「自然に還りたい」という想いを叶える樹木葬ですが、安易に決めると「こんなはずではなかった」と後悔する可能性も。特に、新しい埋葬方法のため、ご家族や親族との間で意見が合わず、思わぬトラブルに発展するケースも少なくありません。
この記事では、樹木葬で後悔しがちな人の共通点や、知っておくべきデメリットを詳しく解説します。さらに、失敗しないための選び方のポイントもご紹介しますので、納得のいくお墓選びの参考にしてください。
樹木葬で後悔する人の5つの共通点

樹木葬を選んで後悔する方には、実はいくつかの共通したパターンが見られます。事前にこれらのポイントを知っておくことで、将来起こりうる失敗を未然に防ぐことができます。
ここでは、よくある5つの共通点を具体的に解説します。ご自身の状況と照らし合わせながら、後悔のない選択をするためのヒントを見つけていきましょう。
家族や親族への相談が不十分だった
ご自身の希望だけで樹木葬を決めてしまい、後から家族や親族の反対にあうケースは少なくありません。特に、伝統的な墓石のお墓を望む方がいる場合、意見が対立し深刻なトラブルに発展する恐れがあります。
お墓は自分一人の問題ではなく、家族みんなが関わる大切な場所です。契約前に必ず全員で話し合い、周囲の理解を得ておくことが、後悔を避けるための第一歩と言えるでしょう。
現地の見学をせずに契約してしまった
パンフレットやウェブサイトの写真だけを見て契約すると、実際の雰囲気や管理状況がイメージと大きく異なることがあります。日当たりや水はけ、周辺環境など、現地でしかわからない情報は非常に多いです。
また、スタッフの対応や他の参拝者の様子から、その霊園の管理体制をうかがい知ることもできます。契約を結ぶ前には、必ず一度は現地に足を運ぶようにしましょう。
費用総額の内訳を確認していなかった
初期費用が安く見えても、年間管理費やプレートの彫刻料など、後から追加費用が発生する場合があります。契約時には、永代供養料を含めた総額がいくらになるのか、内訳を細かく確認することが重要です。
特に、生前に契約する場合、将来的に料金改定がないか、もしもの時に家族に負担がかからないかなど、長期的な視点で費用をチェックしておく必要があります。
将来の供養方法まで考えていなかった
樹木葬は、一定期間が過ぎると合祀され、他の方の遺骨と一緒に供養されるのが一般的です。「個別にお参りしたい」という気持ちが強い場合、手を合わせる対象が共有のシンボルツリーだけになることに寂しさを感じるかもしれません。
また、お線香をあげたりお花を供えたりできない施設もあります。契約前に、どのような形での供養やお参りになるのかを具体的に確認しておくことが大切です。
自然に還るイメージだけで決めてしまった
「樹木葬=すぐに土に還る」というイメージを持つ方もいますが、実際には遺骨を骨壷に入れて埋葬する施設も多くあります。完全に自然に還るまでには数十年以上の長い年月がかかるのが実態です。
また、美しい緑に囲まれた景観を想像していても、季節によっては枯れ木が目立ったり、管理が行き届いていなかったりすることも。理想と現実のギャップに後悔しないよう、埋葬方法や管理状況をよく確認しましょう。
樹木葬の主なデメリット8選を徹底解説

樹木葬には多くのメリットがありますが、後悔しないためにはデメリットも正しく理解しておく必要があります。ご自身の価値観やご家族の考え方と合わない点がないか、事前にしっかり確認しておきましょう。
ここでは、樹木葬を検討する上で特に注意したい8つのデメリットを解説します。これらの点を踏まえて、本当に自分たちに合った選択なのかを慎重に判断してください。
- 遺骨を後から取り出せない場合がある
- 個別の墓標がなくお参りの実感が薄い
- 合祀に抵抗を感じる家族や親族もいる
- 天候や立地によってお参りが大変になる
- お墓を子供に承継することができない
- 新しい埋葬方法で周囲の理解を得にくい
- 将来的に管理が疎かになる危険性がある
- 生前の草木と景観が変化することがある
遺骨を後から取り出せない場合がある
一度合祀(ごうし)されると、他の方の遺骨と混ざってしまうため、後から特定の人の遺骨だけを取り出すことはできません。将来的に「お墓を引っ越したい」と思っても、改葬が不可能になるという大きなデメリットがあります。
もし、将来的に遺骨を取り出す可能性が少しでもあるなら、一定期間は個別で安置してくれるタイプの樹木葬を選ぶか、改葬が可能かどうかを契約前に必ず確認しましょう。
個別の墓標がなくお参りの実感が薄い
樹木葬の多くは、シンボルとなる一本の木や草花に向かってお参りするスタイルです。個人の名前が刻まれた墓石がないため、どこに手を合わせれば良いのか分からず、お参りの実感が湧きにくいと感じる方もいます。
小さなネームプレートを設置できる施設もありますが、伝統的なお墓参りに慣れている方にとっては、故人を偲ぶ対象が曖昧に感じられるかもしれません。
合祀に抵抗を感じる家族や親族もいる
遺骨が最終的に見知らぬ人と一緒になる「合祀」という形式に、心理的な抵抗を感じる方は少なくありません。「故人が可哀想」「知らない人と一緒では成仏できないのでは」といった不安の声が親族から上がる可能性も考慮すべきです。
こうした価値観の違いは、後々のトラブルの原因になります。なぜ樹木葬を選びたいのか、合祀がどのようなものなのかを丁寧に説明し、家族や親族の理解を得る努力が不可欠です。
天候や立地によってお参りが大変になる
自然豊かな環境が魅力の樹木葬ですが、その多くは里山型など郊外に位置しています。そのため、公共交通機関でのアクセスが難しく、車がないとお参りが困難な場合があります。
また、山の中にある施設では、雨や雪の日には足元が悪くなり、高齢になってからのお参りが大きな負担になることも。将来的な交通アクセスも考えて立地を選ぶことが重要です。
お墓を子供に承継することができない
樹木葬は、霊園が永代にわたって供養・管理を行うことを前提とした一代限りのお墓です。そのため、子供や孫の代までお墓を受け継いでいくことはできません。
これは後継者問題を解決するメリットである一方、「先祖代々のお墓を守りたい」という考えを持つ方には向きません。家族のお墓に対する考え方を事前に確認しておく必要があります。
新しい埋葬方法で周囲の理解を得にくい
樹木葬は近年人気が高まっていますが、まだ比較的新しい埋葬方法です。そのため、特に年配の親族などからは「縁起が悪い」「お墓らしくない」といった否定的な意見が出ることも考えられます。
伝統的な墓石への考え方が根強い地域や家庭では、親族への丁寧な説明と合意形成が、後悔を避けるために非常に重要になります。
将来的に管理が疎かになる危険性がある
樹木葬の管理は、運営母体である寺院や企業の経営状況に左右されます。万が一、経営が立ち行かなくなった場合、約束されていた永代供養が受けられなくなったり、敷地が荒れ果ててしまったりする危険性もゼロではありません。
契約前には、運営母体の経営実績や評判を調べ、長期的に安定して管理してもらえるかを見極めることが大切です。
生前の草木と景観が変化することがある
生前に見学した際の美しい景観も、季節や時間の経過とともに変化します。樹木が思ったように育たなかったり、逆に生い茂りすぎて荒れた印象になったりすることも。自然のものである以上、景観の変化は避けられません。
また、管理が行き届いていないと雑草だらけになってしまうケースもあります。見学時には、現在の管理状態が良好かを自分の目でしっかりと確認しましょう。
【種類別】埋葬方法によって異なる注意点

樹木葬と一言でいっても、埋葬の方法は一つではありません。主に「合祀型」「集合安置型」「個別安置型」の3種類があり、それぞれにメリットと注意点が存在します。
ご自身の希望や予算に合ったタイプを選ぶために、まずはそれぞれの特徴を理解することが大切です。ここでは、埋葬方法ごとの注意点を詳しく見ていきましょう。
| 種類 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 合祀型 | 遺骨を骨壷から出して直接埋葬 | 費用は安いが遺骨の取り出し不可 |
| 集合安置型 | 共有のシンボルツリー下に個別埋葬 | 個別の区画が狭い場合がある |
| 個別安置型 | 個別の樹木や区画に埋葬 | プライバシーは保たれるが費用は高め |
合祀型は他人の遺骨と一緒になる
合祀型は、遺骨を骨壷から取り出し、他の方の遺骨と一緒に埋葬する方法です。費用を最も抑えられる点が大きなメリットですが、一度埋葬すると二度と遺骨を取り出すことはできません。
「故人だけのスペースでお参りしたい」という方や、将来的に改葬の可能性がある方には不向きです。費用面だけでなく、供養の形を重視して検討する必要があります。
集合安置型は個別のスペースが限られる
集合安置型は、一本のシンボルツリーの周りに、複数の区画を設けて個別に遺骨を埋葬するタイプです。一定期間は個別で安置された後、合祀されるのが一般的で、合祀型と個別安置型の中間的な位置づけと言えます。
ただし、あくまで共有スペースのため、個別の区画が狭く、お供え物などに制限がある場合が多い点に注意が必要です。プライベートな空間を重視する方には、少し物足りなく感じるかもしれません。
個別安置型は費用が比較的高くなる
個別安置型は、一区画に一本の木を植え、その下に個別に遺骨を埋葬するスタイルです。家族だけで静かにお参りできるプライベートな空間を確保できますが、その分費用は他のタイプに比べて高くなる傾向にあります。
また、個別で管理できる期間が定められており、その期間を過ぎると合祀される契約がほとんどです。永続的に個別で安置されるわけではない点を理解しておくことが重要です。
後悔しないために知るべき樹木葬のメリット

ここまで樹木葬のデメリットや注意点をお伝えしてきましたが、もちろん多くの魅力的なメリットも存在します。デメリットとメリットの両方を天秤にかけ、総合的に判断することが後悔しないための秘訣です。
ここでは、樹木葬がなぜ多くの人に選ばれているのか、その主なメリットをご紹介します。自分たちの価値観に合っているかを改めて確認してみましょう。
後継者がいなくても安心して任せられる
樹木葬の最大のメリットは、お墓を継ぐ人がいなくても契約できる点です。ほとんどの施設で永代供養が付いているため、お墓の管理や供養を霊園に一任できます。
子供に迷惑をかけたくない、お墓の管理で悩んでいるという方にとって、後継者問題から解放されることは非常に大きな安心材料となるでしょう。
従来のお墓よりも費用を抑えやすい
新しくお墓を建てる場合、墓石代や永代使用料などで数百万円かかることも珍しくありません。一方、樹木葬は墓石が不要なため、費用を大幅に抑えることが可能です。
安いプランであれば数万円から利用できる施設もあり、経済的な負担を軽減できます。ただし、前述の通り、プラン内容によって費用は大きく異なるため、総額の確認は必須です。
宗教や宗派を問わず利用できることが多い
多くの樹木葬霊園では、宗旨・宗派を問わず、誰でも受け入れています。特定の宗教に属していない方や、宗教的な儀式にこだわりがない方でも安心して利用できるのが魅力です。
無宗教の形で眠りたい、あるいは生前の宗教にとらわれず自由に供養したいという現代のニーズに合った埋葬方法と言えるでしょう。
自然に還りたいという希望を叶えられる
「最後は豊かな自然の中で眠りたい」という故人の遺志を尊重できる点は、樹木葬ならではの大きなメリットです。墓石の下ではなく、木々や花々に囲まれて安らかに眠るというスタイルは、多くの方の心に響きます。
四季の移ろいを感じながら故人を偲ぶことができるため、残された家族にとっても心の拠り所となるでしょう。
失敗しない樹木葬の選び方と5つのポイント

これまで見てきたデメリットやメリットを踏まえ、実際に樹木葬を選ぶ際にはどのような点に気をつければ良いのでしょうか。いくつかのポイントを押さえるだけで、後悔するリスクを大きく減らすことができます。
ここでは、失敗しない樹木葬選びのために、最低限確認しておきたい5つのポイントをまとめました。契約前の最終チェックリストとしてご活用ください。
- 家族や親族と十分に話し合い理解を得る
- 必ず現地見学して雰囲気や管理状況を見る
- 契約前に費用総額と追加料金の有無を確認
- 管理体制と将来の永代供養の内容を質問
- 複数の施設を比較して慎重に検討する
家族や親族と十分に話し合い理解を得る
最も重要なのは、ご家族や親族との合意形成です。なぜ樹木葬を選びたいのか、そのメリット・デメリットを丁寧に説明し、みんなが納得できる結論を出すことが大切です。
お墓参りをするのは残されたご家族です。交通アクセスや供養方法など、お参りする側の視点も考慮して、全員が気持ちよく故人を偲べる場所を選びましょう。
必ず現地見学して雰囲気や管理状況を見る
契約前には、必ず現地に足を運び、ご自身の目で確かめることが不可欠です。日当たりや水はけ、周辺の環境はもちろん、園内の清掃状況や植栽の手入れ具合など、管理体制をしっかりチェックしましょう。
また、実際に訪れることで、自宅からの所要時間やお参りのしやすさも体感できます。季節を変えて何度か訪れてみると、より客観的に判断できるのでおすすめです。
契約前に費用総額と追加料金の有無を確認
費用については、初期費用だけでなく、年間管理費や彫刻料など、すべての項目を含んだ見積もりを出してもらいましょう。契約書に記載のない追加料金が発生しないか、念を押して確認することが重要です。
支払い方法や、もしもの時のキャンセル規定なども含め、お金に関する疑問点はすべて解消してから契約するという姿勢がトラブルを避ける上で大切になります。
管理体制と将来の永代供養の内容を質問
運営母体の信頼性や、将来にわたる管理体制を確認することも忘れてはいけません。どのような法人が運営しているのか、これまでの実績などを調べておくと安心です。
また、永代供養の内容も施設によって異なります。年に何回合同供養が行われるのか、合祀された後はどのような形で供養が続くのかなど、具体的な供養の方法を詳しく質問しておきましょう。
複数の施設を比較して慎重に検討する
最初に見学した施設が良く見えても、すぐに決めてしまうのは禁物です。少なくとも2〜3ヶ所の施設を比較検討することで、それぞれの長所・短所が客観的に見えてきます。
費用、アクセス、環境、管理体制、そしてスタッフの対応など、多角的な視点で比較し、ご自身とご家族にとって最も納得のいく場所を慎重に選びましょう。
まとめ:デメリットを理解し後悔のない選択を

樹木葬は、後継者問題を解決し、費用を抑えられるなど多くのメリットがある魅力的な選択肢です。しかし、その一方で、遺骨が取り出せない、親族の理解が得にくいといったデメリットも存在することを忘れてはいけません。
後悔しないためには、これらのデメリットを正しく理解した上で、ご家族と十分に話し合うことが何よりも大切です。この記事で紹介したポイントを参考に、皆様が心から納得できるお墓選びができることを願っています。
樹木葬のデメリットに関するよくある質問

ここでは、樹木葬のデメリットに関して、多くの方が疑問に思う点についてお答えします。契約前に不安を解消しておくことが、後悔のない選択につながります。
よくある質問とその回答を参考に、樹木葬への理解をさらに深めていきましょう。疑問点が残る場合は、直接霊園に問い合わせることをおすすめします。
樹木葬の主な欠点は何ですか?
樹木葬の主な欠点としては、一度埋葬すると遺骨を取り出せない場合があること、個別の墓石がないためお参りの実感が薄れがちなこと、そして子供や孫に承継できない一代限りのお墓であることなどが挙げられます。
また、比較的新しい埋葬方法のため、家族や親族から理解を得にくいという点も、人によっては大きなデメリットとなるでしょう。
樹木葬の費用は平均でいくらですか?
樹木葬の費用は、埋葬方法や立地によって大きく異なります。最もシンプルな合祀型であれば5万円~30万円程度ですが、個別で安置するタイプや都心に近い施設では50万円~80万円程度が相場です。
さらに、家族で利用できる区画やデザイン性の高いものでは、100万円を超えるケースもあります。必ず総額の見積もりを確認することが大切です。
樹木葬は永代供養に含まれますか?
ほとんどの樹木葬プランには、霊園が永代にわたって遺骨の管理・供養を行う「永代供養」が含まれています。これにより、お墓の後継者がいなくても安心できます。
ただし、「永代供養」の具体的な内容は施設によって異なるため注意が必要です。どのような供養がいつまで行われるのか、契約前に詳細を確認しておきましょう。
埋葬された遺骨は最終的にどうなりますか?
樹木葬では、一定の個別安置期間が過ぎた後、遺骨を骨壷から出して合祀墓などに移し、他の方の遺骨と一緒に土に還すのが一般的です。これを「合祀」と呼びます。
自然の力でゆっくりと土に還っていくため、完全に分解されるまでには数十年以上の長い時間がかかります。すぐに土に還るわけではないことを理解しておきましょう。
樹木葬が近年人気なのはなぜですか?
樹木葬が人気を集めている理由は、主に3つあります。1つ目は、後継者が不要であること。2つ目は、墓石を建てないため費用を安く抑えられること。3つ目は、「自然に還りたい」という現代人の自然志向に合っていることです。
これらの理由から、特に子供に負担をかけたくないと考える世代を中心に、新しいお墓の形として支持を広げています。