
はじめに:70代・80代の髪の変化、諦めていませんか?
70代、80代と年齢を重ねるにつれて、「髪のボリュームが減ってきた」「パサつきやうねりが気になる」「頭皮がかゆい」といったお悩みはありませんか。
以前と同じヘアケアをしているのに、なぜか髪がまとまらない。そう感じている高齢者の方は少なくありません。
しかし、それは仕方のないことだと諦める必要はないのです。年齢による髪質の変化に合わせたシャンプーを選ぶことで、髪の悩みはケアできます。
この記事では、70代・80代の方向けに、ドラッグストアなど市販で手に入るシャンプーの選び方から、具体的なお悩み別のおすすめまで詳しく解説します。自分にぴったりの一本を見つけて、若々しく美しい髪を取り戻しましょう。
年齢とともに髪の悩みが増えるのはなぜ?
若い頃とは違う髪の悩みが現れるのには、加齢による身体の変化が大きく関係しています。主な原因は「女性ホルモンの減少」と「ヘアサイクルの乱れ」です。
これらの変化が、髪のハリやコシの低下、乾燥、抜け毛といったトラブルを引き起こします。原因を正しく理解することで、ご自身の髪の毛に必要なケアが見えてきます。まずは、なぜ髪質が変わるのかを知ることから始めましょう。
女性ホルモンの減少と頭皮の変化
女性の髪の健康と深く関わっているのが、女性ホルモンの一種「エストロゲン」です。このホルモンは髪の成長を促し、ハリやツヤを保つ働きがあります。
しかし、加齢とともにエストロゲンが減少すると、髪が細くなったり、ハリ・コシが失われたりするのです。同時に、頭皮の皮脂分泌量も減少し、水分を保つ力が弱まります。これにより頭皮が乾燥しやすくなり、フケやかゆみの原因になることもあります。
ヘアサイクルの乱れ
髪の毛には「成長期」「退行期」「休止期」というヘアサイクル(毛周期)があります。健康な髪は、数年続く「成長期」に太く長く育ちます。
しかし、年齢を重ねるとこの成長期が短くなり、髪が十分に育つ前に抜け落ちてしまうことが増えます。その結果、一本一本の髪が細くなり、全体のボリュームダウンや抜け毛の増加につながってしまうのです。
この変化に対応した頭皮ケアが、健やかな髪を保つ鍵となります。
【重要】70代・80代のシャンプー選びで失敗しないための3つのポイント
数多くの市販シャンプーの中から、70代・80代の髪に最適な一本を見つけるのは大変です。しかし、3つのポイントを押さえるだけで、シャンプー選びはぐっと楽になります。
それは「洗浄成分」「+αの成分」「価格と処方」です。この3点を基準に選ぶことで、今のあなたの髪と頭皮に本当に必要なシャンプーが見つかります。ドラッグストアで迷った際は、ぜひこのポイントを思い出してください。
ポイント1:洗浄成分は「アミノ酸系」で優しく洗う
シャンプーの基本は「洗浄」です。しかし、洗浄力が強すぎるシャンプーは、高齢者のデリケートな頭皮に必要な皮脂まで奪い、乾燥やかゆみを悪化させる原因になりかねません。
そこでおすすめなのが「アミノ酸系」の洗浄成分です。アミノ酸系は、肌と同じ弱酸性で刺激が少なく、優しい洗い上がりが特徴。適度な洗浄力で汚れを落としつつ、頭皮のうるおいを守ります。
商品の裏面にある成分表示で「ココイル~」「ラウロイル~」といった記載があるものが目印です。
ポイント2:髪の悩みに合わせた「+αの成分」で選ぶ
シャンプーには、洗浄成分の他にも様々な美容・補修成分が配合されています。ご自身の髪の悩みを解決するためには、どのような「+αの成分」が含まれているかに注目することが大切です。
ボリューム不足、パサつき、フケ・かゆみなど、それぞれの悩みに効果的な成分を知ることで、より満足度の高いヘアケアが実現します。シャンプーを選ぶ際は、ご自身の悩みに合った成分を探してみましょう。
ハリ・コシ・ボリューム不足には「補修成分」
髪のボリュームダウンが気になる方には、髪の内部を補修し、ハリやコシを与えてくれる成分が配合されたシャンプーがおすすめです。
代表的な成分には、髪の主成分である「ケラチン」や「ヘマチン」などがあります。これらの成分が髪のダメージ部分を補修し、根元からふんわりと立ち上がるような、若々しい印象の髪へと導きます。
ボリュームアップを重視する方は、これらの補修成分に注目してみてください。
パサつき・うねりには「高保湿成分」
年齢とともに失われがちな髪の水分。パサつきやうねりが気になる場合は、高い保湿効果を持つ成分が必要です。
「コラーゲン」「ヒアルロン酸」「セラミド」といった保湿成分や、「アルガンオイル」「ツバキオイル」などの植物由来のオイルは、髪と頭皮にうるおいを与え、しっとりとまとまりやすい髪に整えます。
洗い上がりのパサつきや髪の広がりが気になる方は、これらの高保湿成分が配合されているかチェックしましょう。
フケ・かゆみには「抗炎症成分」
乾燥や刺激によって頭皮が荒れ、フケやかゆみが発生することもあります。このような頭皮トラブルには、炎症を抑える効果が期待できる「グリチルリチン酸2K」などの抗炎症成分が配合された薬用シャンプーやスカルプシャンプーが有効です。
敏感肌向けに処方された無添加・低刺激タイプの製品もおすすめです。健やかな髪は健康な頭皮環境から育まれるため、頭皮ケアを重視することも大切です。
ポイント3:続けやすい価格と「ノンシリコン」もチェック
ヘアケアは毎日の積み重ねが大切です。どんなに良いシャンプーでも、価格が高すぎて続けられなければ意味がありません。
幸い、最近の市販シャンプーは高品質で続けやすい価格の製品が豊富です。ドラッグストアなどで、無理なく購入できる価格帯のシャンプーを選びましょう。
また、ふんわり軽い仕上がりを求めるなら「ノンシリコン」タイプのシャンプーもおすすめです。シリコンは髪の指通りを良くする成分ですが、髪が細い方は根元がペタッとしてしまうことも。ボリュームを重視する方は試してみる価値があります。
【悩み別】ドラッグストアで買える!高齢者向け市販シャンプーおすすめ10選
ここからは、これまで解説した選び方のポイントを踏まえ、お悩み別に市販のおすすめシャンプーを具体的に10商品ご紹介します。
ご自身の髪の悩みに合わせてチェックしてみてください。どのシャンプーもドラッグストアやオンラインストアで手軽に購入できるものばかりです。
ご両親へのプレゼント選びで迷っている方も、ぜひ参考にしてください。人気の商品や口コミ評価の高いアイテムも含まれています。
【ボリュームアップ】ハリ・コシを与えふんわり髪へ導くシャンプー4選
髪が細くなり、根元の立ち上がりが気になり始めた方におすすめのシャンプーです。髪1本1本にハリとコシを与え、若々しい印象のふんわり髪を目指せる商品を選びました。
1. 花王 セグレタ シャンプー(ふっくらボリューム)
まさに高齢者の髪悩みに特化して開発されたブランドの代表格です。髪内部の空洞化に着目し、補修成分である「セラミドS」を配合。髪の内部密度を高め、根元からふんわりと立ち上がる、弾むような仕上がりを実現します。
全国のドラッグストアで手軽に購入できる安心感と、華やかなフローラルの香りも人気の理由です。まずどれを試すか迷ったら、最初の一本として間違いのない選択でしょう。
2. haru kurokami スカルプ
100%天然由来の成分で作られた、頭皮と髪に優しいシャンプーです。これ一本でコンディショナーが不要なオールインワンタイプなので、手軽にヘアケアを済ませたい方にぴったり。
頭皮の角質層まで浸透する「キャピキシル」などの成分が頭皮環境を健やかに整え、使い続けることで髪に自然なハリとコシを育みます。柑橘系の爽やかな香りで、心地よいバスタイムを演出してくれます。
3. アンファー スカルプD ボーテ 薬用スカルプシャンプー (ボリューム)
長年、頭皮ケアを研究してきた専門ブランド「スカルプD」の女性向けラインです。有効成分が頭皮の炎症を抑え、独自開発の豆乳発酵液などの保湿成分が、髪が育つ土台である頭皮環境を整えます。
ハリ・コシ成分が髪の根元からコーティングし、ドライヤーの熱で力強く立ち上がる、しっかりとしたボリューム感を実感できます。本格的なスカルプケアでボリューム不足を解消したい方におすすめです。
4. クラシエ いち髪 THE PREMIUM エクストラダメージケアシャンプー
日本人の髪質を長年研究して生まれた「和草のちから」で、髪本来の美しさを引き出すシリーズです。米ぬか発酵導入美容液やツバキオイルといった日本のスーパーフード由来の成分を配合しています。
ダメージで傷んだ髪を集中補修することで、指通りが良くなるだけでなく、髪一本一本が強くなり、結果として自然なハリとコシが生まれます。上品で優しい桜の香りと、続けやすい価格も大きな魅力です。
【パサつき・乾燥ケア】うるおいとツヤを取り戻す高保湿シャンプー3選
年齢と共に失われがちな水分と油分を補い、しっとりとまとまるツヤ髪へ導く、保湿力に優れたシャンプーを選びました。髪の広がりやうねりが気になる方にもおすすめです。
5. 第一三共ヘルスケア ミノン 薬用ヘアシャンプー
製薬会社が敏感肌・乾燥肌の方のために開発した、低刺激性の薬用シャンプーです。アレルギーの原因物質を極力カットし、植物性アミノ酸系の洗浄成分で、頭皮と髪のうるおいを守りながら優しく洗い上げます。
乾燥によるフケやかゆみを防ぎながら、しっとりまとまる髪に仕上がるため、デリケートな高齢者の頭皮に最適です。赤ちゃんからお年寄りまで、家族みんなで使える安心感があります。
6. クラシエ ディアボーテ HIMAWARI オイルインシャンプー (リッチ&リペア)
「髪のゆがみ」という、年齢によるうねり・くせ・パサつきの根本原因に着目した人気シリーズです。高濃度の「プレミアムヒマワリオイルEX」を配合し、髪内部の脂質と水分のバランスの乱れを整えます。
パサついて広がっていた髪が、毛先まで素直にしっとりとまとまるのを実感できるでしょう。ドラッグストアの定番商品であり、多くの年代から支持されている実力派シャンプーです。
7. ユニリーバ ダヴ バイオセレクション 保湿シャンプー
保湿ケアの王道ブランドであるダヴの中でも、保水ヒアルロン酸を含む処方で、髪の芯までうるおいを届けることに特化した製品です。ベタつくことなく、ふんわりとまとまる軽い仕上がりが特徴。
髪の水分をしっかりキープしてくれるので、乾燥による静電気や広がりが気になる方にもおすすめです。上品なフローラルの香りを楽しみながら、手頃な価格で日々のうるおいケアを続けられます。
【フケ・かゆみ対策】健やかな頭皮環境を整えるシャンプー3選
乾燥や菌が原因で起こりがちな、つらいフケ・かゆみ。その原因に直接アプローチし、健やかな頭皮環境を取り戻すための薬用シャンプーや低刺激シャンプーを選びました。
8. 持田ヘルスケア コラージュフルフルネクストシャンプー (うるおいなめらかタイプ)
フケやかゆみの原因菌の増殖を抑える抗真菌成分「ミコナゾール硝酸塩」を日本で初めて配合した薬用シャンプーです。しつこいフケ・かゆみに悩んでいる方に、まず試してほしい一本です。
原因菌に直接働きかけるだけでなく、「うるおいなめらかタイプ」は保湿成分も配合。高齢者の乾燥しがちな髪と頭皮への配慮もされています。すっきりとした洗い心地で、頭皮を清潔に保ちます。
9. 花王 キュレル シャンプー
フケ・かゆみの原因が、原因菌ではなく「乾燥」にある場合に特に効果的なのが、乾燥性敏感肌向けブランドのキュレルです。肌の必須成分「セラミド」の働きを守りながら、皮脂や汚れを優しく洗い流します。
赤ちゃんにも使えるほどの低刺激設計で、頭皮への負担を最小限に抑えながら、乾燥によるトラブルを防ぎます。肌が弱く、どのシャンプーもしみてしまうという方に最適です。
10. ライオン オクト 薬用シャンプー
フケ・かゆみ対策のシャンプーとして、長年愛され続けているロングセラー商品です。有効成分「オクトピロックス®」が、頭皮の隅々までいきわたり、フケ・かゆみの原因となる菌を殺菌・除去します。
豊かな泡立ちで地肌をマッサージするように心地よく洗え、デオドラント効果で気になる頭皮のニオイも防ぎます。長年の信頼と実績がありながら、非常に手頃な価格で試しやすいのも嬉しいポイントです。
シャンプーの効果を最大化!正しい髪の洗い方と適切な頻度
自分に合ったシャンプーを選んだら、次はその効果を最大限に引き出す「洗い方」が重要になります。
間違った洗い方は、かえって頭皮や髪にダメージを与えてしまうことも。ここでは、頭皮をいたわりながら汚れをしっかり落とす正しいシャンプーの手順と、高齢者の方に最適なシャンプーの頻度について解説します。毎日の習慣を見直して、ヘアケアの効果を高めましょう。
ごしごし洗いはNG!頭皮をいたわるシャンプーの手順
良かれと思ってゴシゴシ洗っていませんか?それは頭皮を傷つける原因になります。以下の手順で優しく洗いましょう。
- 1. 予洗い:シャンプーをつける前に、ぬるま湯で1分~2分ほど髪と頭皮をしっかりすすぎます。これだけで汚れの7割は落ちると言われています。
- 2. 泡立て:シャンプーを直接頭皮につけず、手のひらでよく泡立ててから髪全体になじませます。
- 3. 優しく洗う:爪を立てず、指の腹を使って頭皮をマッサージするように優しく洗います。
- 4. すすぎ:最も重要なのがすすぎです。シャンプー成分が残らないよう、髪の根元や生え際まで、ぬるま湯で2~3分かけて丁寧に洗い流しましょう。
高齢者のシャンプーは週に何回がベスト?
皮脂の分泌が活発な若い頃とは違い、高齢になると頭皮は乾燥しやすくなります。そのため、必ずしも毎日シャンプーをする必要はありません。
洗いすぎはかえって頭皮の乾燥を招き、かゆみなどのトラブルを引き起こす可能性があります。
個人の活動量や頭皮の状態にもよりますが、一般的には2~3日に1回程度の頻度が目安とされています。ご自身の頭皮のコンディションを見ながら、快適だと感じる頻度を見つけることが大切です。
夏場など汗をかいた日は、その都度洗うと良いでしょう。
まとめ:自分に合うシャンプーで、自信の持てるツヤ髪へ

70代・80代の髪の悩みに対応した市販シャンプーの選び方について解説しました。大切なポイントは、「アミノ酸系の優しい洗浄成分」を選び、「ボリュームアップ」「保湿」「頭皮ケア」などご自身の悩みに合った成分が配合されたものを見つけることです。
そして、正しい洗い方を実践することで、シャンプーの効果を最大限に引き出せます。
この記事を参考に、あなたにぴったりのシャンプーを見つけて、これからも自信の持てる美しい髪で毎日を楽しくお過ごしください。
高齢者のシャンプーに関するよくある質問
最後に、高齢者のシャンプーに関して多くの方が抱く疑問にお答えします。
シャンプーの頻度や市販品の安全性など、気になる点をここで解消しておきましょう。
高齢者のシャンプーは毎日するべき?適切な頻度は?
毎日洗う必要はありません。高齢になると頭皮の皮脂分泌が減るため、洗いすぎると乾燥を招くことがあります。
ベタつきやかゆみが気にならなければ、2~3日に1回のシャンプーがおすすめです。ただし、これはあくまで目安です。
ご自身の頭皮の状態に合わせて頻度を調整することが、健やかな頭皮を保つ秘訣です。
70代・80代の女性におすすめの市販シャンプーは?
70代・80代の女性には、まず頭皮への刺激が少ない「アミノ酸系洗浄成分」のシャンプーがおすすめです。
その上で、ボリューム不足には「ケラチン」などの補修成分、パサつきには「セラミド」などの保湿成分といったように、ご自身の悩みに合ったプラスアルファの成分が配合された製品を選びましょう。
多くのドラッグストアで、これらの条件を満たすシャンプーが見つかります。
日本で一番売れているシャンプーは何ですか?
シャンプーの売上ランキングは常に変動しており、様々なブランドが人気を集めています。しかし、売上1位の製品が必ずしもあなたの髪に合うとは限りません。
大切なのは、人気や口コミだけに頼るのではなく、この記事で紹介した選び方を参考に、ご自身の髪質や頭皮の悩みに合った成分のシャンプーを選ぶことです。
市販のシャンプーは髪に悪いって本当?
「市販のシャンプーは髪に悪い」というのは誤解です。確かに一部には洗浄力の強い製品もありますが、最近の市販シャンプーは品質が非常に向上しています。
アミノ酸系の優しい洗浄成分を使ったものや、美容成分を豊富に含んだ高品質な製品もドラッグストアで手軽に購入できます。
成分表示をしっかり確認して選べば、髪や頭皮に優しいシャンプーを見つけることは十分に可能です。
災害時や介護にも。水なしで使えるシャンプーはありますか?
はい、あります。水の使えない状況では、スプレータイプの「ドライシャンプー」や、シートで拭き取るタイプの「水のいらないシャンプー」が非常に便利です。
これらの製品は、皮脂や汚れを吸着して頭皮をさっぱりさせ、気になるニオイを抑える効果があります。
災害用の備蓄品としてだけでなく、入院中や日々の介護の場面でも役立つアイテムです。