支払い能力など、携帯会社が懸念する点を理解し、家族が「同伴」「代理契約」「名義人になる」といった形で適切にサポートすれば、道は開けます。
特に「代理契約」は、親御さんの負担を減らしつつ、スムーズに手続きを進められる有効な手段です。今回解説したキャリアごとの必要書類を参考に、まずは委任状の準備から始めてみてはいかがでしょうか。この記事が、あなたの親御さんの安心で便利なスマホライフの第一歩となることを願っています。
高齢者のスマホ契約に関するよくある質問
80歳以上でも携帯の契約はできますか?年齢制限はありますか?
A. はい、契約できます。携帯電話の契約に、法律上の明確な年齢上限はありません。ただし、80歳以上などご高齢の場合、契約内容を十分に理解されているか、お店のスタッフがより慎重に確認する傾向にあります。ご本人の意思確認が難しいと判断された場合に、契約が進められないことがあります。
家族が代わりに契約できますか?契約者と使用者が違っても問題ないですか?
A. はい、可能です。方法は2つあり、1つは親御さん本人を契約者として、家族が「代理人」として手続きを行う方法です。もう1つは、家族自身が「契約者」となり、親御さんを「利用者」として登録する方法です。どちらも可能ですが、後々の手続きを考えると、親御さん本人を契約者とする代理契約がおすすめです。
代理契約には何が必要ですか?委任状は必須ですか?
A. はい、委任状は必須です。代理契約には、主に以下の4点が必要です。
- 契約者本人(親御さん)の本人確認書類(原本)
- 代理人(来店するご家族)の本人確認書類(原本)
- 契約者本人が記入した委任状
- 毎月の支払いに必要なもの(クレジットカードやキャッシュカード)
委任状は各キャリアの公式サイトからダウンロードできます。
高齢者におすすめの携帯会社やプランはありますか?
A. 操作に不安がある方には、専用の簡単スマホや充実した電話サポートが用意されているドコモ、au、ソフトバンクの大手キャリアが安心です。料金を抑えつつ店舗でのサポートも受けたい場合は、サブブランドのワイモバイルやUQモバイルも非常に人気があります。プランは、通話メインなら「かけ放題」、少しネットも使うなら「小容量プラン」がおすすめです。
通話のみで使える安いスマホはありますか?
A. はい、あります。現在もガラケー(フィーチャーフォン)は販売されており、通話機能に特化しているため料金も安く抑えられます。スマートフォンで通話のみを希望する場合は、端末はシニア向けスマホを選び、料金プランを「かけ放題オプション」のみに絞ったシンプルな契約にすることで、料金を抑えつつ、LINEなどの便利な機能も使えるようになります。